ギ・ド・モーパッサンのレビュー一覧

  • 脂肪の塊/ロンドリ姉妹~モーパッサン傑作選~

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    バラエティ豊かな作品群。当時のフランスの風情を感じさせとても興味深い。
    お気に入りはロンドリ姉妹。主人公にとってとてもわくわくするような物語。題名の意味が終盤で明かされるなどのミステリー要素も良いです。脂肪の塊は、違和感のあるタイトルとはいえ、人間の身勝手さを浮き彫りにする物語。マドモアゼルフィフィは教会の神父が意外なキーパーソンであるところが好きです。
    痙攣、及び持参金はそこで終わるんですか?とある意味衝撃的。
    短編も含め読みやすく、他の作品も読むたくなる。

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    2021年07月25日
  • 女の一生

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    思っていたよりは読みやすかった。
    良妻賢母がよしとされる時代の女性の人生について、非常にリアルに感じることができた。
    「夫に恵まれなかった」という考え方はイスラムの物語でも見かけたことがあるけれど、そんなことを理由に自分の人生を振り回されたくないよね。
    フェミニズムの議論の題材にも使えそう。
    読んでそのまま、ではなく誰かと議論したくなる作品。

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    2021年03月10日
  • 女の一生

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    ネタバレ

    さいしょはとても希望に溢れている人生が、不幸なことが重なり人を変えてしまう物語。
    それでも生きているだけジャンヌはえらいと思うし、よくがんばったと思う。旦那と息子に恵まれなかったが、最後にはすこし希望がうまれてよかった、、
    どうかジャンヌが些細な幸せを感じていられますように。

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    2020年10月04日
  • 女の一生

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    (01)
    ある女性の半生が14章に分けて描かれる。同時にレ・プープルと呼ばれるノルマンディー地方の家の物語(*02)でもあり、一人娘の彼女のために男爵が用意した屋敷がその半生を包み込み、放り出す。
    母、父、夫、子や叔母(*03)といった親族のほかにも、使用人や夫の愛人、友人、司祭、犬や馬といった人物や動物も登場するが、それほど多くはない。視点はいつも女主人公ジャンヌのまわりにあるが、いっとき、彼女のまわりを離れることがある。近隣に住むフールヴィル伯爵は、ジャンヌの夫ジュリヤンと自分の妻が不貞を働いている現場をのぞき、怒りに任せた蛮勇を奮う場面である。第10章のこの場面までの時の流れはややゆった

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    2020年07月09日
  • 女の一生

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    中学生の頃、こんなに面白い本があったのか!と思った女の一生。大人になって読んで、暗くて絶望しそうな内容だった。確か中学の頃は最後の場面に涙したのだが、今回はへぇといった感じで、感受性の強い時期の読書体験は貴重だったと思った。今は、何度も繰り返す展開の巧みさに気を取られてしまう。Une vieが ある命 とも訳せるという解説を見て、原語で読む人々は同じ本を読んでもまた違うことを感じるのだろうなと羨ましくなった。

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    2020年04月03日
  • 脂肪の塊/ロンドリ姉妹~モーパッサン傑作選~

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    相変わらずお気に入りの作者なんだけども、作者を語る上での、「冷徹」「冷酷」っていうのがいまいちピンと来てなかったが、この作品集は結構堪能できたと思う。自分が思うに、サイコパス的に病的に女性を嫌い嫌悪してるのではなく、美女が震え上がって恐怖におののいたり、絶望にうちひしがれたりした時の、より美しさが際立つ様子へのフェテシズムを根っこに感じる。しかし現代は色々めんどくさくて、ブサイクな女性はなんなの?勘定に入ってないんかいな?!とか色々うるさく言われそうで、なーんか、現代は情緒がないよな。

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    2020年01月04日
  • 女の一生

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    京都〜山形への新幹線で一気に読んだ。超おもしろかった。
    「アンナ・カレーニナ」のアンナも、この「女の一生」のジャンヌも(あと他にもいた気するけど」、テンション上がり下がり激しくて情緒不安定気味で美しくて無垢で無邪気で無知でなんか不幸。ヨーロッパの貴族って皆こういう感じなの?そんな彼女たちに共感して心寄り添わせることなんて普通に考えてできないんだが、何故か、できるんです。モーパッサンすごい。
    最初ジャンヌが恋に恋して、恋の歓びにおののく場面、素晴らしかった。読んでるだけで光が差してきそうだった。でも美しい場面だからこそ、だいたいのあらすじ分かってるからか、のちの不幸な人生との対比が際立ってしまっ

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    2019年07月18日
  • 脂肪の塊/ロンドリ姉妹~モーパッサン傑作選~

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    モーパッサン面白い!!!
    全体的になんとなく明るい印象で、スイスイ読める。作者が登場人物たち馬鹿にしている感じがあって、どれも乖離的態度で描かれているところが一連のユーモアや滑稽さの秘密かな。

    短編・中編ともにどれも面白かったけど、「散歩」の最後の、
    「・・・それは、巨人の呼吸にも似た、パリの息吹だった。」
    というところ、まるでモネが描いたパリの絵を見ているような気持ちになった。

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    2019年04月22日
  • 女の一生

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    高校生の時に読んで、ここまで悲惨な人生ってある。。?て絶望的な気持ちになったのを覚えてる。てか主人公世間知らずすぎてだな。。あそこまで子どもに依存しちゃダメ。。夫も子どもも酷いんだけどさ。。でもさ、こういう人って現代にもいっぱいいるんだよなあ。モーパッサンの書く宗教性とか、私には理解しきれないところもあるんだけど、複雑で暗い人間味の部分の表現が、今も共感しやすいんだよね。フランス語でも読んだ最初の小説。

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    2019年03月02日
  • 女の一生

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    ネタバレ

    何か問題に出会ったとき、泣いたり悲しんだり、頼ったりするのではなく、ちゃんと逃げずに問題に立ち向かわなければダメだ。そうじゃなきゃ、惨めな事態に陥っても、何も解決しっこないのだ。ジャンヌは、夢みがちで、感情の振り幅が広く、純粋な女性だ。母性愛を深く持っていて、美点はある。ジュリアンとくっついてしまって、あいつがどーしょもないのは不運としか言いようがない。でも、子供の育て方はどうにも良くない。スポイルしている。台無しにしてしまっている。一方、ロザリは、最低な主に手込めにされ、妊娠し、あげく追い出されたにも関わらず、人情深く、優しく、賢く、器がでかい。ジャンヌが、屋敷の家具を売ったお金3600フラ

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    2018年01月02日
  • 女の一生

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    モーパッサンの代表作。読んだことがない人も題名くらいは知っているほどの作品。恥ずかしながら初めて読んでみて、意外に読みやすいこと。情景や環境は違えど、描かれている内容そのものは、今でも受け入れられるストーリー性に驚いた。人の悩みは古今東西変わらぬものなのね。

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    2016年10月10日
  • 女の一生

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    最後ハッピーエンドっぽい締めくくりだが、
    その後幸せに暮らしてそうな気がしない終わり方。
    過保護というか、世間知らずに育ってしまったことは不幸なのか。

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    2015年12月20日
  • 女の一生

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    厳格なカトリック主義に沿う生き方と、奔放で世俗的な生き方の絡み合いと対比。

    自然主義・多神教的な考えを持つお父さんが何故一人娘を厳格な教会付属の寄宿学校に入れてわざわざ貞淑な世間知らずに育てようとしたのか、そこが不可解でしたが、娘だからそうしたのであって、もしも一人息子を持っていたら別の育て方を選んだのでしょうか。

    性的に奔放な社会に強い嫌悪感を感じる世間知らずで純粋な主人公。素敵な男性と出会ってすぐに結婚しますが、ハネムーンから戻ると夫は本性を表します。結婚はどんどん悪い方向に転がっていき、最後には主人公は何も悪いことをしていないにも関わらず一人ぼっちになってしまいます。弱り切った主人公

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    2015年10月25日
  • ベラミ

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    ざ・俗。ばかばかしすぎて楽しいです。さsyがにスピード感とか、展開の面白さ表現の良さは古典だけあります。

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    2013年07月26日
  • 女の一生

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    確かに、モーパッサンが師事したフローベールの「ボヴァリー夫人」に似たところが多いのですが、受ける印象は違います。私としては、文章にハードボイルド小説のようなドライさを感じました。劇的なドラマがあるわけではなく、主人公・ジャンヌも決して感情移入しやすい人物造型ではないのですが、でも人生ってこんなものだよね。と、共感や同意できるところも多いです。若い世代にはピンとこないかもしれない老成した物語ですが、これが著者が33歳の時の作品と知り驚き。モーパッサンは他人より倍の速さで生涯を送った人なのかもしれませんね。

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    2013年05月31日
  • 女の一生

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    表題が、女の一生であれば、反面教師というか、読んでウンザリするような主人公ジャンヌの生き方が目に付く。
    ただ、原語のフランス語で題名を訳すと、そこには女とも男とも入らないらしい。つまり、ある誰かの一生。そう捉えて読むと、ラストの女中ロザリの台詞、なんて達観したつぶやきか!いっきに自分ごとかさせられる。
    捉え方ひとつで読み方がこんなにも変わる、古典の奥深いところです。

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    2013年03月17日
  • 女の一生

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    ジャンヌすごいかわいそうだけど、自分にも非があるから子どもがしっかり育つことはなかった。ロザリのことを何十年も経ってから許して、ロザリもものすごく献身的にジャンヌに取り組んでいるところはよかった。

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    2012年01月13日
  • 女の一生

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    ある女の一生をたどった物語。
    夫に裏切られ、愛情を注いだ子供に裏切られ、絶望してしまう女の様子は、みじめでもあり共感できる部分もあった。
    古い作品とは思えない。みずみずしい作品だった。

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    2011年12月05日
  • 女の一生

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    読んでいる最中はジャンヌに感情移入して、不幸の人生を生きているかのように錯覚するが、読み終わってふと振り返ると彼女の人生はありきたりな人生である。
    ジャンヌが夫に浮気されたとき、激昂した彼女の父をなだめて牧師は言った「ねえ、皆同じようなことをやっているんですよ。だからといって、あなたの奥様が不幸だったとか、奥様への愛が減ったとか、そういう話じゃないわけでしょう」と。
    そのとおりなのだ、みんな間違えることはあるし苦労している。苦しくて苦しくて死にたくなるほどつらい出来事があったとしても、あとから思い出すとなんてことはない人生の一部である。

    彼女はささいな幸せを認められなかったのだ。夫とうまくい

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    2011年09月20日
  • 女の一生

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    人生の悩み、女性の愛憎は国も時代も超えるものだと実感。
    落ちて行く主人公が滑稽でもあり、共感してしまうと苦しくもなる。
    特に最終局面で息子に利用されているのをわかりつつ、信じる気持ちを捨てられない主人公が切ない。

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    2011年08月28日