土屋賢二のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
読書録「不要家族」3
著者 土屋賢二
出版 文藝春秋
p69より引用
“残念なのは、後に入る人には、どれだけ苦
労して掃除したかが分からず、たんに「薄汚
い部屋だ」と思われてしまうことだ。”
目次から抜粋引用
“箱の作り方
お別れの挨拶
品のいい名乗り方
根拠の無い自信
話のズレ方”
哲学者でエッセイストである著者による、
日々の些細な事を複雑に考えて著したエッセ
イ集。
箱の手作りについてから会話の方向性につ
いてまで、ウィットに富んだ話が盛り沢山で
す。
上記の引用は、著者が大学を退職して部屋
を去ることになったことについて書かれた話
での一文。
世の中、誰かが何かをしてくれているという
ことは、殆ど目に見えないものなのでしょう
か。目に見えているけれど、何とも思ってい
ないだけかもしれません。
大学を退職してからも、周囲の人との付き
合いに苦悩する日々を送られているようで、
なによりです。これからも面白い話を、聞き
続けることが出来るでしょう。
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Posted by ブクログ
読書録「紳士の言い逃れ」3
著者 土屋賢二
出版 文藝春秋
p133より引用
“先日、新聞や週刊誌で面白いと賞賛されて
いたミステリを読んだ。だが、好みが合わない
のか、面白いと思えず、半分読んだところで
読むのをやめてしまった。”
目次より抜粋引用
“空白の時間
年を取ってからの思考法
もう一人の自分
とんでもない世界観
洗練された悪口”
哲学者である著者による、著者の日常にあふ
れるごくありふれた出来事を考察したエッセイ
集。
偶然に出来る空き時間の過ごし方についてか
ら日食についてまで、知的で皮肉に記されてい
ます。
上記の引用は、評価は役に立つかと題された
項での一節。
人の意識は共通性を求め、個性は体に宿ると
は、養老氏の本で書かれていたように思いま
す。何か物事に対する評価がいつでも一定で無
いところを見ると、人は頭ではなく体全体で
いろんなことに判断を下しているのかもしれな
いなと、思えてきます。
ひょっとすると、客観的な評価というものは、
機械にしか出来ないのかもしれませんね。
今巻は著者自筆のイラストが少ないので、
寂しくもあります。見なくて清々すると言う人
もいるでしょうが。
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Posted by ブクログ
「教授の異常な弁解」3
著者 土屋賢二
出版 文藝春秋
p43より引用
“以上のことから推測するに、胸踊るほど楽しい
思いというのは、たぶん、何が待ち受けているか
見当もつかないときに経験するものではなか
ろうか。”
目次から抜粋引用
“理由いらない
妻と罰
芸術の理解度
妻をホメちぎる方法
老人になるのは怖くない”
哲学者である著者による、雑誌連載のエッセイを
まとめた一冊。
特技のジャズピアノについてからオリンピック
についてまで、皮肉とトンチの効いたユーモア
たっぷりな文章で綴られています。
上記の引用は、楽しさについてかかれた
話での一文。何が待ち受けているのかわからない
のが楽しいというのであるならば、恐怖と楽しさ
は紙一重かもしくは同じなのかもしれないな
と思いました。
自筆のイラストがいつものとおり、良く言えば
味わい深く、悪く言えば酷いものです。私は
もう見慣れて、楽しみにさえ思っていますが。
何が待ち受けているのかわからない事に、胸
を踊らせることもあるでしょうが、案外、ある程度
待ち受けているものがわかっていても、来るぞ
来るぞと胸を踊らせることもあるのではないで
しょうか。
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Posted by ブクログ
これまで読んできた哲学に関する入門書は、ほとんどのものがチンプンカンプンな内容でした。入門書のくせにエラソーにして、難しすぎるのです。でも、本書はお茶の水女子大学の初心者向け講義を文書化したものなので、専門用語も一切使用されず、とても読みやすいものでした。また、これまで漠然と思い描いていた哲学というもののイメージを覆すような内容で、とても興味深く読み進むことができました。
哲学的な難問は、そもそも問題自体に間違いがあって、その間違いは言葉の使い方、誤解から生じているものなんだそうです。この言葉から受ける誤解を取り除きさえすれば、難解な問題そのものが消滅してしまうという解決方法は、現在の哲学界において主流になっているそうですが、こういった考え方は、実はアリストテレスの時代にすでにあったものなんだそうです。とはいえ、そうか言葉の使い方の間違いに気づきさえすれば悩みは解決するのか。言葉に惑わされなければ、人生はハッピー。怖いものなどなんにもない。どこからでもかかってきなさい!というわけには、なかなかまいりません。やはりこの世は不可思議。人生は苦難に満ちているのです。ふむぅ。 -
哲学者にならない方法
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試し読み
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Posted by ブクログ
読書録「貧相ですが、何か?」3
著者 土屋賢二
出版 文藝春秋
P48より引用
“だが、わたしは「常に目標に向かって邁進しなくてはならない
」という考えこそ閉塞感の原因ではないかと思う。”
目次から抜粋引用
“ぼくはこんなところで働いている
わたしの大学に迷惑な男がいる
どうしても間に合わない
授業は楽しい
情報漬けの生活”
哲学者である著者による、日々の生活や出来事についてしるし
たエッセイ集。
講演の依頼についてから人生の残り時間についてまで、自筆の
イラストを添えて書かれています。
上記の引用は、日本の閉塞感について書かれた話での一文。
誰かに追い立てられるように目標を作って目指すようでは、どう
しても息切れしてしまうように思います。外から来る目標よりも、
自分の中から湧き出るように目標を見つけられたらいいのですが。
大体外からの出来事に対応するために、目標を設定しがちです。
いつも通り味わい深いイラストです、あえてこの絵柄を維持し
ているのならば、これはこれですごいことかもしれません。
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哲学者にならない方法
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試し読み
Posted by ブクログ
土屋賢二の自伝書。
どうして哲学者になってしまったのかを、幼少期からさかのぼり考察している。
いつものふざけたエッセイにはない知的な文章も本人いわく魅力らしい。
タイトルの「哲学者にならない方法」は著者だけにいえることであって、他の誰にも当てはまるものではないだろう。著者は哲学者になってしまった原因について、次のようにいう。
親の影響で自分で納得しないと受け入れない性格になる。大学の寮に入って自由な生活が得られ、それまで持っていた固定観念が破壊される。さらにドストエフスキーを読んでそれまでの価値観を覆される。。そして音楽と美術によってどこまでも極めても極め尽くせない広大な世界があることを知り、自分が思っていた土台を次々に突き崩されたのが哲学をしてしまう。(p.169)
固定観念を壊される経験を経て哲学をしてしまう人は多々いるだろうな。
サイニーで調べてみると著者はアリストテレスに関する論文を5,6本書いただけであとはずっとユーモアエッセイを書いている。アリストテレスの前はハイデガーであり、アリストテレス以降はウィトゲンシュタインに興味を持っていたそうだ。ちょっと気になったのは、「研究の傍らユーモアエッセイを書いている」と著者はいうが、研究していたの?(論文書いていたのか??)という疑問だ。
結構心に残ることもいっているので引用しておこう。
(まっちー)