結月さくらのレビュー一覧
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ネタバレ 購入済み
九龍城砦や寂れた中華街あるいは
九龍城砦や寂れた中華街、あるいは、どこか異国のような(でも何故か看板は日本語や英語で読むことができる。しかし、それもどこか明治大正のような古びたものを感じる)不思議な街。
異世界!という感じで面白いです。
でも、赤いランプの扉からは「化け物」が出て来る。
1話を読んで、平和な死者の街かと思いこんでいたのですが、何やら不穏な気配。
ヒーローみたいなトウカさんにも思惑があり……と、この謎めいた感じが好きです。
ところで、水魚飯店のメニュー沢山ありますね!?
老舗のお店っぽいメニューの染み、これは絶対美味しいお店。そりゃトウカさんも推す訳です。ほかほかの肉まんを見ているとちょっとお腹が空きました -
ネタバレ 購入済み
なつかしき日々の、忘れ難き宝物
荒れ狂う河のように流れてゆく過去の残骸、打ち壊されたものたちの中に、
かけがえのない思い出の欠片が浮かんでいる。
どうしようもなく捨てることができなかった記憶は、
「わたし」が「あなた」を思い出す道標となる。
人である以上、全てを持って行くことができないのならば、見送る者が必要だ。
終端街の在り方を知るトウカは、人と共に在る人でもある。
彼は誰もを見捨てるものかと、死者の手を取る。
「あなた」がいたことを忘れまいと言うかのように、
まるで星々の輝く夜に空を迷い見上げるように、
いずれ朝の光に溶けゆく彼らの、最期の輝きを憶えている。 -
匿名
購入済み背景の旨味がすごい
寂しそうに笑うトウカさん、あまりにも顔が良い。こんな男、秒で好きになってしまう。
冷めた表情の皮肉げな死神かと思いきや、優しさとぬくもりを内包した情の深い行き先案内人で、こんな人(※見た目は人だけど実は人じゃないかもしれない…?)に見送ってもらえる世界なら死ぬのも悪くない――と思ってしまうようなお話でした。読後には気持ちが穏やかになります。1話の完成度だけでもすごいのに、このお話、まだ続くんですか? 最高じゃないですか。ありがとうございます。
過去作で「死さえも歪める魔法使いたちの物語」「生きているからこそ苦悩や絶望がある、しかし優しさも共に在る世界の物語」を描いてきた結月さくら先生の新作が -
購入済み
仄暗いようで暖かな世界
突然の事故で死んだトアは、気付けばエレベーター(昇降機)の中にいた。これは夢かと思うトアだが、そのエレベーターが止まった階で青年トウカに果ての見えない真っ直ぐ伸びた通路へ案内される。トウカはそこを死者の国へ行くための通過地点と話す。
通過地点で直面するのは、自分の中に佇む目を背けてきたものたち。それを乗り越えると、次の世界に行けると言うがーーー。
22-23ページのトアちゃんの歩く速度と同じように心に忍び寄る描写と、24ページでそれが堰を切ったように爆ぜる瞬間が最高に素敵!
トアちゃんの心の柔らかい部分に触れながら、それを昇華させる運びが美しくて……本当に読んでほしい……彼女の願いがそこ -
Posted by ブクログ
口の中でほろりと溶け、柔らかい甘さを広げ、それでいて、嫌なくどさを全く残していない、良質のざらめ糖から作る綿飴を連想させる画、物静かで淡々としているけど、決して停滞してはいなくて、人も時間も着実に僅かでも前に進んでいると伝わってくるストーリーが、読み手を自然に作品に引き込む
廃れようとも、決して書き手がいなくならないであろう“手紙”がテーマってのが好いよな、と一巻を読んだ時よりも強く感じた
五番街の存在理由、黒やぎ・黒崎の登場により、白やぎ・白山さんの過去が明らかになり、同時に托の他人も自分も今だに直せないズレが語られたり、と先に述べたように、ほんの少しだが、隠れていた謎も見えだした
ドジ属性 -
Posted by ブクログ
口に含むと、じんわりと優しく淡く溶けてゆくマシュマロのような、ほのかな温かい余韻のある甘みの強い漫画
主役の洋子さんの、手紙を“食べる”、書き手に悩みがあると“小骨”が引っかかる、手紙の中に“潜れる”って設定が実に斬新で面白く、“幻想的”と“リアリティ”の中間に腰掛けるストーリーに更に引き込まれる
しかし、この『五番街の白やぎさん』を魅力的にしているのは、そんな謎多き女性である洋子さんを、さりげなくフォローする託さんがいてこそ
名コンビである
洋子さんは小骨を除去する事でスッキリできる訳だが、結果的に人助けもしている。しかし、同時に、欠けている部分が多い自分も救っているのではないだろうか?
未