ドナルド・キーンのレビュー一覧

  • 思い出の作家たち―谷崎・川端・三島・安部・司馬―(新潮文庫)

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    手にした時のボリュウムに対して、読後の満腹感は意外とありました。ずっしり。
    キーン翁との交友のあった5人の文豪について、翁が語るエッセイ。有名どころ過ぎてそんな事は無いだろうなと思いつつも、今更「へえ」とさせられる点もぽつぽつあり面白かったです。

    安倍公房のキャラも、司馬さんの政治力も、各々の作品通りでなんだかかわいらしいと思ってしまいました。

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    2019年06月20日
  • 日本人の質問

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    ドナルド・キーンが亡くなった。彼の言葉を知らなければ谷崎潤一郎を読もうなどとは思わなかった。日本文学の大きな山脈である大谷崎。まだまだ登りきれてはいないのですが、いつか登りきりたいと思っております。合掌。

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    2019年03月14日
  • 英文収録 おくのほそ道

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     江戸時代(たぶん綱吉の時代?)に千住から東北の松島、平泉を経て、日本海側に出て、そこから新潟経由でずっと琵琶湖まで南下して最後は大垣で終わるという紀行文。『地球の歩き方』的な場所の説明(歴史とか)+その前後を含めた芭蕉自身がやったこと+感想+俳句(芭蕉と一緒に行った弟子の曾良の句も)、という内容。ドナルド・キーンの解説、英訳がついている。
     まず『おくのほそ道』がこんな短い話だとは思わなかった。ドナルド・キーンも書いているが「文庫本にすれば五十ページ足らずしかないテキスト」(p.88)で、字面を追うだけならすぐに出来てしまう。あと弟子と行ったということも知らなければ、てっきり東北に行って帰ってきた話かと思いきや、北限は平泉とかその辺で、そっから日本海側に行って大垣で終わるなんて思いもしなかった。あとは俳句が一杯あるのかと思いきや、思ったほどには俳句だらけという訳でもないのも印象と違っていた。「江戸を出発する前に松島の月を何よりも楽しみにしていたようであるが、松島についても俳句を一つも作らなった。松島に幻滅したというわけではないが、なにか真底、感動的な風景の前に立つと、芭蕉は口を閉じる傾向があった。松島の風景を見事な散文で描いたが、俳句は曾良に任せた。」(p.90)だそうだ。てっきり「松島やああ松島や」みたいな句が出てくるのかと思っていた。
     というのが全体的な話。あと解説には「どの旅にも不安が付き物だが、芭蕉は楽しみの多い旅行になるだろうと期待していた」(p.88)と書いてあるが、おれの印象では、結構「旅は大変、怖い、死ぬかもしれない、心細い、疲れた」みたいなネガティブなことがたくさん書かれている気がする。特に16の「飯塚」なんて「持病さへおこりて、消え入る計になん。」(p.41 英訳はI had an attack of my usual complaint, so severe I almost fainted.って「消え入る」はfaintedなのか、とか思った)とか、「遥かなる行く末をかゝえて、斯かる病覚束なしといへど~」(英訳 I felt uneasy over my illness, recalling how far away our destination was, but I reasoned with myself that when I started out on this journey to remote parts of the country it was with an awareness that I was risking my life. Even if I should die on the road, this would be the will of Heaven.)って、なんか江戸時代にアジアにやってくる宣教師みたいな感じだ。今の日本人からするとアフリカを彷徨うような感じなんだろうか。
     あとは英語。古文とか本当に普段読んだことないので、って古文というほどの古文ではないのかもしれないけど、まず古文を読んで、あんまりよく分からず、次に英語を読んで、こんなこと言ってたの?とか、これどういうこと?とか思ってまた古文を読み返す、という感じで進めていったので、意外と読むのに時間がかかった気がする。
     あとは面白いと思った訳のメモなど。「野夫といへども、さすがに情けしらぬには非ず。」(p.31 那須)は"He was only a rough, country fellow, but he was not without feelings." (p.151)。あと羽黒のところで「風土記」(p.56)が出てくるが訳はgazeteer(p.118)で、gazetteという単語を知らなかった。あと象潟の、「松島は笑ふが如く、象潟はうらむがごとし。」(p.60)というのも、なんか象潟の人が怒りそうな気がするが、とりあえず面白いと思った。ちなみに英語は"Matsushima seems to be smiling, but Kisakata wears a look of grief."。他にもいくつかあったので、もう1度通読して確かめる必要がある。
     東北の地名が色々出てくるので、大学の時に青春18きっぷであちこち旅行したことを色々思い出した本でもあった。最後の大垣だって、東海道線乗れば絶対乗り換える駅だし。こういう有名な日本の本というのをもっとこれから読んでみたい。(18/12/28)

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    2018年12月28日
  • 英文収録 おくのほそ道

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    単純に意味が取れなかったり、古典を引いているのか何のことやら分からなかったりで、正直、その魅力を味わいきったとは思わない。ムダをそぎ落としたような文章で案外みじかかった。

    ドナルド・キーンの解説によれば、必ずしも事実に沿った紀行文ではなくてかなりの脚色が入っていることが、後年、曾良の日記がみつかったことで明らかになったという。収められた俳句も即興ではなく推敲に推敲を重ねたことがわかっている。芭蕉が理想とする旅情を演出したと言うとウソっぽくも感じられるが、とはいっても自分の脚だけで旅をするわけであり、出発に当たっての惜別の情だとか現代と違うものがあったのだろう。

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    2018年11月05日
  • 日本人の質問

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    ネタバレ

    ニューヨーク生まれの日本文学研究者ドナルド・キーン氏のエッセイ。内容は朝日新聞客員編集員時代のものであり、1983年に朝日新聞社から刊行されたものが、35年の時を経て文庫化されたとのこと。

    日本文学研究者であるキーン氏が、日本人とはどういう国民なのか、自分の目を通して見えたことを綴っている。

    外国人の日本文学の研究者からみて、日本人はどう見えるのか・・・という視点が興味深かったので、購読してみたが、何しろ35年も前に書かれたエッセイなので、少々新鮮味に欠ける。

    当時、日本人というのは、「自分たちは世界の中では特殊な存在である」という自意識が強い国民、であるようにキーン氏には見えたようである。

    日本語は難しい、漢字は難しい、文化は独特、食べ物(刺身など)も独特という自意識を持っていると。その自意識の裏返しに、外国人への質問は全く紋切り型で、「日本語は難しいですか?」とか、「俳句は理解できますか?」とか、「刺し身は食えますか?」とか、そんな質問ばかりだと著者は言う。

    特に、普通の日本人より日本のことを研究している著者にとっては、そういう質問をされることが腹立たしかったらしい。日本語には詳しいし、刺身なんか食いなれているという自負がある。

    今ではどうだろう?来日した外国人へは、同じような質問をしてしまうような気もする。

    著者のボヤキ以外で少々興味深かったのは、日本文学の中で最も日本的なジャンルは日記文学ではないかという意見。一葉、子規、啄木、独歩、有島は日記を一流文学に仕上げたと。そのように言われると読んでみたくなる。

    もうひとつは、日本語が難しすぎて、国際語になりえず、それは日本にとって大きな損失だという意見。外国人が日本語をもっと簡単にマスターできるようなものに変革できれば、相互理解もより深まると。もっと日本語を簡単なものにしろと・・・。難しいのだとは思うが、理屈はそうだと納得した。

    日本人以外の視点を持ちながら、純粋に日本を愛する研究者のつぶやきが面白い。

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    2018年09月12日
  • 私の大事な場所

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    彼の人生がいかに日本、日本文学につながっているのか、疑似体験できるようで、とても面白かった。まさに生き字引のような方だなあと思った。
    ただ、最後の章だけは、オペラについて無知なためあまり楽しまなかった。。。

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    2015年11月12日
  • 日本文学史 古代・中世篇二

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    前半は『万葉集』から『古今集』、その他の和歌集について語られている。

    やはり後半の、平安時代の日記文学に関する項目が面白い。
    見せるために書かれた日記と、見せないために書かれた日記の本質は全然違うと思う。
    『蜻蛉日記』のような辛辣さは、読む者にとっては衝撃も受ける。だが閉鎖的な貴族社会の中で、噂を気にしながらも、心に溜めてきた感情の整理場所として、女性にとっての日記とは大きな役割を果たしていたのかもしれない。

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    2013年09月29日
  • 日本文学史 古代・中世篇一

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    『古事記』から『万葉集』、平安期の漢文学まで。

    『古事記』自身はまだ読んだことがないのだけど、生々しさというか……荒々しさに引いてしまう。

    ここから近世に繋がるまで、二ヶ月に一度の刊行。
    たのしみ。
    (内容にあまり触れていないレビューですいません。。。)

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    2013年02月01日
  • 明治天皇を語る

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    外国人に明治天皇の実像を教えられた
    和歌を詠まれたこと、写真嫌いっだたことなど、しらないことばかり

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    2011年12月10日
  • 明治天皇を語る

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    【読書】ドナルドキーン氏が永住の意思を固め、日本国籍を取得の手続きを始めたという記事を読んで、本棚を探して読んだ本。明治天皇の様々な一面を垣間見る。

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    2011年04月17日