ギ・ド・モーパッサンのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
自ら人生を切り開いて自由に生きている人間なんて、本当にいるのでしょうか。ほとんどの(本当はすべてと言いたいところですが…それは断定できないので)人間は、周りの環境や他人の影響によって、常に影響され、流されながら生きているのではないでしょうか。
だからと言って、人生というものがなんてつまらないのだろう、とか、生きる意味なんてないのではないか、と言いたいのでありません。おそらくモーパッサンも、この長編小説を書きながら、彼自身はたいへんなペシミストではあると思いますが、人生の意味や、自分の中にある生きたいという気持ちの理由を見つけようとしていたのではないかと感じるのです。
僕はむしろ、人生のそういうかなしくて、つらくて、みにくい側面を知らずに生きている人の幸せは、本当に幸せなのか、そして、その人の抱く他人に対する善意や思慕や愛情は本物なのだろうかと思ってしまいます。これは、個人的な価値観を押し付けてしまうことになりかねないので、なんとも言いにくいことではあるのですが。少なくとも僕は、そういう良さしかもたない人間は、自分の悪に気がつくことができないでいるのだと思います。
感想というよりも、なんだか自分の人間観を綴ってしまう形になってしまいましたが、この「女の一生」というモーパッサンの長編小説を読むことによって、人間というものについて(というとなんだか哲学的で小難しい感じがしてしまいますが…そんなことはなく素朴に)考えることができるように思います。
この本はまた、「光文社古典新訳文庫」から2011年の3月に出された新訳で、とても読みやすいです。すこし分厚いかな…と読書が苦手な方は(僕もそうでしたが)思われるかもしれませんが、難しい内容でもないので、意外とするする読み進められます。ぜひご一読を。 -
Posted by ブクログ
あまり人生をつんでいないからわからないけど、人生ってこんなものだよな。
ジャンヌの描写が、時を経るにつれて、すぐ数年後とかになって時間的な解像度が減ったり、過去を振り返るシーンが増えていったり、またジャンヌの目に映る景色や日常の風景も暗く薄いものとなっていくのが印象的だった。逆に、前半部分の無垢なジャンヌが人間の悪意や俗っぽさに触れていくにつれて失望していくシーンが読んでて辛くなったりすることもあったが、逆に自分がこの先こういった体験をしていくのかなとも思った。
一般的に歳をとると人間は錆びついてきて、空虚な日々を過ごすのだなということは分かっていたが、そういった認識に現実感を与えてくれるような作品だった。
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Posted by ブクログ
学校卒業からの、夢の人生の始まり、自分の人生の始まり、と思いきや、あっけなく出会い結婚、人生に翻弄される貴族女性の話。
原初のタイトルは Une vieということ。
本当にいろいろ起きて、場面によって喜劇であり悲劇。
主人公の女性の周りにもさまざまな登場人物がいて、その女性はそのうちの一つの生き方、そのような一つの人生についての視点として読めるのかなと思う。
多分楽しんでいるときもあるけど、割と一貫して悲劇が印象的。女性を翻弄する人間関係とは対照的に、自然や情景の描写は、読者にも少し安らぎを与える。
解釈によって人生は悲劇になり喜劇になり、重要なのはその人自身の解釈なのではないかと。 -
Posted by ブクログ
この著作を端的に表すなら、独身の人が周りの人からなんで結婚しないの?って聞かれてうざいなと思ったら「結婚したって『女の一生』みたいになるだけだから。」と答えてもいいくらいの、暗い作品。最後のオチだって、一応絶望エンドではないけれども、いい方向に向かうのかこれ…?と疑問に思わざるを得ないような終わり方だ。
最初の段階で、両親(特に父親)に純粋純潔に育てられて修道院を出たお嬢様、という描写でもう悪い予感しか無いと思ったが事実そのとおりに。
だが皮肉にも、主人公の状況がひたすら暗いほうに転がっていくに従って話の内容としては面白くなっていくと個人的には思う。この当時では女の人生なんて生まれた家と配偶者次第なんだろうけど、現代であればいくら容姿に恵まれてもちゃんと自分の頭で考えて行動しないと痛い目に遭う、というような結果になっているからか。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ積ん読になってて、映画化されたので、読もうと思った。
どちらかというと★2つ寄り。
女の一生じゃない。原題とは異なる。
寄宿学校を出てから、40代半ばまでのジャンヌの話。
結婚とは何なのか。
出会ってすぐに恋に落ち、瞬く間に結婚。
何の知識もなく、初夜で失望。
夫の不倫。
この夫は酷いな。最後はざまあって思ったけど。
あの転がるところの描写は凄惨さが伝わる。一番印象に残った。
子供への甘やかし。過干渉。親を利用する大人の出来上がり。
子育ての失敗が跳ね返ってくる。
不幸なジャンヌ。
夫については同情したけど、子供についてはそりゃあ仕方ないなと思えた。明らかに甘やかしだもの。
生きがいが何もなくて一人ぼっち。
思考が停止、鬱みたいになってるんだろう。
ロザリの言う通り、食べ物もあって息子は生きてるし、何を言ってるんだって思ったな。
自分が一番不幸と思っている。狭い中でしか生きてないから。
最後もどうなんだろう。
そこに落ち着くのか。
依存的な傾向がなくならない限りこの後も不幸だろうなぁ。
最後は強く生きていく方向になるのかと期待してどんどん読んでたのに、ガッカリした。
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田舎出のデュロアは元アフリカの騎兵隊下士官だったが、一旗挙げようと軍隊を辞めフランスに。しかし鉄道会社勤めでお金がなく、日々を窮していた。ある日、アフリカでの騎兵隊仲間だった新聞記者フォレストに会い、チャンスをつかむ。人一倍ハンサムなディロアは、フォレスト家に集まる上流社会の女性達に愛されて、その助けを受けながらチャンスを広げてゆく。愛と資産と名誉を求め、次々と成功の階段を上ってゆく。そのたびに女性の愛を裏切り、別の愛に求め、移ってゆく。//愛人たちとそれらの夫とデュロアの関係がとても面白い。新聞業界やフランスの上流社会のモラルと倫理のなさがリアルに描かれていて興味深い。でも、物語としては面白いが、人生はそれだけなの?真実もあるのでは?という疑問も抱かせる。