明治カナ子のレビュー一覧
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1巻が気になるところで続いていたので、我慢できず読後に本屋へ直行。そして、2巻を読み終わって…やられました。涙が止まらない。
ラベルの魔法の力の未熟さに苛立ち、厳しさが増してしまうリーです。ラベルに王の姿を追ってしまうのが原因なんでしょうね。
そして、今回は王とリーの出会いから決別までがメイン。幼い頃の出会いから、「私の魔法使い」「私の王」と思う関係になるまでが丁寧に描かれています。
王の男としての成長ぶりがまぶしいほどです。
そしてままならぬ想いの顛末も悲しかった。
王国の存亡が託されているリーは自分の力では王の気持ちに応えることもできず、本心も伝わることなく、どうすることもできないのが切 -
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これはとても上質なBLだ。BLのジャンルを剥いでファンタジーだけで十二分に通用する。絵柄が物語に合わせて変化しているところも素晴らしく、明治カナ子さんが描いてなければ私自身は読まなかったかもしれなジャンルだが、だから余計に明治さんが描いてくれて、読めて良かったと思う。BL作家がBL以外のジャンルに進出して、青年誌や少女漫画誌で描くようになるご時世だが、この作品をBLと捉えず考えると、BL作家出身のベタなBLでない作品としては一番好きだ。
魔法使いリーの過去が少し垣間見え、王に対するリーの葛藤や愛の深さと共に、彼の底知れない孤独を感じ、胸が締め付けられる思いがした。可愛いラベル登場が少なかったが -
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SとMの関係性をここまで奥深く描いたBLを他に知らない。洋には総がケージを甘やかしてる風にしか見えないのかもしれない…確かに総はケージを壊れモノのように扱いながら、ケージの深層心理に根付いているM体質の部分も十二分に満足させてやってるんですが、外から見ると苛烈な性行為にしか見えなかったりもするんだろう。自分で痛めつけておいて手当てする=労わる喜び、ってのをSは持ってるもんなんだなぁ、って、この作品読んで奥深いなぁ、って思った。それまではSMなんてものは形式美くらいのもんだと思ってた。明治さん凄すぎます!!神経細かくて面倒見が良くて実は実直な性質がないと駄目だよな、Mを壊すだけでなんの実りもない
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カンちゃんが修に「愛情を貰い過ぎている」と思って悶々とする様など、感情面の複雑さをきちんと描いているのにくどくない。人間の精神世界がどうとか、理屈っぽさがないのに機微に描かれている。濡れ場もきちんとエロい、しかし無駄にエロくない。表情や肉体現象を実にエロく描いて下さる…ハマる!!!
世の中は殆どケース・バイ・ケースである程度潤滑に成り立つと思うが、BLはケース・バイ・ケースだけで描かれると面白くない。明治さんの『地獄行きバス』で、カンちゃんが修に貰ってばかりだ、って思うようになって、何か返さないと釣り合わない、と悩む時に、修がモノに執着するカンちゃんの存在そのものに癒されてたり愛情を膨らませて -
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初心者お断り!みたいな表紙やタイトルですが、明治カナ子の作風がすごく伝わりやすい収録作になっています。
今まで明治作品を読んだことがなかった人はぜひ読んでみてください。
表題作『地獄行くバス』からの4話あるカンちゃんと修(おさむ)のシリーズは、明治作品らしい個性的な甘ラブバカップル。すごく好き。面白かった。
やっぱりBL業界でもギャグを描くのは難しいんだなとあとがきで感じました。
『夜の女王』からの3話あるパニック障害(?)を持つ貴志(きし)のシリーズは、設定がものすごく暗いのにそんなことを忘れさせるコミカルな展開がまさに明治作品でした。
『夜の女王』だけ本誌で見たのでまさかこんな急展開し -
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三村家シリーズ第三弾にしてラスト。
敏の唇が忘れられない弓。
ふと帰った実家(田舎)で、彼への想いと自分の将来・進路について
見えてきたものもあり、不安定だった心にひとつ芯ができる。
一方、妹から「弓には好きな人がいる」と聞いた敏は、気が気ではない。
ギクシャクして隣りにいても落ち着かないばかりだった2人は
昔のように「一番近い幼馴染として」の居心地の良さを感じながら
同時に捨てられない相手への恋心に、迷ったり落ち込んだり。
この2人、さてどういう経緯を経て、無事にゴールイン?できるのでしょうか?
それにしても、敏と弓の初H、描写がすごかったです。
透けて見えるよ入れてるところ。
ぐり -
Posted by ブクログ
実は、明治さんコミックスは初読み。雑誌で見かけることはあったけど
たまたまほのぼの路線だったので・・・
こんなに生々しいアレとか、プレイ描写とか、アングルを描いちゃう方だと
思わず。エロイ!絵柄、結構可愛いのにびっくり(良い意味で)!
よく調べたら明治さん、成人モノも描いてたのね。納得。
長男が失踪した三村家の次男・弓に、幼馴染の同級生・敏はずっと
思いを寄せている。しかし弓の自分への好意は“恋愛”ではなく
報われない思いと欲望を、敏はずっと抱えていた。
ある時、敏は三村家の長男・角と出会い、弓とどこか似る面影のある
角と関係を持ってしまう。そのことから、弓とも距離を置こうとするが
弓は