ギ・ド・モーパッサンのレビュー一覧
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人生は、ままならない。
ハッピーエンドで終わる物語が好きで、報われない物語に対して毛嫌いをしていた。けれど、人生は不平等で不公平なのが普通であり、その現実を教えてくれた作品の一つでもある『女の一生』は、お気に入りになった。ジャンヌがレ・プープルにやってきた時の夜の思い出に浸っている時、この世界に喜びも幸福もないということがありうるだろうかと訝しんでいる描写が印象的であった。どれだけ辛いことに直面していたとしても、何かしらの過去の嬉しい出来事がいつかの自分を救ってくれる、そんな気持ちにしてくれたからだ。人生にはどうしようもないことがたくさんあるけれど、過去の嬉しい出来事が生きる活力を与えてくれると信じて、感情に左右されることなくありのままを受け入れて生きていきたい。 -
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ネタバレこの本は大学生くらいまでによんだほうがいい!とおもいながら
ありきたりなタイトル?からは想像もつかない普遍でありそうでないような展開。
本の帯もあらすじもなにもなくよんだほうがいいとおもう。
最後のロザリの境地になれるのは相当な晩年かもな。これは語りたい。とおもいました。
にしても,主人公ジャンヌは40代半ば。作者は33歳のときに、これを書いている。どういう事?とおもいました。
物語でない素顔の人間の姿。というかんじ。宗教観や村の様子もこんなかんじだったんだろうな。だれが悪いとかいいとかでなく社会制度やお金に振り回されていてはらはらした。 -
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ネタバレそれ以下でも、それ以上でもない。人生のありのままを描いている。
突き放されたり、ひょんなことに救われたりそんなことばかりだ。
夫に浮気されること、可愛がってくれる両親に愛されること、宗教にすがったり諦めたりすること、息子に捨てられること、ロザリが恩を返し助けてくれること。
夢もなく恐れもなく( nec spe nec metu )がある。期待を予見するでもなく、なにかに怯えるでもなく、ただただ日々を生きる。ロザリが最後に残した言葉の延長線に、こんな考えを持てるのではないかと感じた。
それにしても女性の心の機微を描くのが上手い。初夜の夜など、恐怖と苦しさとわずかな期待と、どの女性もひそかに抱えている思いが詰まっているのではないだろうか。そんなふつふつと心で煮え切らなかった部分を物語で言語化してくれてなんだかすっきりしたような気持ちになった。
恋愛の話。恋はどうわきあがり、恋にどう失望し、結婚にどう折り合いをつけて行くか。
家族の話。親、配偶者、子供、ペット。
お金の話。日々をどう生きるか、お金をどうやりくりするか。資産をどうするか。
社会階層の話。身分の違い。男爵、公爵、使用人、農民、聖職者。
景色。家の家具や、匂い。庭の並木道。海があったり、岩があったり、森があったり。日常に囲まれた景色ってこうだよなあと引っ越しのシーンで共感した。雨が降ったり、波が荒れたりして、都会に住む私は自然と共にある景色とか生活って素敵だなあって感じた。(と同時にそんなに綺麗じゃなかったり大変な季節もあるのだろうけど)
あと人生でたくさん旅行したいなと思った -
Posted by ブクログ
この作品好きすぎる…!モーパッサンの人生における現実を浮かび上がらせる残酷なまでの冷徹な観察眼と、直接そうとは表現せずとも登場人物の心情の奥底まで読者の心に突き刺してくる表現技術によって、長編とは思えないほどあっという間に引き込まれ一夜で貪るように読破してしまいました。
はじめ完璧な男性に見えた夫ジュリヤンが、新婚旅行の最中から徐々にそのケチで小狡い性格を露呈していく描写のなんと面白いこと!それに対し、あれほど夢見がちにジュリヤンに恋していたジャンヌにその存在を「赤の他人」を言わしめるほど諦めに満ちた冷めた感情のなんとリアルなこと!
劇的な展開に引き込まれる作品でありながら、母親に裏切られたあの永遠の別れの夜の情景や、引っ越し準備の際に育った家の思い出を名残惜しむジャンヌの言動など、とにかく何気ないひとつひとつの文章にハッとさせられます。彼女の行動から、感情表現などほとんどなくても、その悲しみや失望、喪失感が胸に迫るのです。
生きる時代も国も家族もまるで違うのに、どうしてこんなにもジャンヌの人生がまるで自分のことのように感じられるのでしょうか。物語そのものが面白いのはもちろん、文学の尊さを感じられる作品でした。
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ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい
Σ(゚Д゚)
なんだ…モーパッサンか…
奥さんに怒られてるのかと思った
「もう!父さん!」
はい、コツコツ光文社古典新訳文庫のお時間です
今回はモーパッサンの『脂肪の塊』です
おフランス文学ざます
ボンジュールマドモアゼール
シャトーブリアーン
フランクシナトラ―ン
ざます
実はこの『脂肪の塊』は先日読んだ月村了衛さんの『半暮刻』に登場する一冊なんです
主人公のひとりが過去に犯した罪と向き合い更生への道を歩み始めるきっかけとなった、物語の中で非常に重要な位置を占める一冊なんですね
ほんまかいな?
まぁまぁ酷いことやってます
刑務所にも入ってます
最終的には暴力団員です
それがこのモーパッサンの中編読んだだけでぐわわわ―んてなる?
ほんまかいな?
と思ったら自分で読む!
まずは読む!読んでみるざます!
こういうところよね
ひまわりめろんさんの凄いところは
すぐ読むもの
ほんと見習ってほしい
全日本国民に見習ってほしい
で読んだ結果
ある!
これはワンチャンあるで!
ぐわわわーんなるで!
そのぐらいのパワーをもった作品でした
もうなんかふつふつと湧いてくる感じ?(仏国とかかってます)
血がたぎる感じよ!ムガー!
これは読んでみてほしい
『半暮刻』に★5付けた人は特に読んでみるべきざますよ!
わかった?
ウィー!ムッーシュ!(声を揃えて) -
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ジャンヌ結婚までの流れが早すぎて、残りページ数を考えても、悲劇が起きる予感はしていた。
ジャンヌがジュリアンへの愛が揺らぐシーンから雲行きが怪しくなっていった。新婚旅行でチップをあまり渡さなかったり、急に態度を変えたり。
夫婦の仲がだんだん冷めていく様子がリアル。ジュリアンの行動がいちいち蛙化現象を誘う行動なの勘弁してくれ…
ジュリアンもポールも控えめに言ってゴミクソ。ただ、ジャンヌの不幸を引き立てているという意味では一役買っている。
虚無な生活とはおそらくこういうジャンヌのような生活を指すのだろう。しかし、最後の最後でポールの赤ちゃんを連れてきたロザリのセリフからは、ほんの少しだけ希望が見えた気がした。 -
購入済み
オルラが読みたくて購入しました。
精神疾患で亡くなったと言われる著者ですが、孤高の精神の持ち主であり、深さ、奥行きがあります。
「一滴の水の中に溶けて廻っている、このささいな泥土の上にいる人間」、肉体の機能不全から疲れきっている人間よりはるかに高等な、無色透明な来るべき存在がいるとし、
同時代のツルゲーネフについては、
「ポーやホフマンのように超自然の中にずかずか入り込んで行かなかった。ごくわずかに漠然とした、ごくわずかな不安を抱かせるような単純な話を語るだけ」と肯定的な意見も述べています。
学生時代になんとなく読み、なんとなく忘れられなかった著者を再読しています。
今はあまり読む人も少ないかもしれませんが、新しい発見ばかりでうれしいです。
こうして電子書籍で再会できる著者がいるのもありがたいです。
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ネタバレ夢あふれる貴族の少女ジャンヌ。幸せな結婚に恵まれて順風満帆に進んでいくかと思われた人生航路だが……。
世間知らずで受け身な女性主人公に、あまりにも男運がないとこうなる、というようなペシミズムあふれる一作。下世話な展開が興味を引くのと、ノルマンディーという舞台のゆえなのか風景描写が魅力的で、非常に読み応えがある。吝嗇すぎる夫と借金を重ねる放蕩息子の対比、夫にも息子にも恵まれたロザリとジャンヌの対比が、人生の真実の一端を見せてくれたと思う。
自らの不幸を宿命や運命のせいにし、生きる意欲を失うジャンヌを、ロザリが叱りつけるシーンが印象深い。年をとってもあまりに世間知らずなジャンヌに読者としては幻滅してしまうが、金の無心ばかりする息子を溺愛する姿は悲しくて責められない。夢破れて失望のままに生きる彼女の最後のよすがなのだ。いっぽうで夢を見ることさえない身分であったがゆえに、夢破れることもないロザリの堅実さ。女の一生とは、と考えさせられる。そして、最後の一文が深く胸にしみた。 -
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ネタバレ今となっては個々人が独立して自由に生きている印象が強いフランスにも、女性が自分の意志では何も決められない時代があったんだなあと、最初から最後までなかなかの衝撃を受けながら読んだ。一回では物足りなかったので読み終わってすぐ二周目に突入。さすがフランス人、事あるごとに接吻するなあと思って「接吻」というワードを最初から全部数えてみたら77回だった。言うほど多くなかったジャンヌ。
思春期のほとんどを学校にも行かず家と修道院で過ごし、修道院を出た直後にほとんど何も知らない相手と結婚。最初感じた熱烈な恋に落ちたような感覚は所詮幻想で、度重なる夫の不貞で結婚生活は早々に破綻。一人息子は家族総出で甘やかしすぎたせいで立派なろくでなしに成長。男性や年長者や司祭に言われる「こうすべき」に忠実に従ってきたジャンヌは、大人になっても、自分が何をしたいのか、自分にとっての幸せとはなんであるかがわからない。考える能力もない。唯一自分を必要としてくれた幼い我が子に執着の照準を合わせて付き纏い、その子が成長と共に離れていくと、加速する老いの中でただただ孤独と絶望を深めていく。天真爛漫で快活だった少女がそうして落ちぶれていく過程は、読んでいて辛いけれど、なんら想像に難くはない。母親が隠し遺していた古い手紙を読んだ彼女が家族の過去を知って震撼するシーンがあるけれど、当時は彼女のみならず周囲の女性たちもみな同じような状況だったから、それ以外の生き方があるという可能性に思い至ることすらなかっただろう。
物語の終盤はジャンヌの情緒不安定さがなかなかのホラーだった。自然の美しさに歓喜したと思えば分かち合う相手がいないと打ちひしがれ、かつての友と昔を懐かしんでいたと思えば過ぎ去った日々への寂しさと悲しさで咽び泣きながら深夜に家中を彷徨い歩く。わたしはこうならないように生きたいなあと読みながらずっと思っていた。
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Posted by ブクログ
ずっと読んでみたかった古典
最近この光文社古典新訳文庫の本をよく手に取ります
すごく読みやすい
他の訳を読んだことないので、この作品が特に読みやすいのかもしれないけど
純潔に育てられたジャンヌが、恋をし結婚、夫の不貞行為に悩み、親の死も経験する
愛する息子は、手紙で金を無心してくる
ジャンヌが過酷な人生を生き抜く
リゾン叔母さんが良い役どころで、
ジュリアンがジャンヌに優しく
「足が冷たくはありませんか」と尋ねたことに
「私は、誰からも、一度もそんなことを言ってもらったことがない」
と泣く姿が哀れな印象があったけど
最後の方になると、独り身は極端な不幸に会うこともなく、自由に動けることが、
もしかして幸せかもしれないと読んでいて思えました
そして最後のロザリのセリフ
「人生ってのは、皆が思うほど良いものでも、悪いものでもないんですね」 -
Posted by ブクログ
ネタバレまさに激動の女の一生の物語。ジュリアンのくずっぷりにややイライラしながらも次はどうなることかとページを繰る手が止まらなかった!
そうしたハラハラドキドキの波瀾万丈な人生に寄り添うレプープルの風景を甘美な情景にも寂寥とした情景にも描いているのが巧みだと思った。ジャンヌの心情の変化を暗示しているのはもちろんのこと、波乱に満ちた一人の女の人生とそこに変わらずあり続ける自然を対比しているのかしら。
それから、この作品の面白いところは19世紀の貴族の女性を主人公にしながらも、現代にも十分つながる物語であること。結婚後ふとした時に感じる夫との価値観の相違には「わかるわかる」と、まるで女友達と話す時のようにジャンヌに同調したくなったし(決して夫はあんなクズじゃないけど)、子どもを拠り所にするあまり過保護になる様子は今でいう「毒親」そのもの。橋田壽賀子が描くドラマにありそうだと思った(笑)
職業柄なのかつい物語に因果を求めて読んでしまう癖があるようで、ジャンヌの運命の残酷さの要因を清廉潔白さに求めたり、最後の結末に「なんとか報われたね」と思ったりした。だからこそ、ロザリの「人生は良いものでも悪いものでもないですね」という最後の言葉にはハッとさせられた。