【感想・ネタバレ】賢人と奴隷とバカのレビュー

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Posted by ブクログ

ブルシット・ジョブ論の紹介で知られる酒井隆史さんの評論集。様々な話題が扱われるが、柱となるのは、「ポピュリズム批判」批判だ。つまり、本来ポピュリズムには、知と権力とが結びついた、エリート主義への批判という意味があった。これを単に「反知性主義」と批判するだけでは、結局はやエリートによる支配を肯定してしまい、現状肯定で終わってしまう、と。

とはいえ、ポピュリズムは結局、ヒーロー待望論で終わってしまうなどの問題がある。なので筆者は、民主主義を深化させるしかない、と結論付ける。

となると、なかなか難しそうだが、その手掛かりはいくつかあるとのこと。たとえば、2015年の大阪都構想住民投票。あの時、大阪市のあちこちでは、住民たちが都構想を話題にし、手製のビラが撒かれていた。これは、現場にいないと分からない経験だったが、自分たちの未来を真剣に考えていた、と筆者は言う。こういう個々の経験をどう膨らませていくかを、本書は問いかけている。

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2023年08月17日

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