池上永一のレビュー一覧
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東京が大地震に襲われ壊滅的ダメージを追った後の近未来小説だ。地球温暖化が深刻で世界各国が二酸化炭素の削減に乗り出す。東京では一部の特権市民が天空に巨大な人工地盤を築き優雅な生活をしている。一方、地上で生活をする難民は疫病の蔓延に苦しめられるのだった。
炭素経済に移行することで、核戦争による世界の終焉は前世紀の幻になるのだが、反面、炭素指数の上昇に一喜一憂することになる新たな弊害もうまれる。二酸化炭素排出量の削減に成功した先進国の日本は明るい未来が開けているような様子に見える。下巻でいよいよ人工地盤であるアトラスに地上の政府反乱軍が宣戦布告をするのだった。
アニメで放映された小説だ。平 -
Posted by ブクログ
結論から言えば、最後まで読みとおして良かった。
眠くっても面倒でも、毎朝きちんとラジオ体操に通うと
夏休みの終わりには何がしか(ショボいながらも)ご褒美もらえたでしょ?
そんな感じ。
うん。全体的になんとなく夏休み味。
沖縄が舞台だからかな?
前半の、空想小説のような 子どもの冒険小説のような 面白くないコントのような
そんな部分をがんばって読み通せば
その面白くない(と私には思われた)ところこそが、後半でミステリとして機能してくるよ。
なぜ 一見つまらない禁忌を設定したのか
なぜ そうまでして秘密を守らなければならないのか
なぜ 自己犠牲を厭わずに村を守ろうとするのか
なぜ キャノン砲 -
Posted by ブクログ
沖縄返還交渉の際の日米政府の密約文書やら普天間に纏わる鳩山首相の腹案やら、沖縄を巡る話題には事欠かず、それもこれもあの戦争からずっと引き摺っている訳で、そしてこの本も、戦争の時に残された帝国陸軍の九六式カノン砲を守り神として崇める沖縄の小さな島が舞台。
村を統べる3人の老人とその孫たち、描かれる島の風景は極彩色で彩られ濃厚な南の島の雰囲気を伝えるが、そこへ村の開発を企む美女や怪しげなアメリカ人が乱入くる前半はちょっとおちゃらけた文章ともどもいささか読みにくい。
繁栄と引き換えに老人たちが人生を投げ打って守ってきた島の秘密が徐々に明らかになっていき、戦争を語ってなかなか興味深い話の作りながら、も -
Posted by ブクログ
近未来の東京が舞台の物語。
森にのみこまれるあたりがナウシカを思い出させます。
近い将来ここはいかなくても、何か強行な対策をしなければいけないのかなぁと考えさせられたり。
この物語の最大のポイントは脇役の女性達がものすごく強い!
彼女達は個性ありすぎて、主人公の存在が薄くなってしまったと思う。
主人公は特別な女の子なのだから、もっと特殊な能力や姿をしてる設定のほうがしっくりきたかも。
話自体は自然の驚異、アクション、経済の恐ろしさなどを盛り込んでグイグイ引き込まれる面白さ。
でも…最後の設定は気に入らない。
古いものを脱ぎ捨てて新たなステップを踏む未来が欲しかった。 -
Posted by ブクログ
フゥ〜っと、漸く読み終えた。面白いんだけど、ちょっとしつこく長かったんだよね。上巻でだいたい舞台設定が整ったかと思っていたけど、涼子みたいなキャラが出てくるは、草薙が×××××だったり、ミーコが×××になったり、どんどん話が展開して、昔々の冒険活劇みたいに主人公がクリフハンガー…でも翌週には意外とあっさり味方が現れて脱出、みたいな展開が次々続いて、涼子や小夜子や水蛭子は何回殺されてもまた出てくるし、もう目茶苦茶破茶滅茶。アトラス建設の謎が知りたくてひたすら読み進めたら、これがあらぬ方向へ飛んでいくし、それでも最終章のノンストップな展開にはドッキドキで、最後の余韻も落ち着いて。と思ったらもう9頁
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ネタバレ二十世紀末。アメリカ軍基地が置かれている沖縄。アメレジアン(在日米軍の米兵と地元女性との間に生まれた子供)である女子高生デニスを中心に、沖縄が魔術的な陰謀に巻き込まれていく物語。
自らの野望のために転生を繰り返してきた米軍中将キャラダインが、血でぬれた沖縄の地に魔方陣を描いて地霊レキオスの封印をとこうとする。世の破滅を防ぐため、琉球の最高女神である聞得大君の加護を受けたデニスと、キャラダインを裏切ったヤマグチ少尉、そして変態天才女人類学者サマンサが、沖縄から生まれた混沌に打ち向かう。
本筋が見えてこないエピソードが絡まって肥大していき、気がついたら大きな一塊になって怒涛の終焉を迎えるものだ -
購入済み
アニメの脚本
荒唐無稽なストーリーが展開されるところが、アニメの脚本読んでいるのかと思わせる。つまらないかというと、そうでもないが、前述のようなものと思って読むべき。