奥村章子のレビュー一覧
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イタリアが舞台の、読み応えある怒涛のミステリ。
三部作の一作目です☆
ヴェネツィアのとある教会前で、司祭の格好で倒れていたのは実は女性。
それはカトリックの教会では今もあり得ないことだった。
捜査に当たるのは、憲兵隊の大佐ピオーラと、女性の大尉カテリーナ。
イタリアの警察というのは複雑で、憲兵隊と別な組織が張り合っているんですね。
米軍基地に赴任したばかりのアメリカ女性のホリー少尉も、捜査に関わってきます。
イタリアの基地育ちのホリーは、故郷に帰ったかのようなくつろぎを感じていたのですが‥?
ヴェネツィアっ子のカテリーナはすごい美人で奔放だが、野心家で何より大事なのは仕事。
ホリーはもっ -
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ネタバレコンピュータの中の都市カルニヴィア
この3部作の最終章には
これまでの全ての謎の因果関係が露わになる。
これまでと同様、実際にあった数々の事件や政治的陰謀を
織り交ぜて、古都ヴェネツィアを中心に
二人の女性イタリア憲兵とイタリア駐軍米軍少尉が
天才的ソーシャルネットワークの開設者とともに
謎を解き多くの市民を救う。
今回も、実際にあった事件が盛り込まれ、
赤い旅団、フリーメーソン、CIA、極右集団
バチカン、それぞれが絡み合う展開。
極右にも極左にも資金を流用させていたのは?
その狙いは?
現代の大きな弱点、サイバーテロは
どんな方法で?
グイグイ引き込む展開は素晴らしくスリリングで
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ネタバレこの物語のベビーシッターのゾーイと『ゆりかごを揺らす手』のベビーシッターのペイトンのイメージが重なっちゃったまま読んでた。
なんで「ホンモノのベビーシッター」じゃないのに、それまでの経歴をうまくごまかせるんだろう。
それができるなら身分の保証なんてムリってことだよねー。
っていうのが、この小説とかゆりかごとかに抱きつづけてたギモン。
だけど、この小説ではそこの「ナゾ」もちゃんと解明されてた。
この物語を展開させていくのは女性3人の視点。
ひとりは、海軍のエリート軍人の後妻となったクローディア。
前妻とのあいだの双子の男の子の継母となりながら、じぶんも女の子がもうじき生まれる臨月。
ケッコ -
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ヴェネチアをサイバー空間に再現したサイト、カルニヴィアと現実のヴェネチアを舞台に、天才ハッカー、女性警官、女性米軍士官の3人が国際的な陰謀に巻き込まれる。
こんな設定の3部作、カルニヴィアシリーズも本書で2作目。
何分、前作を読んだのが約1年前と言う事もあり、既にその内容はほぼ綺麗に忘れ去っておりますが、折角なので本書を読んでみました。
このシリーズ、カルニヴィアの絶対的ともいえる匿名性が世界各国の様々な立場の人間を引き寄せ、そしてヴェネチアを舞台とする陰謀が展開されるといった構図を持っているらしく、本作もその例外ではありません。
ストーリーは、米軍指揮官の娘の誘拐事件を中心に展開し、テ -
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ネタバレ本書はベネチアを舞台に、ベネチア貴族の引きこもり天才ハッカーとアメリカ軍の新人女性士官、情熱的なイタリア人女性警官の1男2女が、国際的な謀略に巻き込まれていくミステリー小説です。
カトリックが禁忌とする女性司祭の死体発見から始まるストーリーは、コソボ紛争をめぐる謀略、戦争犯罪、天才ハッカーが作ったバーチャル・ベネチア・サイト、カルニヴィアへの攻撃といった様々な要素が織り込まれ、これにアクションシーンやら上司との不倫やらが彩りを添えていると言う、
「ネタになるもの、突っ込めるだけ突っ込みました」的な"てんこ盛り"ストーリーでした。
これは本業が広告会社のクリエイティブ・ -
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面白かった。一気に読めた。これは良シリーズの予感。個人的偏見だが、ポケミスってもっと個性的な作品が多くなかったかな? 普通に人気の出そうな三部作をポケミスから出すって違和感ありあり。…てなことも考えながらの読書でした。
『ミレニアム』+『ダ・ヴィンチ・コード』という単純な発想ではあるが、前者ほどヴァイオレンス色はなく、後者ほど宗教色も強くない。事実に基づく歴史的背景に支えられた、完成度の高いサスペンス。
この歴史的背景がかなり堪える。北欧の社会問題にも通ずるので、作中では幾度と目にしてきたつもりだが、やり方が卑劣で冷酷。何でもありの内戦のどさくさに乗じて、アイデンティティーの確立に躍起にな -
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ネタバレ死にたかった彼女に与えられたのは決死のスパイ任務。
相次ぐ科学者失踪の謎を探るために、白羽の矢が立ったのは飛行機事故で命を落とした女性と同じ赤毛のヒラリー。彼女は失踪した科学者ベタートンの妻になりすまして中東に滞在する。旅の目的地がどこにあるのかわからないまま。
クリスティーあるあるの国際的陰謀に素人が挑む冒険小説ちょっぴりロマンス付き。いきなり素人がスパイ任務は無理だろうと思うけどヒロインに自分を重ねてみれば、これ以上楽しい設定もない。旅の途中で出会うさまざまな人物の裏を考えつつ、ロマンスだと思えば意気投合した若い男性がお相手なのは明白。夫の科学者が犯した殺人までは読めなかった。共産主義 -
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死への旅
クリスティの長編スパイスリラー。若い女性がアクティブに行動するスパイスリラーはクリスティのなかでもたくさんあるが、今回の様に死を望んでいたヒラリーが特殊な事から亡くなった科学者の妻を演じ、失踪した科学者を探す冒険をする作品。
クリスティのスパイスリラーを幾つか読んであるが、ヒラリーの冒険は面白いが、彼女が悪の親玉を暴く、大立ち回りをする様な作品ではなく、彼女自身の活躍はあるが、どちらかと言えば諜報部員たちの傀儡の様に行動している場面が多い。
終盤に立って、彼女の強さや賢さ、魅力が表現されるのだが、その場面が少なく少し物足りない。
反面、夫と別れ、子供とは死別してしまったヒラリー