ギ・ド・モーパッサンのレビュー一覧
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ネタバレそれ以下でも、それ以上でもない。人生のありのままを描いている。
突き放されたり、ひょんなことに救われたりそんなことばかりだ。
夫に浮気されること、可愛がってくれる両親に愛されること、宗教にすがったり諦めたりすること、息子に捨てられること、ロザリが恩を返し助けてくれること。
夢もなく恐れもなく( nec spe nec metu )がある。期待を予見するでもなく、なにかに怯えるでもなく、ただただ日々を生きる。ロザリが最後に残した言葉の延長線に、こんな考えを持てるのではないかと感じた。
それにしても女性の心の機微を描くのが上手い。初夜の夜など、恐怖と苦しさとわずかな期待と、どの女性もひそかに -
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この作品好きすぎる…!モーパッサンの人生における現実を浮かび上がらせる残酷なまでの冷徹な観察眼と、直接そうとは表現せずとも登場人物の心情の奥底まで読者の心に突き刺してくる表現技術によって、長編とは思えないほどあっという間に引き込まれ一夜で貪るように読破してしまいました。
はじめ完璧な男性に見えた夫ジュリヤンが、新婚旅行の最中から徐々にそのケチで小狡い性格を露呈していく描写のなんと面白いこと!それに対し、あれほど夢見がちにジュリヤンに恋していたジャンヌにその存在を「赤の他人」を言わしめるほど諦めに満ちた冷めた感情のなんとリアルなこと!
劇的な展開に引き込まれる作品でありながら、母親に裏切られ -
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ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい
Σ(゚Д゚)
なんだ…モーパッサンか…
奥さんに怒られてるのかと思った
「もう!父さん!」
はい、コツコツ光文社古典新訳文庫のお時間です
今回はモーパッサンの『脂肪の塊』です
おフランス文学ざます
ボンジュールマドモアゼール
シャトーブリアーン
フランクシナトラ―ン
ざます
実はこの『脂肪の塊』は先日読んだ月村了衛さんの『半暮刻』に登場する一冊なんです
主人公のひとりが過去に犯した罪と向き合い更生への道を歩み始めるきっかけとなった、物語の中で非常に重要な位置を占める一冊なんですね
ほんまかいな?
まぁまぁ酷いことやってます
刑務所にも入って -
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ジャンヌ結婚までの流れが早すぎて、残りページ数を考えても、悲劇が起きる予感はしていた。
ジャンヌがジュリアンへの愛が揺らぐシーンから雲行きが怪しくなっていった。新婚旅行でチップをあまり渡さなかったり、急に態度を変えたり。
夫婦の仲がだんだん冷めていく様子がリアル。ジュリアンの行動がいちいち蛙化現象を誘う行動なの勘弁してくれ…
ジュリアンもポールも控えめに言ってゴミクソ。ただ、ジャンヌの不幸を引き立てているという意味では一役買っている。
虚無な生活とはおそらくこういうジャンヌのような生活を指すのだろう。しかし、最後の最後でポールの赤ちゃんを連れてきたロザリのセリフからは、ほんの少しだけ希 -
購入済み
オルラが読みたくて購入しました。
精神疾患で亡くなったと言われる著者ですが、孤高の精神の持ち主であり、深さ、奥行きがあります。
「一滴の水の中に溶けて廻っている、このささいな泥土の上にいる人間」、肉体の機能不全から疲れきっている人間よりはるかに高等な、無色透明な来るべき存在がいるとし、
同時代のツルゲーネフについては、
「ポーやホフマンのように超自然の中にずかずか入り込んで行かなかった。ごくわずかに漠然とした、ごくわずかな不安を抱かせるような単純な話を語るだけ」と肯定的な意見も述べています。
学生時代になんとなく読み、なんとなく忘れられなかった著者を再読しています。
今 -
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ネタバレ夢あふれる貴族の少女ジャンヌ。幸せな結婚に恵まれて順風満帆に進んでいくかと思われた人生航路だが……。
世間知らずで受け身な女性主人公に、あまりにも男運がないとこうなる、というようなペシミズムあふれる一作。下世話な展開が興味を引くのと、ノルマンディーという舞台のゆえなのか風景描写が魅力的で、非常に読み応えがある。吝嗇すぎる夫と借金を重ねる放蕩息子の対比、夫にも息子にも恵まれたロザリとジャンヌの対比が、人生の真実の一端を見せてくれたと思う。
自らの不幸を宿命や運命のせいにし、生きる意欲を失うジャンヌを、ロザリが叱りつけるシーンが印象深い。年をとってもあまりに世間知らずなジャンヌに読者としては幻 -
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ネタバレ今となっては個々人が独立して自由に生きている印象が強いフランスにも、女性が自分の意志では何も決められない時代があったんだなあと、最初から最後までなかなかの衝撃を受けながら読んだ。一回では物足りなかったので読み終わってすぐ二周目に突入。さすがフランス人、事あるごとに接吻するなあと思って「接吻」というワードを最初から全部数えてみたら77回だった。言うほど多くなかったジャンヌ。
思春期のほとんどを学校にも行かず家と修道院で過ごし、修道院を出た直後にほとんど何も知らない相手と結婚。最初感じた熱烈な恋に落ちたような感覚は所詮幻想で、度重なる夫の不貞で結婚生活は早々に破綻。一人息子は家族総出で甘やかし -
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ずっと読んでみたかった古典
最近この光文社古典新訳文庫の本をよく手に取ります
すごく読みやすい
他の訳を読んだことないので、この作品が特に読みやすいのかもしれないけど
純潔に育てられたジャンヌが、恋をし結婚、夫の不貞行為に悩み、親の死も経験する
愛する息子は、手紙で金を無心してくる
ジャンヌが過酷な人生を生き抜く
リゾン叔母さんが良い役どころで、
ジュリアンがジャンヌに優しく
「足が冷たくはありませんか」と尋ねたことに
「私は、誰からも、一度もそんなことを言ってもらったことがない」
と泣く姿が哀れな印象があったけど
最後の方になると、独り身は極端な不幸に会うこともなく、自由に動けることが、 -
Posted by ブクログ
ネタバレまさに激動の女の一生の物語。ジュリアンのくずっぷりにややイライラしながらも次はどうなることかとページを繰る手が止まらなかった!
そうしたハラハラドキドキの波瀾万丈な人生に寄り添うレプープルの風景を甘美な情景にも寂寥とした情景にも描いているのが巧みだと思った。ジャンヌの心情の変化を暗示しているのはもちろんのこと、波乱に満ちた一人の女の人生とそこに変わらずあり続ける自然を対比しているのかしら。
それから、この作品の面白いところは19世紀の貴族の女性を主人公にしながらも、現代にも十分つながる物語であること。結婚後ふとした時に感じる夫との価値観の相違には「わかるわかる」と、まるで女友達と話す時のように -
Posted by ブクログ
ネタバレ久々に良い本読んだ…ありがとう…ありがとう… 対極のロザリとジャンヌ…ふたりともなんの判断も選択もないまま生きて来たけど偶然に2人とも変わっていく…
ジャンヌが受身すぎるって酷評されてたけどでもちゃんと生きてないかな、って思った。ジャンヌしっかり自分の人生生きてるだろ…?って思いながら読んでた。つらいことがあってもそれでも。あとがきに私が言いたかったことが上手く書いてあったから引用すると、「そんなに簡単に自分の力でものごとを選択したりできないものじゃないか」っていうこと
まぁ受け身と感じられなかった私にもちょっと問題あるのではとは思う。確かに夫がクズすぎるけれども、キリスト教社会でそう簡単に -
Posted by ブクログ
「朝ドラ」ことNHK『連続テレビ小説』題材によくある
「波乱万丈な女性主人公の半生」もの
小説分野でいうなら女性が主役の教養小説
というものの古典
フランスの田舎の田園に生きたある女性の半生
書かれたのは1880年くらい
なので「女性」というものの扱いが現在とはいろいろ違うと思われる
題名の『女の一生』は大正二年に和訳されたとき付けられたらしいが
現在だったらこの題名にはならないのでなかろうか
「女性の生涯とはだいたいこのようなものであるとして、作者から客観的に外からながめられている」
というように解説には書いてある
ほほう
「朝ドラ」のようなものは小説の分野でいうなら何にあたるのだろうか