奥村章子のレビュー一覧
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久し振りに古き良きスパイ小説(時代はアラブの春ですが)を読むことが出来ました。
CIA中東分析局員シェーンは52歳、バーレーン・マナーマで活動中。定年までに一旗上げたいとは思っているが、普段の生活は地味でカッコ良くも無く、仕事も派手さがないがそこがリアル。前半は大きな事件も起こらず、このまま何も起きないのかと心配になるが、カンボジアに行くところから怒涛のラストへ。カンボジアでの活動、ブリュッセル経由でバーレーンに戻る時の緊迫感が半端なくリアル。
バーレーン現地でシェーンと関わりを持つことになる女性アルマイサ、協力者ラシードの描かれ方も秀逸。 -
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ネタバレ2025年の14冊目は、I.S.ベリーの「孔雀と雀 アラブに消えゆくスパイ」です。舞台は、中東バーレーンです。チュニジアのジャスミン革命に端を発したアラブの春の流れから、2011年にバーレーンで起きた「バーレーン騒乱」がモデルとはなっていますが、現実とは違う結末が用意されています。そして、その事こそがこの本に凄さを与える要因となっています。又、舞台がほぼ現在で有りながらも、古き良きスパイ小説の香りがする事もこの本の特徴ではないでしょうか。
主人公は、バーレーン・マナーマのCIA中東分析局に勤務するシェーン・コリンズ、52才です。俗に言うスパイですが、残りの支局員人生を大過無く過し、年金生活に入 -
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殺人技術を教える養成学校、学生たちはターゲットを殺害できるのか… #マクマスターズ殺人者養成学校
■あらすじ
航空機企業に勤める青年クリフは、不正を働く上司に解雇にされてしまった。同僚たちもその上司によって不幸な目に遭っており、許せないクリフは上司の殺害を企てる。しかし殺害は失敗に終わってしまい、さらに彼は逮捕されてしまったのだ。
警察に連行される思いきや、彼は殺人者の養成学校に入学することに… そこでは殺人の哲学、技術、アリバイ確保の方法など、様々な専門教育が行われているのであった。
■きっと読みたくなるレビュー
殺人者を養成する学校が舞台という、現実ではありえない設定に興味津々で手に -
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ネタバレ南アフリカとパリが舞台。
強盗に襲われたショックからギクシャクしてしまった関係をなんとかしようと、パリにやってきた夫婦。ハウススワップ(家を交換して観光したりする)で見つけたアパルトマンは、事前の説明とは似ても似つかない陰気で不潔な部屋だった…。
わりと早い段階で、南アフリカに帰ることができるのがちょっと意外だったけど、どうやらよくないものを連れてきてしまった模様。夫のマークが、だんだん壊れていく様が怖かった。
妻のステファニーと幼い娘のヘイデンに、早く逃げて!と言いたくなる展開と、正体のわからない恐怖がジワジワ来る感じには、読んでいて神経がすり減ってしまった程。
結局、最後までジワジワ -
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ネタバレカルニヴィアの3作目。
また上官とつきあってるの?とカテリーナに突っ込んだのは、
ホリーだけではない。
たぶん、読者全員だと思う。
そして、あまりに幸せそうで、
二人でアムステルダムへ行く約束をしていたので、
悲劇的な結末は予想できた。
ホリーの父が脳卒中に倒れる前に調べていたことは何なのか、
ダニエーレの少年時代の誘拐の黒幕は誰だったのか、
カテリーナが追うフリーメーソンの会員の殺人事件の真相は。
イタリアの近代の歴史をわかっていないせいか、
鉛の時代と言われてもピンとこないし、
共産主義の台頭とか、
赤い旅団という名前は聞いたことがあるけれどんなんだったかな、
という具合で、どうも -
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ネタバレカルニヴィアの2作目。
ゲーテ曰く、
光の多いところには、強い影がある。
ヴェネツィアの華やかさに酔いしれた前作に比べると、
今回はかなり暗く、読み難い話だった。
駐在米軍の少佐の16才の娘が誘拐され、
拷問されている映像が配信される。
その場面が延々と続くので、かなりひどい。
少女が誘拐犯と精神的に闘う姿は印象的だったが。
しかも二人の主人公のうち、ホリーも拷問されるし、
事件の発端となった建設現場から発見された人骨との関係が薄いし、
人骨を調べていた考古学者二人が殺されるのが突然すぎるし、
教皇や秘密結社まで出してきた割には肩透かしだったし。
カテリーナが別れた不倫相手の上官とまた捜 -
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身につまされる…
SNSやらシングルマザーやら思春期やらでお互いの適切な距離感がつかめずにいる母子がどんどん窮地に陥っていくミステリー
昔はよかったな~なんて言って時代のせいにばっかりしてたんじゃダメダメなんだけど、やっぱり物理的な距離が近いともうちょっと理解しあえたきもするんよね
昔はみんな狭い家にぎゅっとしてたから家族がなにしてるか、なに考えてるかもっと理解しあえてと思うんよな
もう多少うざがられても親のほうがガッと詰めていかないとだめなんだけど、やっぱり娘たちにこれ以上嫌われたくないダメ父としてはママに任せちゃうよなぁ
んで作品のほうは途中から完全に結末が見えちゃって、余計な回り -
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ネタバレ心理カウンセラーのステラ。
20年前、海辺のリゾート地で少し目を離した隙に娘アリスが行方不明に。
ある日、父を失ったことをきっかけに不眠症に悩まされていると、一人の娘がカウンセリングに訪れる。
娘はイサベルと名のるが、一目見た瞬間にアリスであることを確信する。
偶然なのか、何か企みがあってのことなのか、そもそも彼女は本当にアリスなのか。
その日からイサベルの正体を探ることに囚われるステラ。
幼い頃から抑圧され統制された生活を余儀なくされたため、自信のない学生生活を送りながらも次第に自立に目覚めるイサベル。
イサベルからの惜しみない無償の愛情を要求し、ステラとのカウンセリングに難色を示す、イ -
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真夜中に盗難車に轢かれ、死んだ少年。橋の下に落下した車。逃走した罪深き何者か。殺人事件というよりも突発的な事故のようにも見えるある夜の出来事を中心にして本書は、スタートする。場所はハドソン川流域の町ヘヴンキル。著者が住むのは同じくニューヨーク州ハドソン川流域のウッドストックだそうである。何と……!
エドガー賞、通称ペーパーバック賞受賞作品……にしては、やはりテーマは重たい気がする。最近のアメリカ小説でよく読むタイプのドメスティック・ミステリーであり、社会現象とも言えるネット虐めによる社会的暴力に真向から取り組んだ作品でもある。
叙述形態の進化を感じさせる現代ならではの小説でもある。スマホ -
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強盗に入られたトラウマから気分を変えようと、ハウススワップを試みた夫婦。パリのおしゃれな休暇を期待していたのに、紹介された建物はとんでもなく気味の悪い場所で。度重なる怪異と不幸。次第に高まる夫婦間の不和。じわじわじめじめ嫌~な感じのお屋敷ホラーです。
ただし。案外と早く例の場所から抜け出せたのが意外だと思ったのですが。ほっとしたのもつかの間……それだけじゃダメだったのか!!! 普通の(?)幽霊屋敷の方がましですね。そしてそもそもの原因となったものが何だったのかはっきりと明らかになっていないところも嫌さ倍増。ラストもまた嫌。これぞホラーです。