天藤真のレビュー一覧

  • 遠きに目ありて

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    仁木悦子にインスパイアされて生まれた車椅子少年探偵。警部との温かい交流も好きだし、盲点トリックも好き。少年が外に出るときの興奮具合も読んでてはっとする。作者の、人に対して厳しいところと優しいところが好きだけど、これは優しい部分がすごく出てて、嬉しくなる。

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    2011年11月09日
  • 遠きに目ありて

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    成城署の真名部警部は近くに住む顔見知りの作家の紹介で脳性マヒの少年、信一を知る。
    少年の家を訪ね彼と語り合ううちに少年の知性に驚いた警部は、たまたま抱えている難事件の話をしたところ、少年は車椅子に座ったままで事件の真相を言い当ててしまった。

    タイトルに惹かれて手にとった文庫本だったのだが、また新しい名探偵を知ることができた。
    安楽椅子探偵なんだな、という認識で読み始めたのだが、完全に自宅の車椅子の上で解決した第一話から始まって、信一少年が少しずつ外の世界に出て行く様がまた考えさせられる。真名部警部が彼の友人となったことにより、少年の世界もまた広がっていくのだ。(2004-04-30)

    収録

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    2011年03月31日
  • 遠きに目ありて

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    安楽椅子探偵モノの連作短編5作。どれも不可能犯罪を扱っており、謎の提示から解決までの流れが素晴らしい。
    基本的に、警部から伝え聞く話だけで事件の真相を理詰めで解き明かしていく様は見事。
    個人的には「出口のない街」「見えない白い手」が好み。

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    2011年02月15日
  • 大誘拐

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    身代金100億円の誘拐事件。誘拐されたのは全国でも指折りの大富豪。こんな誘拐事件なんて実際にないだろうなぁと思いつつも関西弁のテンポの良さにすらすらと読んでしまいました。この本が出版されたのは1978年ということで30年以上前の本ということもあり、若干時代を感じる部分もありました。おばあちゃん頭いいなぁ。

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    2009年10月04日
  • 死角に消えた殺人者

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    雨の中、崖の下に転落した車。

    乗客の一人であった母の乗るこの車が事故ではなく謀殺であると知らされた娘は、事件の真相を解くために奔走する!!

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    2009年10月04日
  • 鈍い球音

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    日本シリーズを目前にしたある日、東京タワーの展望台から一方の監督が忽然と姿を消した。

    代理監督を立てて試合に臨むも今度は代理監督まで?!

    熱い野球の戦いの裏に隠された真実とは?

    傑作野球ミステリ、ここに登場!!

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    2009年10月04日
  • 遠きに目ありて

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    成城署の警部である真名部は、とある縁で知り合った重度の脳性まひ患者の少年・岩井真一の聡明さに瞠目するようになる。

    手ほどきしたオセロは瞬く間に連戦連敗の有り様だ。

    ある日、少年との約束を反故にお詫びにと、目下の難事件の話をしたところ……。

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    2009年10月04日
  • 遠きに目ありて

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    宮部みゆきも北村薫も、この天藤真がいたからこそ出てきたのではないか、と思う。
    特にこの「遠きに目ありて」を読むと感じる。

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    2009年10月04日
  • 遠きに目ありて

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    仁木悦子夫妻という個人的に親しい人たちへの想いもあったのでしょうが、障害者が生きにくいこの社会に対して、少しでも変わっていってほしいという強いメッセージがこめられた作品。作者の姿勢に敬意を表して★四つ。

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    2011年08月06日
  • 殺しへの招待

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    ストーリー設定が面白いので、自然とその中に入ることができた。登場人物同様、手探り状態で第一章を読み終えると、次章では展開がガラリと変わる。構成も非常に巧く、ラストのサプライズまで退屈せずに一気読み。手の込んだトリックにも感心させられたが、事件の合間に時折出てくるそれぞれの夫婦関係の変化に、作者の優しさが垣間見え、なんとなく嬉しく感じた。

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    2009年10月04日
  • 遠きに目ありて

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    「坂木司好きは、いずれ辿る道」なんでしょうねきっと。 坂木司の文庫の解説につられて読んでみました。まさに『仰る通り』でした。でも、天藤真も好きだからちょうど良かった。

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    2011年09月04日
  • 遠きに目ありて

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    「大誘拐」も傑作だけれど、これ以外にも天藤真にはいい作品がたくさんある。この作品の「目」は、光は見えないけれど透徹した、優しい目だ。

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    2009年10月04日
  • 遠きに目ありて

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    これは凄い。各短篇のアイディア、トリック共にとんでもなく優れている上にユーモアも盛りだくさん。さらに障害者の話まで盛り込まれて贅沢この上ない。探偵役の子が脳性麻痺なんだけどそんなことを感じさせないくらい生き生きと書かれている。でもそんな中に社会への皮肉も。久し振りに感動できる作品に出会ったような気がする。

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    2009年10月04日
  • 鈍い球音

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    まあ最初から魅力的な謎やら展開やらが山のように出てくる出てくる。東京タワーからの消失に始まり残された監督のひげ、カリスマ監督のいなくなった東京ヒーローズの日本シリーズはどうなるのか、さらに監督代理の消失、今度残されたのは人の形にされたユニフォーム、そしてだんだん語られる裏で起こっている奇妙な事態、黒幕は誰?とまあこれだけの?が機関銃のように出てくる上語り口も展開の巧さも他の追随を許さない面白さ。最後にすべての?に合理的解決もつけられてしまう。

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    2009年10月04日
  • 星を拾う男たち

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    面白い!しかもなんとなく読みやすい。短編がどれもこれも面白い。独特のユーモアの中に隠された黒い感じが何ともいえない。ハッピーエンドではなく主人公に当たるであろうキャラが罠に嵌ったり、計画が失敗することで意外なサスペンスを出していたりとまあ何でこんなに思いつくのか。本格を書かせても見事としか言いようのない物だらけ。すばらしい。「星を拾う男たち」「白い火のゆくえ」「極楽案内」かな。

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    2009年10月04日
  • 雲の中の証人

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    面白い。ユーモアミステリという言葉からは現代では想像出来ないくらいミステリとして面白い。収録作どれも謎解きやトリックはもちろんプロットの面白さでも読み進められる。どれがお勧めというかどれもお勧めなんだよね。最初に見える事件の様子からは全く違った世界を見ることになる。すばらしかった。

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    2009年10月04日
  • 死角に消えた殺人者

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    シリアスな展開でありながらどこかユーモラス、と言うのがこの人の魅力だと思う。今回も良く考えればもの凄い悲惨な事件のはずなのにキャラの魅力が凄くてずっと面白いと思いながら読み進められる。主人公の令子の天真爛漫さとか直情潔癖さとかが鼻に付くんだけどそれ以外の脇役たちの魅力が高くその令子の魅力も強くなってるような気がする。しかもこの作品に使われているトリックの凄さといったら!ミステリに慣れていれば慣れているだけこのトリックには騙されるのではないか。二転三転する真相解明の場面、サスペンスフルな展開、どれもこれも本当にすばらしい。

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    2009年10月04日
  • 遠きに目ありて

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    ちょっと読みにくいところもあるし、私でも古いなーと思うくらいの小説でした。探偵をする少年が話を聞いて謎を解きます。

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    2025年01月30日
  • 大誘拐

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    出所あがりの男が仲間を連れて超絶お金持ちおばあちゃんを誘拐、やがて事件は日本中のみならず世界が注目することになる…

    40年前の作品なのでところどころに若干の難読ポイントあり
    某「やられたミステリ」リストにも挙がっていたが、どんでん返し系ではない

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    2023年12月01日
  • 死角に消えた殺人者

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    冒頭の、関係のない4人の転落死、その事件を解決すべく結成される遺族会、そして一癖も二癖もあるいかがわしいそのメンバー、結末直前のどんでん返し、そして4人が同乗して死に至った経緯のコミカルさ、これらを取り出してみると正に天藤ワールドのエッセンスが詰まっているのだが、どこか空虚な感じが残っており、充実感がない。それは主人公令子の行動と共にストーリーが語られることにあると思うのだ。
    今回の主人公は決して読者の共感を得る存在ではないだろう。勝ち気で考え方に偏りがあり、しかも厚顔無恥な所もあり、移り気が激しい。この移り気の激しい令子の行動がまた短絡的で探偵ごっこの域を出てないために、徒に時を費やしている

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    2020年06月29日