奥村章子のレビュー一覧
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ネタバレ死にたかった彼女に与えられたのは決死のスパイ任務。
相次ぐ科学者失踪の謎を探るために、白羽の矢が立ったのは飛行機事故で命を落とした女性と同じ赤毛のヒラリー。彼女は失踪した科学者ベタートンの妻になりすまして中東に滞在する。旅の目的地がどこにあるのかわからないまま。
クリスティーあるあるの国際的陰謀に素人が挑む冒険小説ちょっぴりロマンス付き。いきなり素人がスパイ任務は無理だろうと思うけどヒロインに自分を重ねてみれば、これ以上楽しい設定もない。旅の途中で出会うさまざまな人物の裏を考えつつ、ロマンスだと思えば意気投合した若い男性がお相手なのは明白。夫の科学者が犯した殺人までは読めなかった。共産主義やソ連に対する態度がとても時代を感じるが、そこももはや作品のエッセンス。 -
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死への旅
クリスティの長編スパイスリラー。若い女性がアクティブに行動するスパイスリラーはクリスティのなかでもたくさんあるが、今回の様に死を望んでいたヒラリーが特殊な事から亡くなった科学者の妻を演じ、失踪した科学者を探す冒険をする作品。
クリスティのスパイスリラーを幾つか読んであるが、ヒラリーの冒険は面白いが、彼女が悪の親玉を暴く、大立ち回りをする様な作品ではなく、彼女自身の活躍はあるが、どちらかと言えば諜報部員たちの傀儡の様に行動している場面が多い。
終盤に立って、彼女の強さや賢さ、魅力が表現されるのだが、その場面が少なく少し物足りない。
反面、夫と別れ、子供とは死別してしまったヒラリーの再生の物語としてもおもしろい。クリスティは最初に試練をあたえ、それを乗り越え成長する女性を描くのが上手いが、今回でいえばヒラリーにもっと危機的な状態があってもよかったし、もっと彼女に目立って欲しかった。
彼女の冒険の途中、いく人かの特徴ある人物達が登場しているが再登場は少ない。もっとキャラクターが素敵だったらもっともっと面白い作品になっていただろう。
起承転結、いずれも既視感があり、今までに読み終えた作品を確認する予定だが、内容はとても面白かった。昔ながらのトリックも古典としての味がある
クリスティ作品の中では比較的有名ではない作品だが、決して侮れない作品だ。最後にミステリーとロマンスで締めるあたりがクリスティらしい。 -
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ネタバレ3.5くらい。面白かったが、やっぱちょっとだるい。
そもそも、この作品がいつの時代の設定なのかわかってなかった。最後の解説で1950年代だと知った。なんとなくその頃かなと思ってたけど。
最初のほうに、第二次世界大戦が終わってほどなく、とあった。
最後まで読むと、この学院長死んだな、と思った。戻ってきたら続きを書くよ、で続きが無いし。
この学校自体の経営は危うそうだけど、資金調達として保険金殺人もやってそうだなと思った。
全体的な話の運びとしては、やっぱ学校を出てからみんなどうやって殺すのかわからないまま読む楽しさがあり、引き込まれる。
学校内の話はもう少し緊張感があれば良かったのかな。
ハッピーエンドで良かったと思う。 -
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イギリスの作家「サマンサ・ヘイズ」の長篇ミステリ作品『ユー・アー・マイン(原題:Until You're Mine)』を読みました。
「ディック・フランシス」(「フェリックス・フランシス」との父子共著含む)、「ミネット・ウォルターズ」に続きイギリスのミステリ作品です。
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夫、妻、双子の男児、そしてもうすぐ女児が生まれる幸せな家。
そこに一人のベビーシッターがやってきた―33歳の「ゾーイ」は、巧みに反抗的な双子をてなずけ、夫は彼女を信頼するようになる。
が、妊婦の「クローディア」には何かがひっかかる。
ひそかに家の中の何かが微妙に変わっていく。
その頃、街では妊婦が残忍な手口で惨殺される事件が起き、さらに同様の事件が…全世界の女性をうならせた、衝撃の結末が待つサスペンス。
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臨月の妊婦が腹を裂かれ胎児を取り出すという猟奇的な殺人事件が発生… ちょうどその頃、社会福祉事務所のソーシャルワーカーで、まもなく女児が誕生予定の「クローディア・モーガン-ブラウン」と、その夫で軍人の「ジェイムズ」は、双子の「オスカー」と「ノア」の住み込みのベビーシッターを求人したところ、「ゾーイ・ハーパー」という女性が応募してきた、、、
「ゾーイ」は優秀なベビーシッターだったが、夫婦が不在時に家の中を嗅ぎまわっている気配があり、「クローディア」を不安にさせる… その頃、妊婦の殺人事件については、「ロレイン・フィッシャー」と「アダム・スコット」の夫婦刑事が捜査にあたっていた。
「ロレイン」は「アダム」の浮気に苦しみながらの捜査を進める… そして、別な妊婦が同様な手口で襲われるという事件が発生、、、
妊婦は命を取り留めたものの、胎児は助からなかった… 「ゾーイ」が「クローディア」の家族に近付いた目的は? 「ゾーイ」は、猟奇的な殺人事件に関わっているのか? 物語は、「ゾーイ」と「クローディア」、「ロレイン」の三人の女性の視点を切り替えながら、真相に近付いて行きます。
うーん、終盤のまさかの展開、不可解な「ゾーイ」の行動は、殺人事件とは関係ない詐欺事件に関する潜入捜査だったとは… 「ジェイムズ」と、亡くなった「ジェイムズ」の先妻「エリザベス」の家族が大規模なマネーロンダリングシステムを構築していたとはね、これは読めなかったなぁ、、、
叙述トリックにまんまと騙されました… 「クローディア」の出産への執念、過去の流産・死産した子どもたちの写真等が、事件の動機のヒントになっているのですが、真相には気づけませんでしたね。
そして、他の犯行も示唆する最後の一行にゾクッ としました… 怖いわぁ、、、
子どもが欲しくても授からない、子どもは欲しくないのに妊娠しちゃった、出産しても育てられない(放置、虐待)、そして、育てたのに、子どもが離れていく… 等々、妊娠や出産、子育てに関する、社会での問題がテーマになっていて、親の立場として色々と考えさせられましたね。
でも、意外性があって面白かったです。
以下、主な登場人物です。
「クローディア・モーガン-ブラウン」
社会福祉事務所のソーシャルワーカー
「ジェイムズ」
クローディアの夫。軍人
「オスカー」
ジェイムズの子
「ノア」
ジェイムズの子
「ゾーイ・ハーパー(ヘザー・ペイジ)」
ベビーシッター
「ピップ」
クローディアの友人
「ロレイン・フィッシャー」
警部補
「アダム・スコット」
警部補。ロレインの夫
「グレース」
ロレインとアダムの娘
「ステラ」
ロレインとアダムの娘 -
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著者はロンドン在住で本作はデビュー作になります。
ポケミスは文庫本より少し背が高く本棚での納まりが悪いので購入は敬遠しがちだったのですが小説の舞台がヴェネチアとの事でなかなかこの地を描いた小説が少ない事とつい最近出張で現地を訪れて事もあって衝動買いしました。
物語は運河で流されたと思われる女性司祭の死体をきっかけに殺人が次々と発生し現地の憲兵と駐アメリカ軍少尉が事件の真相を明らかにするという単純なストーリーですが、舞台のヴェネチアの静かで優雅な雰囲気や事件の背景には国際的な紛争やネット上のバーチャル世界が絡んでおり主人公である二人の女性が陰謀に迫る様は欧州を舞台とした”ダビンチコード”や”ミレニアム”を彷彿とさせ大変に面白い出来で処女作とは思えない仕上がりです。
尚、本作は3部作シーリズとの事で既に後続2作品の英文での題名も発表されて居り早く2作目の刊行が待たれる所です。 -
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舞台はニューヨーク郊外の小さな街、高校生と中学生の二人の男の子を育てるシングルマザーが主人公。この街でスクールカーストの上位にいる人気者がひき逃げで亡くなってしまう。このひき逃げが普通ではなく落ちぶれたポップスターの車が強奪された時に起こった事件という設定。SNSの投稿などから主人公の長男が犯人とみなされ、この長男が芸術家肌でちょっと変わってることもあっていわばネットリンチのような状態になり一家も村八分になっていく。親として息子を信じたいのだが確かに怪しい言動が多くて…。一方で警察側にはやはりトラウマを抱える女性警官がいて、ということでちょっと登場人物を盛りすぎかな、という印象。警官側のトラウマはストーリーにそんなに関係ないし。あと真相の判明に至るところが安易というかちょっと都合よすぎかな、という気もした。という欠点があるけれどもそれら置いといて読ませる魅力がある。SNSとかネットの怖さであるとか、地域で孤立していく恐怖感であるとか、落ちぶれたポップスターの造形とか、そして一番は弟の描かれ方が良くて結果としては良い作品だと思いました。面白かった。
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イタリアが舞台の、濃~い国際謀略ものアクション・ミステリ。
三部作の二作目です☆
1作目で知り合った憲兵隊の女性大尉カテリーナ。
駐留米軍の少尉ホリーという二人の女性。
くわえて、SNS「カルニヴィア」の創始者ダニエーレ・バルボが再び活躍します。
米軍少佐の娘ミアが誘拐される事件が発生。
憲兵隊の大尉カテリーナは、前作で起きた問題で隊のなかで孤立していましたが、この捜査に加わることに。
ホリーもまた、少佐の家に急行。
軍人の家庭によくある、厳しい仕付けを受けて育った様子に気がつくホリー。
ミアが誘拐されたことに、カルニヴィアでの連絡が関係しているかもしれないと、協力を求められたダニエーレ。
カルニヴィアは、ヴェネツィアを模したネット上の架空都市。
完全に匿名で参加できることに価値があるのだが、自分は匿名で実在人物についてあることないこと書き込めるという点もあったり。
アメリカがいまだに行っている拷問方法に対する報復として、拷問される様子が公開される事態に。
はたして、その目的は抗議のためだけなのか?
一方、米軍基地の建設現場で、古い遺骨が発掘される。
アメリカがかってイタリアの政治体制に深く介入した過去が、しだいに明らかになっていく‥
軍人家庭に育ったホリーにとっては、自らの問題に絡んできます。
アメリカがそこまでひどいことを‥いや、やりかねない?
どこまでが公然の事実で、どこまでが推測、どこからが創作なのか。
男性作家なのにここまで女性を活躍させ、告発的な内容を含む作風は高評価できますが。
ちょっと、酷い目に遭い過ぎる‥
イタリアらしい美味しい食べ物や、ちょっとしたお洒落の話なども。
カテリーナの上司も含めた主要人物の関係性のややこしい変化が興味をそそり、とくに孤独なダニエーレとホリーの心の通い合いは、惹かれるものがあります。
読み応えは十分です。