和月伸宏のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
大切な事は、剣心がみんな教えてくれた…
ってのはちと言い過ぎかと思いますが(笑)それ位に思い入れの深い作品であります。
少年漫画の主人公だけど、敵を(惡を)なんのためらいも無くひたすら倒し、強さを求めていくんじゃなくて、自身の贖罪のために剣を振るい、なおかつ“不殺”。
何が善で何が悪なのか、強さって何なのか、結構、語られているのは難しいテーマだと思います。
また、史実とフィクションの絡ませ方が秀逸です。
全体を通してのお話も、一本、ちゃんと筋が通っていて、あまりぶれていないのがまた良いですね。全28巻で、うまくまとまっています。印象的なセリフも多数。
ただ残念なのは、絵柄が後半変わってしま -
Posted by ブクログ
勧善懲悪が王道の少年漫画にあって、異彩を放つ名作だ。今日主人公が暗い過去を持っていたり、敵役にも深い背後関係を持たせたりするのはこの作品がはしりだろう。
この漫画にはほとんど「やられ役」が出てこない。主人公と敵対する相手には必ず理由があり、強くなるため、己の目的を果たすためだけの戦いは一切ない。むしろ主人公は積極的に戦いを拒む方だ。
刃衛、蒼紫、斎藤、志士雄、縁と、戦う相手の魅力は昨今の漫画作品の中では断トツで、彼らなりの美学と正統性に勧善懲悪のほころびを指摘されてハッとなる。
史実を絡めながら、時代の裏に暗躍して日本を支えることに一役買った影の英雄を時代の流れと共に描く手法は作者の力