池上永一のレビュー一覧

  • シャングリ・ラ 下

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    「それはないでしょっ」ていう設定が多くぶっ飛んでいた。
    最終的には愛の話が強く心を打ち、とても良い物語でした。
    関連する小説があるようで、そちらも読んでみたい。

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    2017年01月17日
  • あたしのマブイ見ませんでしたか

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    聖教新聞がよかった。宗教関係か?と思ったら、ちょっぴり切ない話。
    どのショートストーリーも切れ気味なキャラがいて、独特なリズムで物語が進む。
    沖縄帰省中に読んで、やっぱり池上さんファンです。

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    2015年10月24日
  • レキオス

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    牧港住宅地区が返還され、新都心として産声を挙げる前の那覇市天久に巨大な魔法陣が出現し、米軍の発射したミサイルは消滅する――。という何ともスリリングなスタートから、伝説の「レキオス」を巡り、”文字通り”時空を超えて進行する壮大なストーリー。テンペストへ続く著者の真骨頂がにじみ出てる、と思う。科学の話のくだりは難しいが、米軍、ユタ、科学者、そして鍵を握るのは葛藤を抱え生きるアメラジアン。色んな意味での沖縄の魅力を凝縮させた大作。この著者の本はいつもボリュームあって大変…。だがもう熱狂的ファン。ありがとう。

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    2014年01月04日
  • シャングリ・ラ 上

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    これは面白いぞ~。
    見たことないけど、ちょっとリアルな設定。とっても魅力的なキャラクター。
    下巻も楽しみだ!

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    2012年12月04日
  • 夏化粧

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    これ、オススメです★

    産婆のオバァのまじないによって愛する息子の姿は誰の目にも映らなくなってしまった。
    本来の姿を取り戻すためには、他の人間にかけられた「七つの願い」を奪わなければならない…。
    命をかけて井戸に飛び込み、“陰”の世界へと向かう末婚の母、津奈美。

    七つの願いを奪えるのか…!?

    美しい八重山の自然を背景に、若き母親の一途で壮絶な愛を描いた、ファンタジーの傑作です。

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    2012年02月06日
  • やどかりとペットボトル

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    長編小説があまり得意ではなくてあれとかあれとか読んでいないけど、とりあえずこれがすごく面白いし好きだから、あれとかあれも面白いんだろうなーとは思っています。

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    2011年11月27日
  • シャングリ・ラ 下

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    面白さと内容のクレイジーさではピカイチ。魅力的なキャラクターとあっと驚く壮大なストーリーには脱帽。

    くせのある読み物が平気なら、これにははまると思います。

    ちなみに私はキャラクターではももこさんがすきです。

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    2010年11月22日
  • 風車祭 下

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    あまりにも島を馬鹿にしていて、ここまで書いて島民が怒らないの?と不安になったが、出身者が書く分にはいいのだろう。ボクも暮らしてみたい!

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    2010年10月03日
  • バガージマヌパナス わが島のはなし

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    先に「カジマヤー」を読んでしまったのだが、それに比べると「直球勝負!」って感じで、また違った好感がもてた。う~ん、この作家の女性、怠惰な怠け者の魅力に溢れている。珍しいパターンだなあ。

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    2010年10月01日
  • やどかりとペットボトル

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    石垣島出身の作家のエッセイ本。とても面白かったです!読みながら著者の育ちが羨ましくなった。ただのエッセイには留まらない、著者の優れた感性や知性を感じられるとこが好きです。

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    2010年08月18日
  • やどかりとペットボトル

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    沖縄の話もそうじゃない話も入ったエッセイ集。
    個人的には池上永一が飛行機好きだということがわかったのが収穫。

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    2009年10月04日
  • レキオス

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    この人の小説に出てくる女性キャラクターは、パワフルで破天荒でとても魅力的なのだが、ここにきて加速度が増した感じ。暴走SF・・?分量を感じさせずに一気読みした。面白かったあ。

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    2009年10月04日
  • あたしのマブイ見ませんでしたか

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    ■復活へび女■ 池上永一/実業之日本社
    の文庫版です。
    短編集。さくっと読めます。
    なんといいますか。
    池上永一も作家だったんだなあ……というわけのわからない感想を抱かせてくれた作品でした。
    一応、メモを見ると
    「マブイの行方」
    「サトウキビの森」
    「失踪する夜」
    「カジマイ」
    「復活へび女」
    「前世迷宮」
    「宗教新聞」
    「木になる花」
    がよかったらしいよ。

    池上永一は沖縄ファンタジー作家というだけでなく、作家だったんだなあ、と特に強く思ったのは「前世迷宮」でした。
    ともかく、沖縄のことを書く作家、という印象が強く、又その作品の質がいいだけに、よくよく考えてみると、この人はそのレッテルから一生逃れられない可能性もあったわけですね。

    でも、たとえば、この作品に「池上永一著」とついてなくても
    十分面白い作品だと思います。
    明るく、極彩色の世界だけでなく、青やダークブルーで彩られた世界も表現できるのね、といいますか……。

    キャラクターとしては「失踪する夜」の富士子オバアが!!!
    むーんらいとれでぃですよ……。
    わらかしてもらってますよ……。
    この、憎まれキャラとして厚かましくも暑苦しい、それでいて愛すべきオバアキャラ!
    池上永一以外の誰がこんな存在感のあるオバアを書けるのか!!
    (2004年6月後半)

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    2009年10月04日
  • シャングリ・ラ 上

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    設定が面白い。
    ニューハーフが強いし、印象深い。でも彼らが男とはこう、女とはこうって決めつけてくるのが引っかかるのは、本が書かれた時より二十年も経っている今だからなのかも。
    誰にも感情移入ができないので、壁になって世界の変化を見守る気持ちだった。
    中途半端にラノベっぽいのが気になった。

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    2026年10月08日
  • トロイメライ

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    時は19世紀、琉球王朝の時代。新米の筑佐事(岡っ引き)にして三線の名手でもある武太は那覇の街で次々と起こる様々な事件を解決すべく、東奔西走する。

    琉球王朝時代を舞台として、市井の犯罪にまつわる悲喜こもごもを鮮やかに活写した、「テンペスト」の姉妹編にあたる連作短編集。絢爛豪華で権謀術数に塗れた「テンペスト」とは対照的に、ほろりとするような人情話が中心。お目付役の大貫長老や宿の三姉妹、そして毎回ゲスト出演する「テンペスト」の登場人物らとともに繰り広げられる、小ぶりながらもにぎやかで楽しい作品。毎回出て来る沖縄料理もやたら美味しそう。

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    2026年09月15日
  • あたしのマブイ見ませんでしたか

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    ネタバレ

    沖縄目当てで読んだけど、後半の内地が舞台のお話も良かった ☀︎

    いちばんは「木になる花」。
    香り、感触、音の描写が丁寧ですてきだなと思って読んでいたんだけど、そういうことなんだねᵕ ᵕ̩̩
    久しぶりに短編小説で泣かされてしまった

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    2026年08月10日
  • 統ばる島

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    八重山諸島の島々にある御嶽を舞台装置とした、ホラーあり人魚譚あり密貿易譚ありの多彩な短編集。

    雄大な自然の下で神様に見守られながらにぎやかに繰り広げられる人間模様という、池上永一の魅力を凝縮し、叙情性とエンタメ性を両立させた濃密な一冊。

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    2026年01月13日
  • 海神の島

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    ドラマか映画を観てるような感覚で、楽しみました。三姉妹を演じる女優さんを想像してしまいました。
    祖母の遺産をめぐって三姉妹がそれぞれの得意能力を生かして活躍する様は、遺産もらわなくても、自分で調達できるんじゃないの!?と思わざるをえなかったですが。
    戦時中の事から、軍事の事、秘宝の貝などなど、作者の深くて幅広い知識に圧倒されました。
    クライマックスの海底の決闘の描写がとくに好きです。

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    2024年09月04日
  • バガージマヌパナス わが島のはなし

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    なんて魅力的なんやろう。冒頭から惹き込まれる豊穣でおおらかで豪快でええかげんな世界。ガジュマルの樹の下で遊び友達のオージャーガンマーばあさんと日々ユンタク三昧の綾乃は怠け者で身勝手で美人で三線の名手で霊感が強く彼女の才能に目をつけた神様の度重なる脅迫と嫌がらせの中、拝む意味を知る。オージャーガンマーばあさんをマネジャーとし、ここに、現ユタチャンピオンである既得権益者カニメガとのユタ市場を賭けた壮絶なバトルが始まる?《この島は怠け者を愛してくれる》p.7

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    2024年01月12日
  • 風車祭 下

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    ★私は島に残ります。(p.403)
    ■5つのポイント
    ・これほど豊穣かつ楽しくて力強く、そして切ない物語をこれまで知らなかったなんて!!
    ・沖縄という風土とは、沖縄人とは、を描こうとしているようにも見える。
    ・マブイなくし組四人と六本足妖怪ブタのギーギーは行動し、マブイだけの存在ピシャーマは成仏したがっている? 彼女には役割がないのか?
    ・大津波予知により右往左往する島の呪術師たち。でもがんばる。
    ・ほとんど人外のチーチーマーチューとターチーマーチューはマイペース。

    ■簡単なメモ
    【一行目】今日の島は朝から賑やかだ。旧暦の九月七日の始まりは、木々の無数のざわめきと、いつになく大きく鳴り響く潮騒、そして島唄と三線の微かな音色の重なりだった。

    【愛】《愛とは絶叫である。ギーギーはその声に満足した。》(上巻p.376)
    【赤嶺/あかみね】ご近所のユタ。
    【遊ぶ】《島では大人たちの方が子供よりよく遊ぶ。島社会は子供でいることが損なのである。》(下巻p.362)
    【アマミキヨ神】創世の神。
    【アラピキ橋】妖怪がたくさんいる。
    【泡】アラピキ橋の下を流れる川がときどき泡立つのはギーギーが「洗濯」をしているから。いろいろ化学変化にのっとって泡を起こし記憶を失ってすっきりして戻ってくる。
    【郁子/いくこ】玉城郁子。武志の同級生である睦子の妹。《赤毛の硬い髪。ひと月寝こんだくらいでは、色が落ちない日焼けした褐色の肌。一旦口を開いたら自己主張をやめない性格。泥と共生関係にある汚れた衣服。この娘は島の子供の典型をいくつも備えている。》(上巻p.103)。父親が医師なのでいつの間にか医術用語を覚えてしまい人形を手術して殺してしまった。美少女ヒロインに変身したい。フジに負けず劣らずキャラが強い。うっかりするとメンヘラ系。
    【石垣島】舞台は石垣島と思われる。
    【石敢當/いしがんとう】T字路に設置する魔除けのようなもの。石ころに「石敢當」と彫ってある。スーパーでも販売されている人気商品。ぼくもひとつ持ってます。同じ発想の発展形のようなものとして門に設けられる「ピーフン」という壁がある。
    【意識】《だったら魂と意識はまた別のものなのではないか。だとすれば、意識というのは肉体が生みだすちうことになる。》(上巻p.237)。《『記憶』、それだと思った。意識は昨日という過去が生みだすものなのだ。現在の自分は過去の記憶を引き継いで、明日に間違いなく渡すだけの通過点にすぎない。それを意識と呼ぶならなんと矮小な存在であろう。》(上巻p.237)
    【イシクス山】この山を崩して近代的な都市を作ったが、人口に比して大きすぎる都市には人がいない。そして、イシクス山は重要な位置づけにあったので神は島を滅ぼすことに決めた。
    【御嶽/ウタキ】七大御嶽などあるらしい。男性の立ち入りは禁止されているようだ。
    【ウマチー】旧暦二月十五日、麦の豊作を予祝する行事だが今は麦を作る農家がなくなったのでひっそりした祭りになってしまった。
    【噂】《いい加減な人物の語る噂ほど、人の心を遠ざけるものはない。》(下巻p.222)
    【沖縄人】《沖縄人の血には帰巣本能が備わっている。たとえ生まれた土地が痩せていても、海を渡って結局島に戻ってくる。》(下巻p.340)
    【お茶】沖縄の水はカルシウムを多く含みかき混ぜると泡立ち、メレンゲ状にした茶を飲むのが沖縄の茶道で王侯たちは泡立った「ブクブク茶」を愛した。
    【オバァ】オバァには三種類ある。①市民階級の中での最高位に位置する高貴な称号で世襲制ではない。成人女性。知識と経験が豊富。孤独でない。健康体であること。最重要なのは市民から好かれていること。トミなどがこれにあたる。②厚かましくて身勝手な高齢女性に対する蔑称。階級社会の最下層になる。条件はほぼ上記の高貴な称号と同じ。最重要なのは市民から嫌われていること。当然フジなどがこれにあたる。③何事にも動じなく世間の評価と関わりなく泰然自若と生きている様を表す言葉としてのオバァ。残飯オバァなどがこれにあたる。
    【思い出】《思い出があるんだろ。退屈じゃないよ》(上巻p.105)
    【風車祭/カジマヤー】《カジマヤーとは沖縄の数え九十七歳の長寿を祝う祭りである。たくさんのカラフルな風車をオープンカーに飾ってパレードをする。仲村渠のオバァはこの日のために今まで長生きしてきた。もっと厳密にいうならば、この日のためだけに生まれてきたといっても過言ではない。オバァの九十七年の間の様々な罪が許される、島をあげての祝いの日だ。》(上巻p.11)。なんか、えらい日ですね。フジのカジマヤーから話は始まる。
    【カメ】前新川首里大屋子家の直系の子孫。
    【ギーギー】沖縄の豚はブーブーではなくギーギーと鳴くことになっているので呼びかけるとき「ギーギー」と言ったりするようだ。ピシャーマといっしょにやってきた巨大で六本足の雌豚は自分がピシャーマの面倒を見ているつもりで目の見えないピシャーマを誘導する盲動豚の役を果たしているがついつい残飯などの臭いところに引き寄せられたりする。もとはただの豚だったが飼い主が成長の限界に挑戦してしまい子牛ほどになったときエンゲル係数が高すぎるので捨てられた。その後必要に迫られ乳房が変貌し二本の足が増えた。その頃から妖怪化してきたと思われる。現在は八百キロを超える体重。武志に恋をし、フジの入れ知恵で人間に変身できるようになる。《ギーギーの特技はブーイングである。これはすべての豚に備わった能力だ。》(上巻p.364)
    【ギガズン】変死者のこと。そのままではまともに葬ってもらえない。
    【北崎倫子/きたざき・のりこ】武志が好きな女優。
    【グソー】後生。あの世のことかと。
    【慶田盛のオジィ/けだもりのおじい】月のいい夜には味わい深い枯れた声で三線を弾き語りしながら散歩しているオジィ。歌は聞こえども姿を見ることはなかなかできない。三十番まである長い物語歌「マヘラチィユンタ」を好んで歌う。どうやらこの世の存在ではなく三線に取り憑いて三線から三線を渡り続けている存在のようだ。
    【言葉】《内容がわからなくても、自然と笑みが零れてしまう武志だった。》《島の言葉は暑さで伸びて相手を弛緩させる働きがあるようで、喧嘩で怒鳴り合っても平和な音にしか聞こえないから、怒る気力も萎えてくる。特に畏まった葬式のような場所で、方言でどんなに殊勝なお悔やみを述べても、葬儀に参列する人は必死で笑いを堪えて涙どころではなくなる。》《会話では笑いを、歌謡では情感を追求してきた島の言葉は、今ではほんの僅かな年寄りしか使用しない言語になってしまった。》(下巻p.368)
    【サーダカー生まれ】生まれつき霊力の高い人のことらしい。
    【残飯オバァ】残飯入れから腐る直前の美味しい上澄みを掬って食べるオバァ。彼女による残飯占いの的中率は高い。
    【刺激】《何しろ天国に近いこの島では、刺激的な日々とは無縁なのであるから、積極的に事を起こさないと、昨日も今日も明日も変化がないのである。》(上巻p.32)
    【シチの日】旧暦八月十五日。あの世の正月。各地で失われていっているが、川平(かびら)地区ではシチ祭が盛大に行われている。
    【シニマブイ】落としてから長時間を経てもう戻すことができなくなったマブイ。見つけることができたらむしろ生き生きしている。
    【十八番街】旧歓楽街。梯子に梯子を重ねて行き着く先。睦子が出没する。
    【十六日祭/ジュウルクニチ】旧暦一月十六日、島中の人間が墓場に集まりどんちゃん騒ぎや社交をする。
    【淳子】《最悪、あたしだったらいっそ死ぬね》(上巻p.441)
    【職】《彼らにとって職のないことは大したマイナス要素にはならない。職がなくても何とか生きていける風土だからだ。これに偶然、神様の思し召しで職が転がりこんだら、人生の勝利者といっていいほどだ。それで幾つか職を転々として、数十年後、結局働くことに向いていないと気がつくのが定番だ。周囲を見渡せば、皆同じことを考えているので、落伍者にはならない。》(下巻p.340)
    【植物】島の植物は旺盛な繁殖力を持ち、人間と勢力争いをしている。油断したらすぐ密林を作ってしまう。
    【精神医療】《沖縄では本土と比べてとりわけ精神病治療の遅れが目立つ。それは風土がもたらす事情が治療行為を阻むからだった。ちょっとした風変わりな言動は、神がかりとして別の治療者の手にかかることになったり、珍重されたりする。通常では入院すべき人物でも生まれが高い人間だからとか、先祖の拝みが不足しているからだとか、超常的な解釈がなされそのまま社会に受け入れられている場合が多いのである。》(上巻p.312)
    【ターチーマーチュー】飲んだくれ兄弟のひとり。つむじがふたつという意味の名前。チーチーマーチューの弟。ともにいい海人だったが親戚に騙されていたことを知り飲んだくれになった。兄の絵や弟の船の彫刻をもらうと商売繁盛するとかで商売の神のような存在になって世話を焼いてもらえ日々飲んだくれている。
    【ダートゥーダー】懲罰神。
    【だからよー】《当事者意識のない無責任な肯定または否定》(上巻p.34)のとき使う。対応する日本語はないらしい。関西弁なら「せやなあ」あたりが近いかも。ほとんどすべての受け答えがこれで可能。
    【武志/たけし】比嘉武志。商工高校に通う高校生。とっつきにくいが驚くほど素直。影響を受けやすいタイプ。さまざまな風習を知っているトミを尊敬してくれている数少ない人物の一人で、フジやハツを嫌っている。典型的な沖縄顔。《武志は確かにいい男だからねぇ。》(下巻p.332)。けっこうモテてる。バスケットボール部員。小柄だが前進バネみたいでジャンプ力がある。
    【種子取祭/タニドウル】旧暦十月立冬。
    【玉城郁子/たまき・いくこ】→郁子
    【玉城睦子/たまき・むつこ】→睦子
    【チーチーマーチュー】飲んだくれ兄弟の一人。つむじがひとつという意味の名前。ターチーマーチューの兄。彼が描いた絵を飾ると商売繁盛するのでわりとみんなから大事にされている。
    【菊酒/ちぐざぎ】重陽節。旧暦九月九日。男子の節句。
    【長寿】《不思議なことには慣れている連中ばかりだ。事実は事実として疑問を挟まずに甘受する姿勢が長寿をもたらしてきたのだ。》(下巻p.221)
    【ツカサ】二種類いる巫女のひとつ。御嶽を専門に守り島の祭祀を任されている。沖縄本島ではノロと呼ばれる。七つの役職があり《最高位のホールザーマイから順にイラビンガニ厄除け願いをするキライ、航海安全担当神職のシドゥとフンナイ、豊年、豊作と水元の願い担当の神職であるユヌヌシィ、御嶽の管理担当神職のヤマアタリと分けられている。》(上巻p.396)
    【テーテームーニー】舌っ足らずの娘。美少女ヒロイン。
    【冬至/トウンジー】旧暦十一月十一日。
    【トートーメー】先祖の位牌。
    【トミ】フジの娘。八十歳。出戻ってきて半世紀。年寄り三世代の一家の中でいちばん苦労している。母と娘にいつか天罰が下ればいいと思っている。
    【長崎御願/ながさきおがん】島の七大御嶽のひとつ。神聖とされるアラマリナー泉がある。ギーギーはピシャーマはここで出会った。
    【仲村渠家/なかんだかりけ】《こんど結婚する優子が十九歳。優子の母の美津子が四十四歳。美津子の母のハツが六十二歳。ハツの母のトミが八十歳。トミの母のフジが九十五歳……》(上巻p.102)ということで五世代が健在。
    【仲村渠フジ/なかんだかり・ふじ】→フジ
    【生ゴミ】生ゴミの腐敗臭も島の風物詩を構成するひとつなんだとか。(上巻p.216)
    【ニーニー】お兄さん。
    【ニーブイカーブイ】居眠りでうとうとしている人。悪の権化。
    【ニーラスク】全ての命が生まれる国。
    【ニライカナイの国】根の国。
    【ニライ神】ニーラスクの国からやって来る。島に命を運ぶのが役目。
    【ヌスクマーペー】恋人と別れ別れにされ石になった娘。大戦のとき島を守るためにわが身を犠牲にしすでにグソーに帰っている。
    【ハーメー】祖母。
    【ハツ】トミの娘、フジの孫。数年前出戻ってきた。六十二歳。古くからの風習を「迷信」として軽んじはじめた世代。
    【ピーフン】石敢當と同じ発想から発展した魔除け。魔物や邪気はまっすぐやっている発想から入り口に設けられた壁のようなもの。ときおり沖縄の家で見かけます。
    【比嘉武志/ひが・たけし】→武志
    【ピシャーマ】琉球王朝時代では士族の女の童名で「お嬢さん」の意。マイアラカーシナゴーヤー(前新川首里大屋子)の娘で一七五〇年に石垣島に生まれずっと生きて(?)きた。二十歳前後に見える。紅型を着ている。本人は幽霊ではないと言う。盲目のようだ。花嫁行列のときに石になりそれから二百四十六年間島にいる。石の身体は明和の大津波のときに砕け視力と声を喪った。《ずっと彼女は島の夢をみている。彼女の島は二百二十八年前の島だった。》(上巻p.109)
    【ビッチンヤマ御嶽】旧歓楽街の十八番街あたりにあるらしい。元はシーサイドの庭園のような場所だったらしいが長年の開発により海岸は遠ざかりビルに囲まれることとなった。チーチーマーチューとターチーマーチューの根城。異人が住むとされ忌避感のある神域となっている。
    【宏明/ひろあき】武志の友人でクラスメートで同じバスケットボール部員。背が高い。両親は日本人(ヤマトンチュ)らしい。睦子に気があるようだ。
    【フジ】石垣島の九十七歳。強靱な肉体と精神と食欲を持つ。虫歯もなく自前の歯が全部揃っている。カジマヤーを迎えるために生きてきた。「金も愛も権力も、そんなものは糞である」(上巻p.12)と言った。《人の幸福ならたとえ娘のものでも妬ましい》(上巻p.21)というタイプ。《安全を確保したところから、ゴタゴタを見ることを有意義としている》(上巻p.31)。《少女と中年と老婆の三つの精神を併せ持った彼女の女心は、とても複雑である。起こらないことは波風立ててでも起こそう、と決めたのだ。》(上巻p.33)。《彼女の皺で、苦労のために作られたものは一本もない。苦労すると寿命が縮まると信じているから、フジの顔はすべて笑い皺で構成されている。》(上巻p.33)。改名前の名前は「ミダグ」といい、八重山にしかない珍しい名だった。
    【フジへの質問】何か質問したらその回答には金を取る。松竹梅コースがあり、最低価格の梅は「ほとんどすべてが大嘘の煙に覆われて聞くに値しない」で、竹は「嘘も交えているが、よく考えれば納得することもある」で、松は「大きな真実の前で小嘘をついて事実を捩じ曲げる」。
    【豚】沖縄の豚は本土の狐や狸のように人を騙す動物。沖縄で妖怪と言えば化け豚。ギーギーと鳴く。
    【冬】日本本土でなら初夏くらいの感じ。過ごしやすい季節。
    【フルウチガナシ】便所の神様。なぜか、落としたマブイを探し出してくれるらしい。
    【ヘンなヤツ】《ホールザーマイは仲村渠フジといい、この兄弟といい、変な人間に瑞相が現れることを不思議に思っていた。》(下巻p.321)
    【ホールザーマイ】大阿母。最高神職の位。とっても苦労している。
    【マーペー】ピシャーマ同様、島に残された使者。
    【前新川首里大屋子/マイアラカーシナゴーヤー】ピシャーマの実家。なんとフジのひいひいお祖母さんの実家でもある。子どもの頃フジはひいひいお祖母さんに相当いじめられた。
    【マジムン】魔物のこと。
    【マゾームノーナ】妖怪火。近づいてくると臭うらしい。
    【マニアック】《いきなりマニアの世界から紹介するのがフジのやり方だ。》(上巻p.402)
    【マブイ】魂とは異なるらしい。上巻p.281から数ページ書かれているけど、解釈してみるに、マブイは個にして全、全にして個といったところか。過去からの文化や慣習を流れとして受け継ぎつつ、一瞬だけ現世にあらわれている部分が個でありマブイと呼ばれるもの。マブイを落とすというのはその流れから個が切り離されて「いまここ」にいる資格を失った状態で魂と呼ばれる状態。
    【マブイを落とす】マブイを落とすことは日常茶飯事なのだとか。落としたら探してユタにマブイ籠めしてもらう。フジは都合三十四回落としザルと呆れられた。島のユタはフジのマブイを拾うので消耗して早死にしたが、娘にもうフジの魂だけは拾うなと遺言を遺している。マブイを落とすと喉が渇く。ピシャーマと出会い、武志と郁子はマブイを落としかけている。
    【マユンガナシィ】ニライ神の使者。
    【美香】マブイを落とした女子高生。
    【三崎町】新しい歓楽街。観光客や宏明が出没する。
    【ミルク】豊穣の女神。
    【鬼餠/ムーチー】旧暦十二月八日。
    【睦子/むつこ】玉城睦子。武志の同級生で武志に気があるようだ。バスケットボール部マネージャー。胸が大きい。十六歳にして深酒をしなければ眠れない体質になっている。旧歓楽街の十八番街によく出没し泥酔し路上に転がっている。《睦子もまたこの道を覆う泥酔者の常連である。刺殺死体の現場検証さながらに、仰向けに転がった睦子は、午前六時頃にさわやかな朝を道で迎える。ぐいと背伸びをして、寝ている他の人を起こさぬよう、そっと立ち上がって制服のプリーツスカートをぱんぱんと払う。鞄からブレザーを取り出して羽織ると学校に行く時間になっている。睦子は毎日元気よく登校する善良な皆勤学生なのだ。》(上巻p.248)
    【明和の大津波】明和八年八重山諸島を襲った大津波。最大波高八十五メートルを超えるとされる。八重山だけで津波による死者千九百十三人。このとき石になったピシャーマの身体が砕けマブイが解放された。
    【ユタ】二種類いる巫女のひとつ。ツカサとは異なり日常的なさまざまを解決してくれる在野の巫女。マブイを落としてもマブイ籠めで戻してくれる。
    【六本足】ギーギーには足が六本できた。六本あるとけっこう便利なので四本の動物より進化したものと思われる。
    【ワジワジー】ムカつくよ。
    【ワン】俺。

    ■その他の沖縄語(途中までメモしてましたが…)

    【アキサミヨー】あらあら。
    【アギジャ】くそっ。
    【アギジャビヨー】おやまあ。/ひゃあ。
    【アゲーッ】この野郎。
    【アッパー】母。
    【イーバーヤサ】いい按配なんじゃない。
    【イフナー】奇妙な。
    【ウートートー】お祈り。
    【ゥワー】→豚
    【エーッ】おい。
    【カメー】食べなさい。
    【ガンマリ】嫌がらせ。
    【キッサ】今。
    【クササヨー】臭いな。
    【クスマランケー】ウンコするんじゃねえ。
    【サダリアンシタリ】花嫁行列の先導役で提灯を持っている少年。ピシャーマの花嫁行列で少年が道を間違えた。
    【シカスナー】騙すなよ。
    【シカバー】恐がり。
    【シカバサンケー】驚かすなよ。
    【シカバン】驚かない。
    【シカンダー】すごく。
    【ジョーグー】好物。
    【ターガーヤー】誰がするか。
    【ターヤミセーガ】誰でしょうかね。
    【チブラーヤッサー】賢いね。
    【チャースガー】どうしよう。
    【チュラカーギー】美人。
    【チリニンジュ】花嫁行列に参加する女友達。皆美しく着飾る。
    【ティッキヤー】昔、入れ墨を施してくれる家でサロンのようになっていた。
    【デージ】すごく。
    【トゥナサン】幼い。
    【トーッ、ナマヤサ】やった、今だ。
    【ナチブー】泣き虫。
    【ニービチ・ジュネーイ】花嫁行列。ピシャーマの花嫁行列のときトラブルが発生し彼女は石になった。
    【ヌキィカブリィ】機織り道具。
    【ハイタイグスーヨー】こんにちはみなさん。
    【ヒンギラントー】逃げよう。
    【フラー】馬鹿。
    【ベークス】いやだ。
    【ミックァー】目の不自由な人。差別用語らしい。
    【ヤーカラチャー】部屋着。
    【ヤーマーレー】ほっつき歩き。
    【ヤナカーギー】ブス。
    【ヤナファーナー】くそガキ。
    【ユクサー】嘘つき。
    【ユクシー】嘘。
    【ユタムニー】ユタみたいな言い方。
    【ワカイミー】知らない。
    【ワッター】俺たち。
    【ンメーマユンタ】賄い女の恋愛を歌った歌。婚礼歌にはふさわしくないがピシャーマの花嫁行列で友人たちが唄ってくれたのがうれしかった。

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    2023年11月24日