遠きに目ありて

遠きに目ありて

550円 (税込)

2pt

成城署の捜査主任真名部警部は、とある縁である少年と知り合うことになった。岩井信一、年齢からいうと高校受験期ぐらいの少年である。彼は重度の脳性マヒだった。だが、親しくなるにつれて、この少年の予想外の聡明さに驚嘆するようになる。ある時、約束していた映画鑑賞を突発事件のためすっぽかしてしまったお詫びにと、その事件の経緯を話して聞かせたところ……!~ 安楽椅子探偵の歴史に新たな一ページを書き加えた連作推理短編の傑作であり、不可能犯罪や奇抜なアリバイ・トリック等を満載した、著者の本格推理分野での代表作と言えよう。

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遠きに目ありて のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    前読んだ「大誘拐」と違って、出てくる人達は普通の人達のはずなのに、ちょっと変わってて面白い。
    ユーモラスなのに人情味のある温かい雰囲気が好き。
    あとがきにも、そんな著者の人柄が出ている。

    発想の元になった仁木悦子さんの小説も読みたい。

    0
    2015年03月09日

    Posted by ブクログ

    名探偵が身体障害者の少年であるという変り種の作品です。例え口があまり利けず、体の機能があまり動かなかったとしても、少年には鋭い洞察力がある。事件の話を聞きながら彼だからこそ気付いた素朴な疑惑にただただ感心するばかりでした。

    0
    2009年12月14日

    Posted by ブクログ

    この本の根っこにあるのは、仁木悦子さんの『青じろい季節』というミステリーである。それ自体は個人的にあまりおもしろい話とは思わない。しかし、ちょい役で強烈な個性の少年が登場する。それはちょっと頭のいい脳性麻痺の少年である。他人とコミュニケーションをとるのも大変で、一人では殆どなにもできない。しかし、存

    0
    2009年12月05日

    Posted by ブクログ

    1976年頃の作品で、今風の書き方ではないけれど、こういう推理小説も楽しい。名探偵コナンみたい。機会を見て著者の他の作品を読みたくなった。特に映画化された大誘拐。
    探偵が警部の話を聞くだけで問題を解くから、読み手と探偵が同じ土俵に立てるところが安楽いす探偵の醍醐味です。

    0
    2020年11月29日

    Posted by ブクログ

    いつも読んでる本より少し読みにくかったですが、 
    少年が少しずつ成長するところや、推理のどんでん返し安楽椅子探偵要素など楽しめる要素がたくさんあったのがよかったです。

    0
    2020年11月03日

    Posted by ブクログ

    眞名部警部が心癒される場所は、ある少年(とその母親)の元だった。その少年は整った顔立ちをしており、明晰な頭脳を持っている。ただ、彼には行動の自由がない。なぜなら彼はからだに障害を持って生まれたからだ。
    障害を持った信一少年と、ひょんなことから知り合った眞名部警部。少年のリハビリにとはじめた事件の話だ

    0
    2020年11月01日

    Posted by ブクログ

    警部の真名部はある縁で小児麻痺で車椅子の信一少年と、その母咲子と知り合う。
    信一少年は実に鋭い観察眼で、警部の語る事件の様相から真相を充てる。
    警部はこの母子と会うことを楽しみにし、いつか本当の家族になりたいが、自分の心構えがまだまだ足りないんだよな…と思う。
    各話では、日本は車椅子の人が出歩くには

    0
    2018年01月21日

    Posted by ブクログ

    くどくなるが、この作家も創元推理文庫で作品が出ていなかったら、全く手に取ることの無かっただろう。そしてその出会いは私にとって実に有意義な物となった。

    本作は脳性麻痺で車椅子生活を強いられている信一少年が成城署の真名部警部が持ち込む捜査が難航している事件を明敏な頭脳で解き明かすという典型的な安楽椅子

    0
    2016年12月11日

    Posted by ブクログ

    俗に言う『安楽椅子探偵』モノ。
    とはいっても探偵役は脳性麻痺の車いすの少年。
    30年ほど前の推理小説です。
    30年と一口にいっても障害者に対する社会が現在とかなり違うという点に気がつきます。
    公的に障害者の生活しにくい環境だったのでした。
    警察署や交通機関なども利用しにくかったなんて。

    内容はネタ

    0
    2014年02月14日

    Posted by ブクログ

     小気味良いテンポで進む推理連作短編。
     書かれたのは1976年である。
     だけれど、今読んでもそれほど古さを感じない。

     車椅子に乗った少年が探偵役なのだけれど、少年の聡明さはもちろんのこと、周りの人物たちの視点もやわらかい。

     けれど、少しだけ思ってしまう。聡明じゃなかったら駄目なのかな……

    0
    2012年12月21日

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