池上永一のレビュー一覧

  • シャングリ・ラ 下

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    超人オリンピック。
    読み終わったときに頭に浮かんだ言葉はこれでした。話の根幹を考えると、そう思わせる人物が多数出てくるのは当然のことなんですが、完全無欠な人物よりも欠点が見える人物の方が共感できて好きだな。
    でも、スケールの大きなお伽噺で、久しぶりに自由に空想の羽を広げられる小説の面白さを味わうことができて、楽しい時間を過ごせました。

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    2018年05月16日
  • シャングリ・ラ 下

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    凄い勢いで真相が明かされ、怒涛のごとくエンディングに向けて突き進む。そんな中、細かいことをあげつらっても意味はないと思うし、まるで漫画のようなこの世界観を、ただ純粋に楽しめば良いのだと思う。でも、どうしてもあまりにご都合主義的過ぎるところが鼻についてしまったりもするのです。フィクションの世界では、生き返るのも、逆に名もないキャラAがあっという間に消されてしまうのも珍しい話じゃないにせよ、ちょっとというかだいぶ気になっちゃいました。環境と経済まで絡めた世界観は面白かったですが。

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    2017年11月01日
  • バガージマヌパナス わが島のはなし

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    能天気なほど明るい本が読みたくて、この沖縄の物語を選んだが、能天気も程がある(笑)大らかに生きてるにしても突き抜け過ぎな二人の物語。前半は方言が理解不能で飛ばし読み、後半は何かと胸に刺さる言動もあり感動。人生辛い事はある、でも被害観念に囚われず、素敵なものに素直に感動して大らかに生きる。「島人の宝」の曲も通じるメッセージを感じる。手元に置いてまたいつか読もう。この方の本を読むと沖縄(琉球)はつくづく日本と一部と呼ぶのに違和感を覚えるなぁ。伝統をひたすら守り受け継ぐ一つの素敵な国。

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    2017年09月21日
  • シャングリ・ラ 上

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    最初は風の谷のナウシカみたいな話だなぁと思いつつ、中盤あたりからそうでもないかなと思い、結局はやっぱりナウシカっぽいなと思った。

    キャラクターの設定が人間らしくなくぶっ飛んでいる。
    炭素税の話はこれから真実味を帯びてきそう。
    物語も作り込まれていて、アクションやビジュアル面が強烈なこともあって、映画にすればかなり面白そう。

    どうなるのか期待しつつ下巻へ!

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    2017年01月03日
  • バガージマヌパナス わが島のはなし

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    沖縄の島でゆるーく遊び暮らしている19歳の娘 綾乃。ある日夢の中に神様が現れ、ユタ(巫女)になれと命じられる。

    島の雰囲気、暮らし、伝統、その気温までも感じられる。
    少女がユタになる成長物語というよりは、沖縄の島の雰囲気を味わう本だと思う。

    それにしても、オージャーガンマーが可愛らしい。
    忍耐を忍耐とも思わず、ゆっくり受け止め、執着することなく、いつでも楽しく暮らす。なんてすごいんだ。

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    2015年10月03日
  • 風車祭 下

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    ネタバレ

    わたしがこの話を興味深く感じ、書店で下巻を手にとるにいたらせたその理由は、
    明和の大津波や巨大な台風災害を、話の重要な部分で
    かなり大きく取り上げていること、
    また島の歴史や伝承、民謡、昔話や祭りなどが、
    細かに豊かに記されていることです。


    石垣島を舞台に島人が書いた空想小説。
    作者のかたの、生まれ島への愛が、
    いとしいほどに伝わってきます。

    ほんとうにこうであればなあ、と思うほど
    理想的な情景、風景がちりばめられ
    どこからか今にも三線の音が聞こえてくるようでした。

    わたしも、もし叶うのであれば
    生まれ島にはそのままの形で、ずっと平和にあり続けて欲しい。

    この話の軸には、島人への、ひ

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    2015年09月25日
  • シャングリ・ラ 上

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    温暖化、政府の政策、新しい経済概念
    同じ東京での格差
    それぞれの立場で生きている感情が絡み合って面白い

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    2015年05月12日
  • シャングリ・ラ 下

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    ネタバレ

    近未来都市トーキョーなのに、いきなり平安衣裳とか出てきてギャップに笑う。まあ、よくも悪くも角川のコンテンツをいろいろぶちこんだ感じで、設定はよく練られているんだが。戦闘シーンの描写が浅いし、紙芝居みたいに超展開なのでかなり無理があるかも。

    キャラクターの掛け合いは面白い。
    敵味方が意外な共闘をみせたり。主人公よりも美邦のサイドのほうがアクが強いが、なぜか魅力的に思える。

    クライマックスになるにつれて、怒濤の展開のオンパレードなのだが、キャラがころころ死んだり生きたりを繰り返すせいで、勝負所の真剣味が半減。草薙少佐の扱いが酷い。

    いわゆる貴種流離譚に落ち着いてしまうのだが、主人公にあまり威

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    2015年05月02日
  • シャングリ・ラ 上

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    ネタバレ

    地球温暖化のために、超高層建造物へ都市機能を移行させた未来都市の東京。
    いかにも、SFライトノベルやハリウッド映画にありそうな設定。アニメっぽいと思ったが、もともとアニメ雑誌連載だからと納得。実際、アニメ化もされてるらしい。

    『テンペスト』が面白かったので、期待。
    少年院帰りのヒロイン國子がジャンヌダルクよろしく反政府ゲリラの旗頭となる。

    主人公よりも、ビジネス手腕に長けた香凛、姫君風なのに残忍な美邦のサイドのほうが面白い。この作者はオカマが好きなのか?

    かなり荒唐無稽なお話で、ぶっとんでる。

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    2015年04月29日
  • 風車祭 下

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    下巻。
    マブイってのはなかなか面白い概念だなあと思います。
    日本でも魂が抜けるとかいうけど抜けた魂を拾いにはいかないしな。ピシャーマは可哀想なお嬢さんなのですが彼女の恋物語に終わらない所がスゴイ。ギーギーとかフジオバァにヒロインの座は奪われているし。というか霊魂のヒロインが生きているオバアより存在感が薄いってのもすごい話でした。

    真面目に生きているのがちょっと寂しくなるけれどもフジオバアのように自由に生きられる人間ってのはなかなか居ないわけで、だからこそ彼女は風車祭まで生き延びることが出来たんだろうな。それにしてもマブイにまで嫌われているオバアはすごい。そしてギーギーは良い雌豚だ。彼女の悲劇

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    2014年11月25日
  • レキオス

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    沖縄生まれの沖縄育ち。
    中学の同級生にはアメ女の友達もいるし、ユタの親戚もいる。
    休日には意味もなく長いフェンスを横目にドライブすることもあり、現在「天久開放地」で働いている。……
    そんな純正ウチナーンチュの私がこの作品を満喫できずに、誰ができましょうか。
    池上先生、ありがとう。超・私得な舞台設定をニフェー!←

    現在、那覇新都心として再開発の進む「天久開放地」が、もし手付かずのまま放置されていたら、というIFストーリー。

    冒頭から「天久に魔法陣が出現し、逆さまの女がJKに取り憑く」という急展開で幕を開け、その後もクセの強すぎるキャラ達が狭いエリアをキャラキャラと奔走しまくります。

    琉球王

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    2014年11月03日
  • シャングリ・ラ 上

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    ネタバレ

    温暖化が進み、炭素経済が支配する近未来の設定。東京では高層化人工地盤「アトラス」が建設され、地上の市街地の強制的な森林化で熱帯病の温床の死の森に。抵抗する住民は政府に対してゲリラ活動…、というかなり殺伐したストーリー。しかし、主人公や登場人物の設定は、いかにもアニメの原作で、スケールの大きな世界観とはギャップありです。
    上巻ではまだまだ「アトラス」の謎の半分も見えていない感じ。下巻を読んでみないと…。

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    2014年02月23日
  • シャングリ・ラ 上

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    かいつまんで概要を説明すると、物語は近未来の東京です。
    世界はCO2作減のために、炭素主導の経済に移行。炭素税が導入され、炭素の排出量によって税率が大きく変わってくるという、炭素が経済に大きく影響を与えていく世界。
    そして、日本は膨大なCO2作減のために東京一帯を森林化し、かわりに超高層都市「アトラス」を建築する。
    しかし、東京都民全てがアトラスに入居できるわけではなく、あぶれた人達は難民となって、森の中で反政府ゲリラとして生活していく。
    そして、主人公はそんなゲリラの若き女総統。政府への反乱を通して、自分自身の存在やアトラスの真の意味が明らかになっていく。

    というようなストーリーなんです。

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    2014年01月09日
  • シャングリ・ラ 下

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    かいつまんで概要を説明すると、物語は近未来の東京です。
    世界はCO2作減のために、炭素主導の経済に移行。炭素税が導入され、炭素の排出量によって税率が大きく変わってくるという、炭素が経済に大きく影響を与えていく世界。
    そして、日本は膨大なCO2作減のために東京一帯を森林化し、かわりに超高層都市「アトラス」を建築する。
    しかし、東京都民全てがアトラスに入居できるわけではなく、あぶれた人達は難民となって、森の中で反政府ゲリラとして生活していく。
    そして、主人公はそんなゲリラの若き女総統。政府への反乱を通して、自分自身の存在やアトラスの真の意味が明らかになっていく。

    というようなストーリーなんです。

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    2014年01月09日
  • 風車祭 下

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    タイトルの風車祭は、沖縄で97歳の生誕祝いの祭りだそうです。
    舞台は現代の沖縄(石垣島)で、不思議で美しい幽霊との出会いを切なく幻想的に、そしてところどころでコミカルに書いた作品です。
    沖縄が舞台という事で、言葉もところどころで沖縄の言葉が出てきて、陽気でどこかあっけらかんとした雰囲気が味合えます。
    沖縄には行った事ないんやけど、なんとなくながら陽気なラテン系な場所を想像しながら読みました。

    最初は沖縄言葉にちょっととまどって、ページをめくるスピードがゆっくりやったけど、慣れてきたらその妙に軽快な言葉にはまりました。
    要所要所で大いに笑わしてくれるんですけど、この小説結構ホロリと来る。
    結構

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    2014年01月09日
  • 風車祭 上

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    タイトルの風車祭は、沖縄で97歳の生誕祝いの祭りだそうです。
    舞台は現代の沖縄(石垣島)で、不思議で美しい幽霊との出会いを切なく幻想的に、そしてところどころでコミカルに書いた作品です。
    沖縄が舞台という事で、言葉もところどころで沖縄の言葉が出てきて、陽気でどこかあっけらかんとした雰囲気が味合えます。
    沖縄には行った事ないんやけど、なんとなくながら陽気なラテン系な場所を想像しながら読みました。

    最初は沖縄言葉にちょっととまどって、ページをめくるスピードがゆっくりやったけど、慣れてきたらその妙に軽快な言葉にはまりました。
    要所要所で大いに笑わしてくれるんですけど、この小説結構ホロリと来る。
    結構

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    2014年01月09日
  • トロイメライ

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    池上氏の大ベストセラー「テンペスト」とリンクする傑作短編。当時の那覇の街が活気に満ちて描かれる。次は「黙示録」。

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    2013年12月16日
  • シャングリ・ラ 上

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    分厚さに持ち運びがおっくうになって積読されてた本。ようやく読みました。

    久しぶりに当たりのファンタジー本を見つけた気分。
    設定も良いし。書き方もうまい。
    「炭素経済」は実際に起こりうる未来だし、実際に環境税(炭素税)を導入している欧州では、排出量取引はそれなりの市場になっている。たぶん、そのあたりの現実を踏まえての、この作品なんだろうな、と思う。

    池上さんは初めて読んだけど、なかなか好みの作風だったので興味が出てきた。テンペストも読んでみようかなぁ。
    でも、まずはシャングリ・ラの下巻を買わないとね。

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    2013年06月15日
  • バガージマヌパナス わが島のはなし

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    ネタバレ

    お気楽なわが道をいく不良娘が神様の啓示を受け、ユタになる話。
    前半の彼女と神様のやりとりなどわらえるところあり、後半、ユタになる決心をしてからは拝むということの大切さは心が切なくなるものがありました。

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    2012年08月20日
  • シャングリ・ラ 下

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    解説の筒井康隆氏が指摘しているとおり、かなり過剰です。いろんな要素がてんこ盛りに盛り込まれ過ぎていて、次から次に話が展開していきますし、辻褄の合わない部分も山のようにありますので、読んでいてとても疲れました。「んなアホなぁ!」と突っ込んだこと数知れず(笑)。
    ただ純粋に娯楽小説として捉えれば、現代的なテーマを真正面から捉えたスピード感溢れる極上のエンターテインメント小説だと思います。
    ページ数も多いので疲れましたが、私自身はとても楽しめました。

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    2012年07月21日