いくえみ綾のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
少女マンガ誌・『別冊マーガレット』を中心に活躍するマンガ家、いくえみ綾の短編集。
短編集と言っても、表題作の『朝がくる度』がメイン。 ほかに短編が2作ほど収録されている。
わたしは基本的に少女まんがアレルギーだ。
恋愛をあまりにも露骨な形で主軸に据えられると、かなり違和感や嫌悪感を持ってしまう。
思春期や青年期にみんなが悩むこと 考えることは、なにも恋愛のことだけではないはずだ。
自分と他人はどう違うのか。
「他人」とは誰か。
自分のものさしではなかなか計り知れないその「他人」と、どう付き合っていけばいいのか。
そういった自分と外界との意識の往復の中で、恋愛という一種の人間関係についても考えざるをえなくなる、というのが自然な気がする。
いくえみ綾という作家は、悩み多き世代の複雑な回路をうまく描いていると思う。
だから、アレルギー体質のわたしにも、いくえみ綾の作品はあまり抵抗なく読めるのだろう。
彼女の作風自体、かなり「少女マンガ」というジャンルの枠から外れているといえば、そうなのかもしれないが…。
いくえみ綾の作品では、しばしば男の子が主人公になるのだが、彼らがおかしいくらいのリアルさを以って描かれていることに、いつも驚かされる。
この本の表題作『朝がくる度』の主人公も大学生の男の子だが、微妙な無力感やモヤモヤが「なんとなく」しっかりと炙り出されている。
絵柄もくどくなく、コマの取り方もあまり崩さないので、物語の展開とバランスが取れていて読みやすい。
男性の方にもお奨めしたい1冊。