たらちねジョンのレビュー一覧
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65歳のうみ子さんが、親目線でカイ君の健康とか心配する場面はあっても、
映画を志す同士として、自然と、お互いに対等かつ正直な態度で接しているのが良いです
世代差のある交流を描いた作品は、ほかに「メタモルフォーゼの縁側」が思いつくのですが(こちらも好き!)、
「海が〜」は巻を追うごとに、うみ子さんの内面に潜り込むようなストーリーになってます
だからか、リアルな老婦人といった当初のうみ子さんの作画が、(作者さんが描き慣れてきたのもあるのだろうけど)どんどん表情豊かになってると感じます。映画作りって青春にもがいていくにつれ、皺はあってもまるで少女みたいに見えるときある。
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Posted by ブクログ
ネタバレ一生懸命向き合って生み出した映画。
その評価次第で何かを決めなくてはいけないのか、と
疑問に思ううみ子さん。
兎に角作りたくて、作ったことで今はいっぱいだと思う。
賞を取って助監をしてとがっついていくのもひとつの正しい方法だとは思うけれど、
それで純粋に映画と向き合えるのかというと少なくともうみ子さんの場合はどうだろうか。
船が進むほど海の広さを知るばかりで
目の前の岸に辿り着くことしか考えられなくなる
という台詞にとても共感してしまう。
目の前のことをこなすことも勿論大事なのだけれど、
将来を考え始めた時どうしてもそれだけでは焦ってしまう。
教授の卒業式での言葉もとても印象的だ。
大学生活では社会のためではなく自分のために創造を行い、自分自身をさらけ出さなくてはいけない瞬間があり苦しいものである。
自分の声を聞き自分の一部を見つける。それは創造するものにだけ与えられた特別な力だ。
映画を撮りたい、創作したいという欲求は社会のシステムには属せず自分が自分であることの代えがたい証明。
うみこさんだけでなく海くんも答えをくれた感覚があると言っているのが
彼は彼で悩んでいたのかなと思うし、前に踏み出す力になれる言葉をくれるのは先生として素晴らしいなと思う。
これからの航海で前を見るために、今撮れる映画を撮るだけ。
この映画祭が灯台になれれば良いと言うのは、とても素敵な言葉だと思った。
うみ子さんが海くんにインタビューをするシーンもとても好き。
結局なにをどう思い悩んでも、やるしかないのだ。
soraの映画を見た時の
正直恐れていたものの形はとても現実的で
といううみ子さんのモノローグが非常に共感する。
海くんの映画を観たら落ち込むかもしれなくても、観ないままの方が怖い。
海くん、グランプリを取るとは流石だ。
うみ子さんが大波と感じた内容がとても気になる。 -
購入済み
PFFの結果次第でこの先の進路決めなくちゃいけないの?と疑問に思ってるうみ子さんのシーンが印象的でした
海くんすごいなあ 最後の人は海くんのお母さんだっけ? -
Posted by ブクログ
ネタバレ発売日から少し経ってから手に取った『海が走るエンドロール』(たらちねジョン)の6巻。
読んでみてまた「出た時に何ですぐ買わなかったんだ」って思っちゃったわ。
何でかって……
「歳も性別も違う人達が【望んで踏み出した環境】で一緒になり、【同じ立場、同じシチュエーションの中】で、「これからの人生どうするか」と、各々抱える悩み」がメインとして描かれてるからなんです。
今までに読んだ本や映画の数なんてたかが知れてるかもしれないけど……
私の中でそういう作品って触れた事がない。
アン・ファサウェイとロバート・デ・ニーロ出演『マイ・インターン』も、上司と部下という関係だったし。
学生の時に多く触れたファンタジーの中では、【目的とする物事が、登場人物ほぼほぼ一致してて団体で行動して達成、ハッピーエンド】っていう事がメチャクチャ多かった。
悩みが語られたとしても、ほんのワンシーンなイメージで、またメインの筋へ、団体として戻っていく。
現実逃避して、違う世界で楽しみたいっていう時にはちょうど良いかもしれない。
ただ、「それぞれが一体何を考えてて、各々どんな道に進むのか」っていう話となると、これでは何か物足りない。
今回読んだ本書や、『葬送のフリーレン』(山田鐘人 アベツカサ)などは、それを満たしてくれる感じがする。
………と、アレコレめんどくさい事を考えてたワケです。
「ほー、この人〇〇についてこうやって考えてんのか」って知る事が、今は楽しい。
「〇〇は◆◆と言われている」では足りなくて、「私は★★だと思う」って続いてると「おっ」となる。
かく言う私は、それが苦手だし、そうなりたいとも今は思うかな。 -
Posted by ブクログ
ネタバレもう十分だと、うみ子さんには思って欲しくない。
ソラの取捨選択がうまくて、わかっているところが苦手という、海くんの表現が興味深かった。
疲労で倒れる初老の女性だと種明かしをしてしまったような後ろめたさ。
考えたくなくても年齢ばかりはどうしようもない。
家事も事務処理もやり始めたらいつの間にか終わる
制作と違って終わりが明確だから。
これは多分自分でなにかを作る人はみんな共感するのではないだろうか。
海くんが主人公の映画を撮るのは正直私だと思っていた
という悔しい気持ち。
美しくて強い力に私の映画を盗られた。
これも共感し過ぎて苦しくなった。
愚痴を言うにしても説明することが多過ぎるから言えない気持ちもよくわかる。
前提が共有しづらいから頑張ってるとしか言えないけど
娘さんもクリエイターだから比較的悩みは共有しやすそう。
誰に何を伝えたいのか。実はすごくこの根本的なところが難しい。
自分がすごく面白いと思ったものを、退屈だと言う人がいて。
「感度高くしてる人に響く」映画だという海くんの評価も面白い。
確かに自分が知らない役者でそこで興味を持てない人は
説明がないと『難しい』と言いそうだ。
観る人を選ぶかもしれないが、
「だからといってその映画は貧相ではなくて豊か」
という言い方も素敵。
面白さが伝わることや共感より『リビドー』というのはなんだか納得する。
自分が面白いと思うもの、それ自体がその人の個性は
成る程と思った。
たくさんの人が面白いと思う=人生で避けられない、
だから暴力や恋愛、食べ物系が人気になる。
経験に基づいた触手をコントロールできる、
つまり傷を俯瞰できる。
その話を聞いてウミ子さんが、自分の映画を
「撮らなきゃいけない映画だった」
「次は海くんを撮るわ」
と言ったところも本当に素晴らしい。
「あなたを観ていると波の音がする」という言葉、
海くんにはどんな風に響いたのだろう。
嬉しそうな笑顔が印象的だった。 -
購入済み
前巻に続き現実の厳しさ、ままならなさが沁みる展開ですが、うみ子さんもそれに比して勁くなっていくようで励まされる思いです。続きが本当に楽しみ。巻末の著者近況にはしんみり…さみしいけどきっと幸せでしたね。
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ネタバレ 購入済み
読直後
いろいろな情報や感情が渦巻いていて、言葉を整理できないっていうのが、読直後の気持ちです
大学3年目に入ったうみ子さん。応募したPFFに落選。考える将来、映画を撮る自分、実力、モチベーション、残された時間。考えることがいっぱいあるけど、映画を撮らなければ進まない。
うみ子さんはこれからどうするんだろう?
PFFの結果発表が済んで、話はグーンと進んだけれど、なんだか迷路に入り込んでしまった?
多分この作品を読む年代で見方は変わるんだろうけど、実力と現実の差を目の当たりにしたときにその人(人生の先輩)がそう動くのか、先が楽しみです。
実際、プロと素人には、技量も資金力も雲泥の差があると思う。それでも努力を続けている人が目標に近づけるんだろうなーと感じるので
どうか、うみ子さん!頑張ってくれー! -
Posted by ブクログ
ネタバレ悪気のない言葉、そこまでではないけれどちょっと不愉快なもやもやちりちりすること。
旦那さんと暮らした日々だって楽しい事だけではない。でも、亡くなってしまったら良い思い出にばかりなっていく。
自由に『させてもらった』方だけれど、旦那さんが生きていたらうみ子さんは映画を撮ろうとはしていなかった。
奥さんという立ち位置があったし、そこに収まるのが楽でもあった。
枠の中から出るのは、やはり荒波に船を出すことだ。しかし出さねば景色は変わらない。
法事をしていると聞いてわざわざ高尾まで来てくれて、お墓参りもする海くんは本当に律儀。
お互いがちゃんと映画に対して真剣で、相乗効果があるのが良い。
うみ子さんが書き直した脚本を無遠慮に読むけれど、笑顔で手伝いたいという言葉が出てくるような
裏表の無さがソラの魅力なのだろう。
海くんの気持ちは痛いほど分かるが、大人数が揃えば
プロならまだしも学生たちで同じ方向を同じ真剣さで
向くことは難しい。
怖い監督の下で最高のパフォーマンスが出せないからコスパが悪くなる、という意見は納得。
さらなる大海原へ。背中を押す風。本当に素敵な表現。
求められる以上のことを返すのが当たり前と思っている人しかいない。
それがプロ。
「物語」を人は応援したくなる、という言葉も印象的。
海くんにとって監禁されるかも、と思って何より大事なのが映画の撮影データで、それを託したいと思うのがうみ子なのがすごく真っ直ぐで透明な重みを感じる。
言いたい事があるなら言えと言いながら全く話を聞こうとしない父親。案の定だ。
母親は黙ったままなのかと思ったので少し意外だった。
もし認められたら。応援してもらえたら。
期待して何が悪い、と思う。
泣く海くんを変に慰めるのではなく、
「私たちは映画を撮っている限り強い」
の言葉は仲間であり海くんを肯定しているうみ子さんだからこそ言える言葉だろう。
情けないあなたは魅力的だしとっても映画的。
夜の海を散歩しながらのこの台詞も映画的で強くて美しい。
時間をかければ良いものができるわけじゃない。
けど時間もすべて映画にかけたい。
ソラが映画を見た感想を「イライラする」と表現するのが
とてもらしいなと思う。
面白い物を見た後イライラしたり走り出したい気持ちになったり編集作業したり
それは自分が受け取るだけの側の人間ではないからだろう。
うみ子さん、やはり無理がたたってしまったか。
でも、無理をするなというのも何か違う気がする。
番外編で映画を撮るようになって人に見せるために何かを作る時
自分が何故それを作るのか、つまり自分が何が好きなのかを考えないといけないと思ったというのが好きだ。
更に突き詰めると、自分はなんなのかに辿り着く。
みんな本気で映画が好きなのが羨ましいし、こういう環境にいたらそれはうみ子さんも、頑張りたいと思ってしまうだろうなと思った。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ自分はライブへ行った時、みんなの顔が見たくなって客席を見回すことがあるから
うみ子さんの気持ちもわかる気がする。
海くんを家に誘うのは無理がありつつおばさんだから言えるというのは分かるし
海くんもちょっと変わった子で一緒に映画を見たり
踏み込んだことを言ってくれるのが良い。
1話の終わりの
『エンドロールが流れていく。新しい物語のために』
がわくわくする。
うみ子さんはなんだかんだで行動力がある。
自分なら待つか、学校に届けてもキャンパスを見ては回らないだろう。場違い感で怖くなってしまうと思う。
「お父さんが生きててもそのまま幸せだったろうけど
お父さんがいなくても新しい幸せみつけていいんだよ」
という娘さんの言葉が素敵だった。お父さんは
「お母さんが好きなことしてるの変わらず笑ってみてると思うよ」。
畑は違ってもクリエイターだから理解もあるのだと思う。
そして本当に大学受験にチャレンジをするところが恰好良い。
面接で学長が何故大学なのかと訊くところも良かった。
確かに映像を撮りたいだけなら現代でうみ子さんほどもう大人なら回り道ですらあるかもしれない。
しかし本気で映画を作りたい人たちと同じ学舎で学ぶこと。それは得難い経験になるだろう。
海くんがちゃんと名前で呼んでくれるのが嬉しい。
モヤモヤしていてのにただの老後の趣味だからと自分で言ってしまうけれど、
海くんがうみ子さんの撮ったものをちゃんと作品と呼んでくれて、面白いと言ってくれるのが温かい気持ちになる。
海くんにご飯が食べたいと言われて、折角懐いた猫に餌をあげたいと思っているうみ子さんが可愛い。
人のためにご飯を作るのが久し振りなことに気付いて、動画を撮りながら
「まだまだちゃんと、寂しいなぁ」と言うのが切ない。
映画を老後の趣味と言った事を『思ってもいない事』だとちゃんと分かっている海くんが良い。
自分のやりたい道を親から趣味と否定された経験があって、友達に「嘘をつかせた」後悔がある。
うみ子さんも話を聞いて自分が海くんを傷付けたのだと気がつくところが優しい。
『取り返せないものがあることをクラスメイトよりは知っている』。
作る人と作らない人の境界線は船を出すかどうか。
船が最初からクルーザーの人もイカダの人もいるけれど、誰でも船は出せる。
「私はあの日、目の前に海があることに気づいた」
海くんの驚きと最高の笑顔、そして海くんで映画を撮りたいといううみ子さんの決意。
全てが素敵でまるで映画を見ているようなシーンだった。 -
購入済み
いつも一瞬で読み終わってしまう作品です。
体調を崩して倒れたうみ子は映画制作から少し距離をとります。海やsoraからの言葉を受けて、自分の中の気持ちと向き合ったうみ子はまた漕ぎ出します。
年を重ねても挑戦をやめないうみ子に憧れます。