たらちねジョンのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレみんなの前で嫉妬していると言えるのも、
電話に出ないのは違うと思ってちゃんと出るのも偉い。
ちょっと言い直していいですか、とどうですかから楽しそうだと思ってに言い換える海くんも良い。
流されてるだけ、といううみ子さんに
その流れに乗ろうって決めたのはお母さんでしょ
という娘さんの言葉もとても温かい。
大きな波に身を任せるなら削れるものがある
ははっとさせられる言葉だ。
主演女優なのだからおまけだなんて思わなくて良いのにな。
エンドロールが流れるとグラデーションのように現実に帰してくれるという表現が素敵だ。
気持ちを持ち直して海くんを撮ったり
映画を撮ろうと思ってくれて良かった。
波がどん -
ネタバレ 購入済み
落ち込んだうみ子さん
コンペティションでは落選、海はグランプリ
落ち込んだ時はどうするのか?
うみ子さんは落ち込んだまま、それでも動き出しました。海に誘われ、カナダの映画祭に同行します。
毎回、うみ子さんには驚かされます。
もちろん作者が動かしているわけですが。
同行先のカナダでも色々ありますが、だんだん落ち込みから回復していきます。
やっぱ、落ち込んでも動き回らんとなー
巻末の2編の短編には、うみ子さんを取り巻くキャラクターたちのあんな話とこんな話が掲載されています
こういう細かい設定が、登場人物たちの動きに厚みが出て面白いドラマになっていくのだなー
でも読んでいる間は、そんなこと考えずにこのドラマに -
Posted by ブクログ
65歳のうみ子さんが、親目線でカイ君の健康とか心配する場面はあっても、
映画を志す同士として、自然と、お互いに対等かつ正直な態度で接しているのが良いです
世代差のある交流を描いた作品は、ほかに「メタモルフォーゼの縁側」が思いつくのですが(こちらも好き!)、
「海が〜」は巻を追うごとに、うみ子さんの内面に潜り込むようなストーリーになってます
だからか、リアルな老婦人といった当初のうみ子さんの作画が、(作者さんが描き慣れてきたのもあるのだろうけど)どんどん表情豊かになってると感じます。映画作りって青春にもがいていくにつれ、皺はあってもまるで少女みたいに見えるときある。
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Posted by ブクログ
ネタバレ一生懸命向き合って生み出した映画。
その評価次第で何かを決めなくてはいけないのか、と
疑問に思ううみ子さん。
兎に角作りたくて、作ったことで今はいっぱいだと思う。
賞を取って助監をしてとがっついていくのもひとつの正しい方法だとは思うけれど、
それで純粋に映画と向き合えるのかというと少なくともうみ子さんの場合はどうだろうか。
船が進むほど海の広さを知るばかりで
目の前の岸に辿り着くことしか考えられなくなる
という台詞にとても共感してしまう。
目の前のことをこなすことも勿論大事なのだけれど、
将来を考え始めた時どうしてもそれだけでは焦ってしまう。
教授の卒業式での言葉もとても印象的だ。
大学生活 -
購入済み
PFFの結果次第でこの先の進路決めなくちゃいけないの?と疑問に思ってるうみ子さんのシーンが印象的でした
海くんすごいなあ 最後の人は海くんのお母さんだっけ? -
Posted by ブクログ
ネタバレ発売日から少し経ってから手に取った『海が走るエンドロール』(たらちねジョン)の6巻。
読んでみてまた「出た時に何ですぐ買わなかったんだ」って思っちゃったわ。
何でかって……
「歳も性別も違う人達が【望んで踏み出した環境】で一緒になり、【同じ立場、同じシチュエーションの中】で、「これからの人生どうするか」と、各々抱える悩み」がメインとして描かれてるからなんです。
今までに読んだ本や映画の数なんてたかが知れてるかもしれないけど……
私の中でそういう作品って触れた事がない。
アン・ファサウェイとロバート・デ・ニーロ出演『マイ・インターン』も、上司と部下という関係だったし。
学生の時に多 -
Posted by ブクログ
ネタバレもう十分だと、うみ子さんには思って欲しくない。
ソラの取捨選択がうまくて、わかっているところが苦手という、海くんの表現が興味深かった。
疲労で倒れる初老の女性だと種明かしをしてしまったような後ろめたさ。
考えたくなくても年齢ばかりはどうしようもない。
家事も事務処理もやり始めたらいつの間にか終わる
制作と違って終わりが明確だから。
これは多分自分でなにかを作る人はみんな共感するのではないだろうか。
海くんが主人公の映画を撮るのは正直私だと思っていた
という悔しい気持ち。
美しくて強い力に私の映画を盗られた。
これも共感し過ぎて苦しくなった。
愚痴を言うにしても説明することが多過ぎるから -
購入済み
前巻に続き現実の厳しさ、ままならなさが沁みる展開ですが、うみ子さんもそれに比して勁くなっていくようで励まされる思いです。続きが本当に楽しみ。巻末の著者近況にはしんみり…さみしいけどきっと幸せでしたね。