小笠原豊樹のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
レイ・ブラッドベリはSF作家なんだと勝手に思っていたけど、実際この短編集の半分以上はSFじゃなかった。ファンタジーであったりヒューマンドラマであったり、ホラーやディストピアや故事のような話もあったり…本当によりどりみどり。SFに特化してた訳ではなかったんだな。
いくつかは面白かったけど、律儀に全部を読まなくても良かったかな、と正直感じた。
訳語が古いせいかかなりとっつきにくかったのもある。文章が読みづらい…でも原文によるところも大きいと思う。すごく詩的な文章。情景描写の分かりやすさよりも文章のリズムや美しさを重視している気がする。
内容自体も、うーんそこで話終わっちゃうのか、、、と感じられる作 -
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NHKで同名の海外ドラマとして放送された作品の原作。
殺人事件というのは往々にして、エゴイズムの塊であるが、本書はそんなエゴイズムが、悲劇を巻き起こす。
資産家の女性、レイチェルが殺された。
殺人犯とされるのは、彼女の養子である、今は亡きジャッコ。
なんと、「おまえはもう死んでいる」状態の設定。
話、終わりじゃん。
しかし、第三者であり、本作の探偵役のアーサー・キャルガリが現れたことで、事件が蒸し返され、改めて真犯人探しが始まる。
解説にもあるが、めでたし、な終わり方は妙な唐突感があるし、真犯人が判明するのも、なんとなく取ってつけた、感はある。
その意味では、ドラマ版の方が、私は鮮やかで面 -
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ジャック・プレヴェールは、「枯葉」というシャンソンの作詞でも良く知られています。もの哀しいメロディーの曲で、過ぎた愛を歌い上げていますが、この詩集に収められた他の詩は、予想に反して明るい色調のものが多いです。
例えば「なくした時間」。天気のいい日に働いていると、みんなが持つであろう気分が軽快に表現されていて、思わず微笑みました。
また「祭」。生命の神秘と儚さが、短い詩に濃縮されています。
詩は、詠う人の心のあり方が如実に現れるものだと思います。
簡潔な言葉で人生のシーンをとらえてみせたプレヴェールの心は、市井で生きる人々の気持ちと同じ目線に立っていたんではないかと感じました。
個人的 -
Posted by ブクログ
SF。連作短編集。
ブラッドベリのSFはどこか幻想的。
全体的な印象として、序盤は面白く、中盤は退屈で、終盤はまた面白い。
「地球の人々」での火星人とのコンタクトの結末は、とてもユニーク。
「第三探検隊」も、そう来たか!、という結末の切れ味。
「月は今でも明るいが」では、スペンダーの思考に考えさせられる。
終盤は、「オフ・シーズン」から面白かったと感じる。
「沈黙の町」は、火星に残された人間の哀れな希望が悲しい。
「長の年月」はセンチメンタル。これがベストか。
「優しく雨ぞ降りしきる」は、無人の廃墟で健気に働く機械が虚しい。
「百万年ピクニック」では、最後に僅かな希望があって、少しだけ救わ -