男×女の恋愛漫画とは違った「甘さ」が、口の中いっぱいに広がった
夏祭りの夜店で買える、棒つきの綿菓子を口に含んだ時のような・・・ほわっとした温かい甘味?
やっぱり、雨隠先生の描く女の子は可愛い。どのくらい、可愛いか、といえば、その一挙一動に臍の下が悶々、いや、ムズムズ?してくる類の可愛さと言える
色
...続きを読むっぽく見えるって訳じゃなく、男がイメージする安易な「女の子らしさ」じゃない、『女の子らしさ』が滲んでいる
また、「好き」って感情(キモチ)が本来はどんだけ、ピュアで、そう容易には成就しないって事を踏まえた上で、それでも、自分を騙さず、素直でいよう、いたい、いさせてほしい、そんな男が持ちえぬ強さを、恋する女の子が兼ね備えてるのが、強烈に伝わってくるもんだから、余計に可愛く想えてしまう・・・ぶっちゃければ、欲情しない
女の子に恋愛感情である「好き」を抱く女の子がいても、別にいいんだよな
そりゃ、凝り固まった常識・良識が蔓延る、この世界に住む一般人の両目から見れば、肯定する余地のないアブノーマルで、皆が安心できる「普通」でないかもしれないが、特別や特殊でない、とも私はこれを読んで、改めて思えたし、自分の考え方に自信が持てた
単に、私たちが惹かれた相手が、“たまたま”自分とは違う性別の相手だった、それだけの話ではないだろうか? 極端だとは思うが、男と女の二極に分ける性別ってのは、個人の萌えポイントをくすぐるメガネやメイド服、性質のようなオプションの一つに過ぎないのではないか
なので、私はこれを「百合漫画」ってジャンルでなく、『恋愛漫画』として紹介させてもらった
どのラヴストーリーも、雑読傾向の強い私の第二の胃袋を揺さぶってくれる、甘々が溢れるものばかりだったが、個人的に、雨隠先生に興味があるけど、どれから読むべきかを迷っている読み手がいたら薦めたいのは、ありえなさそうでありえる、「好き」の複雑性を巧く描いた『一瞬のアステリズム』
これを読んだ時に、「アステリズムとは何ぞや?」と首を捻り、英和辞典で調べた際、その意味を知り、雨隠先生のサブタイトルを生むセンスの鋭さに、稲妻にでも打たれたかのようにハッとさせられた
2014年に、もっと注目してもらいたい、恋愛漫画の一人に選ばせてもらってます