いぬじゅんのレビュー一覧
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過去にひき逃げ事故に遭い、一部の記憶を失った春哉は、ある日「誰かに追われている」と突然女性から声をかけられた。そこから「運命の出会い」かのように親しくなり、いつしか恋をするようになった。その裏側で明らかになる衝撃の事実。
「冬」シリーズ第3弾ということですが、これだけでも楽しめる作品でした。突然出会った人を救ったり、恋したりとドラマチックな展開で、あまり現実的ではありませんが、誰かのために奔走する一生懸命さが伝わってきました。
でも、衝撃の事実が明らかになった瞬間、高い所から落下したような衝撃感を感じました。今までの印象が180度変わりました。
帯には「驚愕のどんでん返し、そして・・・温かい涙が溢れる」と紹介されていますが、温かい涙とは言い切れない複雑な気持ちになりました。一応、感動路線を演出していましたが、他の作家さんが同じ内容を書いたとしたら、違う解釈が生まれるかもしれません。いぬじゅんさんの場合、オブラートを包むかのような幻想的な文章だったので、明るめな気持ちにさせてくれました。
ただ、現実的にこのようなことがあったとしたら、軽く済まされて終わりというわけではないので、あまり深く刺されないなと思いました。
衝撃の真実を読み手側がどう捉えるか。賛否はあると思いますが、衝撃としては落差が半端なかったです。 -
Posted by ブクログ
詩織が、奈良のならまちにある朝ごはん屋『和温食堂』で働き始めて1年が経とうとしていた。ある日、アパートの隣に若い夫婦が引っ越してくる。双子の夜泣きに悩まされつつも、かわいさに癒され仕事に励んでいたのだが…。家を守りたい父と一緒に暮らしたい息子、忘れられない恋に苦しむ友達の和豆、将来に希望を持てない詩織の弟・俊哉が悩みを抱えてお店にやってくる。そして、そんな彼らの新しい1日を支える店主・雄也の過去がついに明らかに!大人気シリーズ、感動の最終巻!!
家族、特に兄弟は、いつも近くにいる、遠くにいても会いたければすぐに会える、と思っていたけど、そんなことはない。
雄也と穂香の兄妹、詩織と俊哉の姉弟。彼らの再会の話を読んで、今、一緒に過ごす時間がどれだけ貴重なのかを認識させられた。
兄弟っていいもんだなぁ。 -
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奈良の『ならまち』のはずれにある、昼でも夜でも朝ごはんを出す小さな店。無愛想な店主・雄也の気分で提供するため、メニューは存在しない。朝ごはんを『新しい一日のはじまり』と位置づける雄也が、それぞれの人生の岐路に立つ人々を応援する“はじまりの朝ごはん”を作る。―出社初日に会社が倒産し無職になった詩織は、ふらっと雄也の店を訪れる。雄也の朝ごはんを食べると、なぜか心が温かく満たされ涙が溢れた。その店で働くことになった詩織のならまちでの新しい一日が始まる。
妄想しがちな詩織の幼さが気になるけれど、だからこそ暴走して、それが誰かを救うきっかけになっている。
詩織の考えなしの言動で、傷ついている人もいるだろうけれど、彼女以外の登場人物がみんな大人だから、物語がハッピーエンドになっている気もする。
ドタバタ人情話として、気楽に読めて面白い。 -
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主人公の高校2年生の茉菜果は、身長も体重も成績もいつも平均点で、 「まんなかまなか」とからかわれ、ずっと自分に自信が持てずにいます。とっても嫌なのに自分に嘘をついて、「まんなかまなか」と言われても笑って過ごしています。
そんな茉菜果には、ずっと片思いしている幼馴染の公志がいます。
その公志がクラスメイトで勉強もできる武田さんと付き合うことになったと聞いた後、追い打ちをかけるように公志が事故で亡くなってしまいます。
悲しみに暮れていると、祖母の千恵ちゃんにもらった古いラジオから公志の声が聴こえて「一緒に探し物をしてほしい」と頼まれます。
その後もラジオから声が聞こえ、公志と声の主を探して会いに行きます。
切ない恋のお話で、生と死、生きる意味について、不思議なラジオを中心に描かれています。主人公の茉菜果が前向きに生きていくための物語です。公志にイケてないところがあって、ちょっと残念です。中高生の青いところかもしれません。