小笠原豊樹のレビュー一覧

  • 太陽の黄金の林檎

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    懐かしい作品やら、初めて読む作品やら。
    が、やっぱり、ブラッドベリは佳い。
    (出来うれば、新装版ではなく――つまり、中島梓以外の人が開設しているのを読みたかった(苦笑)

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    2018年07月18日
  • 虐げられた人びと

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    ネタバレ

    不幸な面は多々あったけど、後味が悪いという感じではない。
    タイトルからして嫌な終わり方で全部が終わってしまうのではと思ったが、そうじゃなかった。

    お前さえいなければ、何人もが救われただろう。そんな奴が出てくる。

    大人は頑固者だ。愛と憎しみは紙一重。

    繰り返される悲劇を子供がとめる。

    悪魔からも天使が生まれる。

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    2017年12月12日
  • 虐げられた人びと

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    ラスト30ページほどで、息を飲む謎が明かされる。幾重にも巡らされた入れ子構造。悪人、善人の描き方。金への執着。ネリーが登場してから、俄然物語は進み始めたが、やはり肝だったのだな。舞台装置もドラマチックだった。

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    2016年10月08日
  • 虐げられた人びと

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    日曜の午後、急にドストエフスキー読みたい!気分になって一気読み。今まで読んだ彼の作品のどれよりも読みやすかった。それに、主人公(語り手)を素直にかっこいい!と思ってしまった。今まで読んだ彼の作品は、どれも、「自分にもこういう弱い部分がある」と共感しつつ、親しみは持ちたくなかった。(持てない、ではない。笑)けど、ワーニャ。彼は本当に素敵だったので、驚いてしまった。ナターシャと父の関係性には、舌を巻くリアリティがあった。家族って近すぎて全体像が見えない分、すごく難しい。どの人物も重厚で複雑なドラマを持っていて、読み返したらまた違う人の気持ちにフォーカスするだろうな。けど…なんといったらいいか。これ

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    2016年05月09日
  • 太陽の黄金の林檎

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    胃の中に蝶々、心臓が早鐘みたいになって、早く次の頁を読みたいのに、読み終わるのが勿体無くて仕方ない気持ちになった。

    色鮮やかで、湿り気のあるブラッドベリの文章を、これまた美しく仄かな湿度を含んだ言葉で紡ぎ訳してくれた小笠原豊樹氏の翻訳が大きかったと思う。

    個人的に翻訳ものは、翻訳者との相性が多分にある質なので、初めてのブラッドベリを小笠原訳で読むことができたのは幸運だったと思う。ドンピシャリだった!

    訳の素晴らしさを噛みしめるためにも、ブラッドベリ自身の言葉を知るためにも、原書にも当たってみたいと思う。

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    2015年10月31日
  • 刺青の男

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    「今夜限り世界が」こんなに静かな終末ものを読んだことがない。遠い宇宙を夢見る心と、足元の地球をしっかり踏みしめて愛する心と、ブラッドベリにはその二つの心が難なく共存している。

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    2015年04月03日
  • 無実はさいなむ

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    ネタバレ

    冒頭から怪しい様子で、これから殺人が起こると思った。
    主人公が向かったのは、2年前に殺人事件が起こった家。そこに住む子供のいない夫人が殺されていた。夫人は、戦争孤児を引き取り夫と共に暮らしていた。解決していた事件が冤罪だったことによる家族のもつれを描いている。最後まで犯人はわからず、読み応えありでクリスティのミステリーの良さを再認識した。「そして誰もいなくなった」と同等な満足度だ。

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    2014年04月28日
  • 無実はさいなむ

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    アガサクリスティーの代表作『そして誰もいなくなった』が家庭内で起こる。人々の疑心暗鬼が良く描かれている。犯人はいつものごとく予想外。

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    2014年01月23日
  • 虐げられた人びと

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    一気に読みました。星50ぐらいつけたいです。特に中盤ぐらいまでは。終盤ちょっと失速?と思いましたが、最高です。こんなの読んでたら気が狂いそう…。

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    2013年05月17日
  • 太陽の黄金の林檎

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    素晴らしい。
    何という美しさ、何という陰鬱さ。

    収録作品の中でも圧倒的に知られていると思われる「霧笛」。声高に作品テーマを語ることのないブラッドベリにしては珍しい、込められた寓意を明確に文章で説明している、ある意味「わかりやすい」作品です。が、だからと言って物語が陳腐化しないのがブラッドベリの底力。最後まで静かな余韻を残す、短いけれど心に残る作品です。

    「サウンド・オブ・サンダー(雷のような音)」も印象的でしたね。フツーのSF作家であれば、タイム・パラドックスが起こった後にどう収拾を付けるのか?という点を前面に押し出して一大スペクタクル巨編を書くぞ!ぐらい考えてもおかしくはないのに、ブラッ

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    2012年12月12日
  • 刺青の男

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    ベラッドペリの短編集だが、ただの短編集ではない。
    ストーリー全体が男の刺青上で展開しているという構造を持つことで、奥行きが増す。かと思いきやそうでもない。各話のストーリーと、刺青上で展開することの関係性が希薄。
    要するに千夜一夜物語。

    別の本で読んだ話も(万華鏡)。

    あいかわらずの火星人登場率。そして、火の玉型火星人。

    怖い話も点在。

    グッとくるのは最後の話。叶わない夢を叶えようとする。実際に叶わないから、歪んだ形での叶え方になってしまうが、これこそ人情。これが人類の姿勢であって欲しい。
    って、ことですよね?ブラッドベリさん?

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    2012年10月19日
  • 太陽の黄金の林檎

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    奇抜な着想と幻想的な雰囲気と詩的な文体と主人公の心情や思惑がジワッと滲み出る会話や行動の記述が相まって読中読後にえも言われぬ感慨を与えてくれる作品が多かった。
    「霧笛」、「目に見えぬ少年」、「二度とみえない」、「発電所」、「日と影」、「草地」、「歓迎と別離」が特にジワジワと心に響いた。
    今後、何度も読み直す短編集がまたひとつ増えた。

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    2012年10月18日
  • 虐げられた人びと

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    ネタバレ

    10点つけたい。

    読んでる間も読み終わった後もずっと胸が痛い。
    ちょっとすごすぎてまだ感想が出てきません。
    エレーナ!!;;

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    2012年08月19日
  • かわいい女・犬を連れた奥さん

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    谷間。もう少し救われないかと思う。少しずつ、少しずつ、さみしくて辛い。どんより、どんより初冬の小道をテコテコ行く感じ。なんにも変らない、ありそうな範囲でしか事は起こらない。なのにちょっとの温もりが、しんみり迫ってくるようで。

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    2011年08月31日
  • 無実はさいなむ

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    ネタバレ

    ある人物が、無罪であるということは、
    別の人物が、有罪である可能性があるかもしれないということだ。

    ある人物が、無罪であるということは、
    よい知らせだと思い込んでいることがある。

    利害関係者にとっては、利は害と背中合わせである。
    利があるところには、かならず害もあるのだということが、本書から理解できた。

    世の中は、うまくいかないものだ。

    ps.
    解説には、本書がある意味で失敗作だと書かれている。
    小説としては、いろいろな複線が有効に働いているので、成功作だと思う。

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    2011年08月14日
  • 虐げられた人びと

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    一つの長大なメロドラマである。小説を読むことの――ここしばらく味わっていたのとは別の種類の――楽しさを、思い起こさせてくれた。これまで読んできたようなロシア文学に特有の退屈さ・冗長さ(地主階級や小役人による殆ど無内容としか思えぬ埒の開かないお喋りの如き)は些かも感じられず、物語が実に力動的に展開する。或る意味で、娯楽小説といえる部分もあるかもしれない(冒頭に於ける老人の死に始まり、少女ネリーの死によって物語は閉じらるが、この少女の物語が小説にミステリ的な趣さえ与えている)。

    アリョーシャは、徹底的に主体性が無く意志薄弱な男として描かれている。更に、彼は自分の思っていることを相手に話さないで

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    2011年03月26日
  • 刺青の男

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    ブラッドベリの短編集ではこれが一番好き。「万華鏡」をはじめて読んだ電車の中、涙と鼻水が溢れそうでやばかった。

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    2010年11月25日
  • かわいい女・犬を連れた奥さん

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    リアリズム文学で知られるチェーホフの短編編集。
    どうしようもない現実や残酷な運命に翻弄される人間は、しかし、そんな厳しい世の中で、不幸と比べてあまりにも小さな希望を見つけ、それを糧に生きていく。

    チェーホフの物語は、どうしようもなく救いがなく、だからこそ私たちが共感できる部分を含んでいる話が多い。

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    2010年08月19日
  • 虐げられた人びと

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    「虐げる」側に回って醜く生きるより、彼らのように誇り高く生きたい.。神様は常に虐げられる側の人々を愛するとわかっていても、報われない現実に心が痛みます。ドストエフスキー初期の長編小説です。

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    2009年10月04日
  • かわいい女・犬を連れた奥さん

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    おもしろいと評判のチェーホフの短篇。やっぱり、おもしろかったです。
    切なくて苦くて、(優しくないのかもしれないけど)優しく感じる所がいいです。

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    2009年10月04日