小笠原豊樹のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
うーん、先に他の傑作を読んでいたせいか、どうも退屈というか、凡庸というか、そういう感は否めなかったような気がする。
個人的にはヒューマニズムってあんまり好きじゃない。
ある哲学者が「ドストエフスキーは哲学的にあまり掘り下げたものでもないから、今では読む気がしない」というようなことを述べていたが、そういう部分は如実に感じた。
この作品は思想という面ではあっさりしたものなのだが、作中の哲学批判なんかは自分も普通すぎて面白くも何ともなかった。
ドストエフスキー的・ロシア的なものを平均化して分冊せずに1冊にまとめたような作品だとは思った。
当時は相当受けが良かったそうだが、それには納得。