井上一夫のレビュー一覧
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アメリカの作家エド・マクベインの長篇ミステリ作品『キングの身代金 87分署シリーズ(原題:King's Ransom)』を読みました。
『死が二人を 87分署シリーズ』に続き、エド・マクベインの作品です。
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グレンジャー製靴会社の重役キングは、事業の不振を利用して会社の乗っ取りを画策していた。
必死に金を都合し、長年の夢が実現しかけたその時、降って湧いたような幼児誘拐事件が起こった!
しかも、誘拐されたのはキングの息子ではなく、犯人は誤って彼の運転手の息子を連れ去ったのだ。
身代金の要求は五十万ドル。
キングは逡巡した。
長年の夢か、 -
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アメリカの作家エド・マクベインの長篇ミステリ作品『殺意の楔 87分署シリーズ(原題:Killer's Wedge)』を読みました。
『警官嫌い 87分署シリーズ』、『通り魔 87分署シリーズ』に続き、エド・マクベインの作品です。
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秋の静かな昼下りに刑事部屋に押入った女の手には、拳銃とニトロの小壜が握られていた。
女はキャレラに恨みを抱いている。
だが彼は、今ここにはいない……復讐の鬼と化した女と刑事たちとの熾烈な心理闘争。
刻一刻と迫るカタストロフィ。
息づまるスリルと緊迫感で描くシリーズの決定版。
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ネタバレ再読。★3
ハル・ウィリスと恋人マリリンが過去の因縁に悩まされる事件と、神父が刺殺された事件が並行して描かれる。
前回読んだ時は全体を覆う暗鬱な雰囲気と凄惨さにのまれて★5をつけたのだったが、今回はそこまでの刺激を受けなかった。
特に悪魔崇拝の人らに関しては「くだらないことやってんなーどうぞご勝手に」といった感じで、熱を持てず流し読みに。
昔は悪魔崇拝という響きだけで興味を持って読めたんだろうが、やってることは雰囲気づくりをちょっと凝った乱交パーティと変わらなく思える。遊びでやってるんじゃないというようなことを代表が言ってたので、より具体的な心理や背景があれば楽しめたかもしれない。
結局悪 -
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007の初仕事が画かれたこの作品。
英国諜報部、MI6の00のナンバーを持つ7番目の男
仕事の鬼
酒と煙草と女好きの紳士
スリルを楽しむ狂人
女王陛下の狗
我等がジェームス・ボンド
劇場版しか知らない方は
別物としてお読み下さい。
派手なアクションシーンはありません
奇妙な兵器もありませんし
毎回車が壊れる事もありません(大抵壊れますが)
カジノロワイヤルではありませんが
平穏無事にしっかりと諜報部員として活躍する事もあります。
そして、そうですね
彼のオリジナルカクテル「ヴェスパー」が生まれたのも
この作品です。
ただまぁ、ヴェルパーって適当なバーだと呑めないんで
呑んだ事無いん -
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『87分署シリーズ』三作目は、拮抗するギャング三勢力の抗争を描いたハードなストーリーで、前作の『通り魔』からは13年の月日が流れています。
物語の始め、キャレラとクリングが登場する際に13年という時間が経過していることが記述されているのですが…ここで、私たちは驚愕の事実を知ることになります。
あのクレア・タウンゼントが、すでにこの世を去っているという悲しい知らせを、こんなにも冒頭で打ち明けられるとは。
かくして、脳天への強烈な一撃を与えられたような始まり方をする本書には、もう一つ新たな手法が用いられています。
それは、時系列的に進行する物語の大筋に、ギャングのボスの供述がことわりもな -
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マクベイン『87分署シリーズ』の第一作目を飾る『警官嫌い』。本書が、警察小説のはしりとも言える作品のようです。
巻頭の注釈…『この小説に現れる都会は架空のものである。登場人物も場所もすべて虚構である。』といったものは、よく目にするものですが。
---ただし警察活動は実際の捜査方法に基づいている。
この一文には、なかなかお目にかかれないでしょう。
舞台となる87分署管轄の街や行き交う人々は勿論のこと、登場する警官たちの『バッジを外した』後の生活ぶりまで。読み始めて間もなく、精巧な描写と美しい筆致に、魅了されました。
必要以上の情景描写を取り入れる小説には飽き飽きすることが多々あるのですが -
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アメリカの作家エド・マクベインの長篇ミステリ作品『死んだ耳の男 87分署シリーズ(原題:Let's Hear It for the Deaf Man)』を読みました。
『ショットガン 87分署シリーズ』、『サディーが死んだとき 87分署シリーズ』に続き、エド・マクベインの作品です。
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刑事部屋の平和を破る一本の電話――「わたしは帰ってきたよ」予告電話を皮切りに次々と舞い込む意味不明の写真。
フーヴァー元FBI長官の写真が二枚、つづいてジョージ・ワシントン……奴の狙いは?
奇妙なギャラリーを前に刑事たちも頭を絞る。
天才犯罪者デフ・マン -
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イギリスの作家「イアン・フレミング」の冒険スパイ小説集『007/薔薇と拳銃(原題:For Your Eyes Only)』を読みました。
「イアン・フレミング」作品は昨年の4月に読んだ『007/カジノ・ロワイヤル』依頼ですね、、、
「ディック・フランシス」、「コリン・デクスター」、「ボブ・ラングレー」、「ジャック・ヒギンズ」に続き、イギリス作家の作品です。
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【007映画最新作『007/クォンタム・オブ・ソラス』原作『ナッソーの夜』収録】
英国秘密情報部の腕利きエージェント、「007」こと「ジェームズ・ボンド」。
祖国の平和と安寧のため、世 -
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イギリスの作家「イアン・フレミング」の冒険スパイ小説『007/カジノ・ロワイヤル(原題:Casino Royale/You Asked for It)』を読みました。
「チャールズ・カミング」作品に続きイギリス作家によるスパイ小説です。
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英国が誇る秘密情報部。
なかでもダブル零のコードをもつのはどんな状況でも冷静に切り抜ける腕利きばかり。
ソ連の工作員でフランス共産系労組の大物「ル・シッフル」が、党の資金を使い込み、カジノの勝負で一挙に挽回をはかるつもりらしい。
それを阻止すべくカジノ・ロワイヤルに送り込まれた「ジェームズ・ボンド」。
華麗な -
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87分署シリーズは聞いた事はあったが、昔の人気シリーズという認識だった。
ちょっとしたキッカケでシリーズ第一作を手にして、夜寝る前に少しづつ読み進めた。
まずニューヨークの夜景の描写から始まるので、最初に夜のイメージが定着した。
1950年代の賑やかな巨大都市ニューヨーク。エアコンの設備が行き渡らない時代の茹だる様な暑い夏が舞台。もちろん夜となれば連日の熱帯夜。その熱にうかされように話は展開する。
これを夏に読んでよかったと思う。
海外ミステリーの醍醐味は、ストーリーや謎解きは当然だが、その時代・その場所の細かな描写が全体の雰囲気を大きく左右する。60年前に書かれた警察ミステリーの黎明期の作品