峯村健司のレビュー一覧

  • 十三億分の一の男 中国皇帝を巡る人類最大の権力闘争

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    ロサンゼルス郊外にある中国高官の愛人村、習近平氏の娘が偽名でハーバード大学に留学していたというショッキングな内容から始まる。

    社会主義国にありがちなトップによる富の集中は想定内であらるが、それが仮想敵国である米国内で行われていることに驚きを感じる。華僑の歴史を持っている中国としては、人の移住による中華思想実現を政策の一つとしているのかもしれない。

    習近平氏が最も重要な儒家の一人として荀子を紹介しているという事実にも着目すべきだと思う。荀子は「人は生まれながらにして欲望を持っている」という「性悪説」の立場に立っていた。したがって習近平氏も荀子が訴えた「法による統治」を重視する可能性がある。

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    2015年07月29日
  • 十三億分の一の男 中国皇帝を巡る人類最大の権力闘争

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    中国という国に、力強いリーダーが誕生するまでの過程が描かれている部分が一番緊張をしながら読めた。タイトルの『13億分の1の男』は、運も、実力も、類稀なものを持ち備えていることをよく現している、まさにこのタイトルがピタットくる。
    中国という国の政争、覇権争いがテレビや新聞での表面的な伝えられ方とは違った、迫るものを感じさせられる。
    それでも、この時代の巨大な国は、この類稀なリーダーによってさえ、まとめられることには多難な道が横たわっている。さらには、この実力のあるリーダー自身さえ、この巨大な権力を掌握してどの様に振舞っていくのか、けっして国際社会の全体像が良くなる方向とは限らなさそうなところ

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    2015年09月22日
  • 十三億分の一の男 中国皇帝を巡る人類最大の権力闘争

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    習近平が権力を得ていくまでの軌跡を描いた本。

    かなり面白かった。特に、習近平体制が脆弱な権力基盤にあることについて、丹念な取材に基づき、反証していくのは、読みごたえがあった。
    日本がこの強大な権力を持った政権に対し、どのように対峙していくか、有益な考える材料になると思う。個人的には、習近平がパワーの信奉者であるということが、考えるヒントになっている。

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    2015年05月30日
  • 台湾有事と日本の危機 習近平の「新型統一戦争」シナリオ

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    高市首相の発言が論議を呼ぶ中、基本を抑えておこうと思って読んだ。台湾問題を巡る状況と日本への影響がコンパクトにまとめられており、全体像把握の役に立った。

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    2025年11月27日
  • 台湾有事と日本の危機 習近平の「新型統一戦争」シナリオ

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    台湾有事について勉強中。
    軍事面だけではなく、広い視点で見られるので良かった。2024年1月時点の内容なので、アップデートされた最新情報を得られる手段があるといいかな。

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    2025年08月07日
  • あぶない中国共産党(小学館新書)

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    恥ずかしながら、文化大革命や天安門事件がどういうものだったのかあやふやだったのと、どういう過程を経て習近平の独裁が出来上がったのかを知りたくて、本書を手に取りました。

    一気に嚙み砕いて理解するのは難しかったですが、今後、中国のニュースを見聞きしたときに今までより厚みのある理解が出来るのではないかと思いました。

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    2025年07月11日
  • あぶない中国共産党(小学館新書)

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    文化が違いすぎるので、難しい問題やなー汗
    しかもキンペーさん一強過ぎて、それが最大のリスクになるってのも、怖い話でもあるね、、、
    我が国も対策して欲しいけど、、、

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    2025年06月15日
  • あぶない中国共産党(小学館新書)

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    25歳以上も齢の離れた2人の中国研究者による対談。

    手頃な分量で内容も平易だが、中身は濃く、本質を突く。

    現在の習近平中国共産党政権が、世界史的にみてもいかに異質な存在か。
    例えば、
    「資本主義経済を軍事力によって制圧した集団が政府を樹立し、権力を握っている」
    「中国共産党は世界最大の裏社会だ」(共産党幹部の発言)
    「なぜ中国共産党は権力を持つのか、それは、中国共産党が権力を持つからだ」

    共産党統治の正当性を支えた中国独立、経済発展が威力を失い、国力が衰退に向かう中、その正当性の保持は危うい。

    習近平政権が台湾統一を目指しているとの観察は遠藤誉氏と同じだが、同氏が武力統一はないとしてい

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    2025年06月09日
  • 潜入中国 厳戒現場に迫った特派員の2000日

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    数年前までの中国国内における潜入取材と、その成果から見る中国の実態についてまとまっている。現在ではかなり知られた内容が多いと思うが、北朝鮮と中国の関係や、中国軍と人民の関係などは一読に値する。

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    2025年06月02日
  • ウクライナ戦争と米中対立 帝国主義に逆襲される世界

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    何年か前の本とは思うが勉強になる。最近の米露の関係性とトランプ大統領のウクライナに対する決断の意図がなんとなく想像できた気がした。ロシアは歴史的にアメリカに対する劣等感や敵対感が国全体にわたって刷り込まれていて、ウクライナ侵攻とその結果も今後の米露の関係に多大な影響を与える。アメリカ側としてはロシアとの溝を深めることは不本意で、今ここでウクライナという”小国”を見捨ててでもアメリカ国内の今後の平和のため、ウクライナに降伏を進めているのではないか。自分の認識している道理だけだと、ウクライナは侵攻されている側なので、静止するのであればロシア側だろと思うので。またロシアのウクライナ侵攻を中国は今後の

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    2025年03月06日
  • ウクライナ戦争と米中対立 帝国主義に逆襲される世界

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     ロシアによるウクライナ侵攻、また今後起こりうるといわれる台湾有事の予測など、昨今の国際情勢について、著者が複数名の専門家と対談する。本書は主にアメリカとロシア、中国の関係を中心に語っており、それによると、ロシアと中国は日本を半植民地と見なす、つまりアメリカと同盟国を結んでいることは完全な主権を確立していないと考えている。また日本のロシアに対する性善説は江戸時代末期からあり、実際に日露戦争の直前、桂太郎が英国と同盟を結ぶことに対し、伊藤博文は日露協商を唱えるという事例があった。さらに2022年のウクライナ侵攻時に、ロシアに経済制裁を実行したが、これは短期的に見ると効果は現れないが、相手のコスト

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    2024年10月02日
  • 台湾有事と日本の危機 習近平の「新型統一戦争」シナリオ

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    台湾有事がまさに今年2024年に起きそうだと警鐘の1冊。危険な状況であることはよく理解できたけど、日本の自衛隊の課題も秀逸。自衛隊の課題、というか我々国民ひとりひとりに影響が及ぶ話なので、防衛費増やしたから大丈夫でしょ?でなく、法制度的にもその運用的にも、いますぐ議論を始めてもらいたいところ。

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    2024年05月30日
  • 台湾有事と日本の危機 習近平の「新型統一戦争」シナリオ

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    新型コロナ、ロシアのウクライナ侵攻、ガザ地区戦闘など、この数年で世界のバランスが崩れる中、次に構えているリスクは「台湾有事」だと思う。今年は台湾総統とアメリカ大統領選挙があるので、台湾問題や習近平がどのような人物なのか知りたいと思い、手に取った。

    台湾は東アジアの「弾薬庫」であり、中国•ロシア•北朝鮮がすぐ目の前にある日本が巻き込まれて、甚大な被害が出ることが予想されている。
    台湾も日本も、ウクライナと異なり「島国」だが、海に囲まれているが故の、情報や物資補給ラインが脆弱であるという指摘は衝撃的である。
    また本書後半では、中国が武力行使に出たときのシミュレーション(日本のインフラが徐々に破壊

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    2024年03月24日
  • 中国「軍事強国」への夢

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    なるほど、これまでの中国政府の要人の話を聞いているとほぼほぼこの本に書かれている思想と立ち位置で話をしているのだと納得する。中華思想というのはこういうものか、とちゃんと学ぶことが必要だ。

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    2024年02月06日
  • 中国「軍事強国」への夢

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    中国のブレーン、凄い、、、

    感じたのは恐ろしくキレッキレの軍人がいるって事。
    出る杭を打ちまくる日本人は太刀打ちできるのかなぁ、、、

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    2024年01月21日
  • 中国「軍事強国」への夢

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    ネタバレ

    自分のイメージを打ち砕かれた。台湾有事が起きるとすればではなく、起きることを前提とした内容。さらに有事と言っても平和的にと思っていたが、武力も辞さないことが赤裸々に記載されている。ニュースには触れているつもりだったが、自分も平和ボケしていたのだなと思わさせられた。

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    2023年10月10日
  • ウクライナ戦争と米中対立 帝国主義に逆襲される世界

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    断片的に捉えていたウクライナ問題を体系的に理解するに有益な本だった。また、ロシア関係だけではなく、最も意識すべき中国に繋げて議論される。個人的には台湾有事とウクライナ戦争がストレートには繋がらない。その視点でも読んでみた。

    2003年のイラク戦争はアメリカが全くロシアの言うことを聞かずに開戦した。それまではロシアもG8に参加し、西側との全面戦争は無いのだからと徴兵制を廃止しろと言う主張をしていた。それと前後して2003年にジョージアでバラ革命、2004年にはウクライナのオレンジ革命。そこでウクライナがNATOに加盟すると言い出した。2005年にはキルギスでチューリップ革命。この一連のカラー革

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    2023年08月13日
  • ウクライナ戦争と米中対立 帝国主義に逆襲される世界

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    従前から意識されていた米・中ロの対立構造がウクライナ戦争で先鋭化。

    民主国家対専制国家の構図は必ずしも前者に有利ではない。
    以前は全世界の7割を超えたG7のGDPは4割程まで低下し、グローバルサウスと呼ばれる発展途上国はむしろ後者との関係を深めている。

    アジア随一の民主国家である我が国がかかる状況に目覚め、自国防衛力を確保するとともにグローバルサウスなどとの橋渡しをすべき、との論考。

    個人的には小泉悠氏があまり他では語らない逸話を披露しているのも面白かった。

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    2023年03月31日
  • ウクライナ戦争と米中対立 帝国主義に逆襲される世界

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    とても面白く読めました。
    米中露の関係性の中にいずれも関わる日本の立場とこれからの在り方について、現実的な状況分析からのアプローチをしている。
    現実を見てしまうとこういった理論展開しかないよなと思わざるを得ないのですが、一方で理想論左派的な立場を塗り潰すのは違憲のコントロールという面でリスクが高すぎるとも感じる昨今です。
    普通にぶつかれば理論が勝ってしまうように見えるのですが、両方飼っていて良いのではないかと。
    ともあれ、現実的な検討をする上での論点について、さらには各国の文脈について多くを知れる本でした。

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    2023年01月26日
  • ウクライナ戦争と米中対立 帝国主義に逆襲される世界

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    時間かかっちゃったけど、専門家によって書かれた本で深く考えさせられる。ウクライナはまさに対岸の火事ではなく、台湾問題に飛び火しかねず、中国も虎視眈々とそれを見据える以上、日本人もいままさに防衛について、国際貢献についてアメリカ頼みでなく、主体的に考えなくてはいけない。

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    2023年01月18日