灰谷健次郎のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
意外な結末である。題名の意図するところは何であるのかを考えた。スウィフトの「ガリバー」のことも考えたが、著者は(他の作品を読んで感じたのだが)非現実的なことを書くのだろうかか?また、「ガリバー}同様に、物語が進むにつれて、漂流し大人の国へ行き着き、最後には夢であったと落ち着くのかと思った。しかし、それは裏切られた。面白いように。
第1章、だれでものおじさん。人生のつらい面を見ていて現在がある。第4章クチェ老人、多くのことを悟っている。ガリバー少年が、これから、だれでものおっさんのように苦労を超えていくということが予想された。他方、時代背景とは何らかの関連があるのだろうか?だれでものおっさんに感 -
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文体が古かったりなまりやこどものあどけない言葉をそのまま使っているので、読みにくい部分もありますが、ありのままを伝えたい、大事にしたいという著者の気持ちが伝わってきて、それがよさでもあると思います。
そういったことで、前半は読み進めるのに私は時間がかかりましたが、後半は「教育に対する思い・考え」について、また、それが形成される過程が描かれているのでスムーズに読むことができました。
いずれにしても子どもの、神髄をつく鋭さ、深いところのやさしさ、などが描かれていて究極の世界といった感じもしますが、実は自分のすぐ隣にも存在している世界であり、研ぎ澄まさなければいけない視点であると、受けとめながら読 -
Posted by ブクログ
老いと死の優しい物語。
妻を「ハルちゃん」なんて呼ぶ老齢の画家。
80年来の友人とその孫。
そうした人々が登場して、
物語をつくる。
終わりがあるから輝くものがあるのだと私は思う。
終わりが人を追い詰めることもあれば、
終わりが大きなエネルギーをくれることもある。
最後数ページがとてもよかった。
そしてそして、
巻末の対談(灰谷健次郎×樹木希林)!
これもとてもよかった!!
『兎の目』や『太陽の子』とはなんだか違うな、
と思っていた違和感がスッキリした!
この小説で使われている言葉は、標準語なんです。
いつもは関西訛りのある言葉なのに。
やっぱり言葉のちがいでずいぶん印象が変わる