結月さくらのレビュー一覧
-
購入済み
仄暗いようで暖かな世界
突然の事故で死んだトアは、気付けばエレベーター(昇降機)の中にいた。これは夢かと思うトアだが、そのエレベーターが止まった階で青年トウカに果ての見えない真っ直ぐ伸びた通路へ案内される。トウカはそこを死者の国へ行くための通過地点と話す。
通過地点で直面するのは、自分の中に佇む目を背けてきたものたち。それを乗り越えると、次の世界に行けると言うがーーー。
22-23ページのトアちゃんの歩く速度と同じように心に忍び寄る描写と、24ページでそれが堰を切ったように爆ぜる瞬間が最高に素敵!
トアちゃんの心の柔らかい部分に触れながら、それを昇華させる運びが美しくて……本当に読んでほしい……彼女の願いがそこ -
Posted by ブクログ
口の中でほろりと溶け、柔らかい甘さを広げ、それでいて、嫌なくどさを全く残していない、良質のざらめ糖から作る綿飴を連想させる画、物静かで淡々としているけど、決して停滞してはいなくて、人も時間も着実に僅かでも前に進んでいると伝わってくるストーリーが、読み手を自然に作品に引き込む
廃れようとも、決して書き手がいなくならないであろう“手紙”がテーマってのが好いよな、と一巻を読んだ時よりも強く感じた
五番街の存在理由、黒やぎ・黒崎の登場により、白やぎ・白山さんの過去が明らかになり、同時に托の他人も自分も今だに直せないズレが語られたり、と先に述べたように、ほんの少しだが、隠れていた謎も見えだした
ドジ属性 -
Posted by ブクログ
口に含むと、じんわりと優しく淡く溶けてゆくマシュマロのような、ほのかな温かい余韻のある甘みの強い漫画
主役の洋子さんの、手紙を“食べる”、書き手に悩みがあると“小骨”が引っかかる、手紙の中に“潜れる”って設定が実に斬新で面白く、“幻想的”と“リアリティ”の中間に腰掛けるストーリーに更に引き込まれる
しかし、この『五番街の白やぎさん』を魅力的にしているのは、そんな謎多き女性である洋子さんを、さりげなくフォローする託さんがいてこそ
名コンビである
洋子さんは小骨を除去する事でスッキリできる訳だが、結果的に人助けもしている。しかし、同時に、欠けている部分が多い自分も救っているのではないだろうか?
未