飛田茂雄のレビュー一覧
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人々を説得によって信仰に導こうとするからうまくいかない。むしろ自分自身の発見の輝きを示すべきだ。世界中で最善のものと認められ考えられている物事を知り、それをまた他者に知らせることによって真実のまた新鮮な思潮を創造すること。
世界の神話に共通した要素を発見し、人間の心理の奥底には絶えず中心に近づきたい、つまり深い原理に近づきたいという要求があることをしてきすること.
人生の意味の探求が必要なのではなく生きているという経験を求めること。
スペシャリストとジェネラリスト
自分自身の神話を見つけようと思ったらどういう社会に所属しているか知ることが大事。遊牧民族か、農耕民族か。
日本はまだ内面的には自然と調和している。
一神教グループは争いあって未来に対する自分たちの能力を自ら否定している。ー個々人を地域グループではなく惑星全体と同一視するような神話が必要。
そういう神話の雛形はアメリカ。13の異なる植民国家がどの一刻の利益も無視住まいと努力しながらも共同利益のために協力して活動しようと決心していた。アメリカは単なる戦争でなく、理性を基礎として築かれた最初の国家。
どの集団も皆、自分たちは選ばれた民だと思っている。彼らが自分たちにつけた名前が、大抵は<人間>を意味するものだというのはちょっと面白い。他の人々には変な名前をつけている。
愛はたくさんの機能のうちの一つ。本来なら全体の秩序に奉仕すべき一つの機能がシステム全体を支配すると物事は狂ってしまう。 -
Posted by ブクログ
『「浮世の画家」でいることを許さないのです』という小野の言葉。モリさんは歓楽(耽美主義)に美しさを見出し、「浮世」を描くが、時代が進むにつれて小野は師の「浮世」への考えに対して自分の考えを表す。ただ、小野の当時の作風について改めて考えると、小野が導き出した精神主義的な作風もまた、大きく見ると「浮世」だと言える。小野自身もまた時代に翻弄された「浮世」の画家なのでは。
小野に限らず、この作品の時代背景も、紀子の縁談も、一郎の好むヒーローも、時と共に流動的に変化している。浮世の中で人々は時代に合わせて生きている。
小野の語りからは、古風かつ独善的で自己を正当化しようとする性格が滲み出ている。当時を思わせるような人物像であり、現代では批判されそうな人物だが、これも時の流転を感じさせる。
「あら、縁談もうまくいったのね?」「なんか物語の設定からしてこういう終わり方なのか…」というのが最初の感想だったけど、イシグロはその終わり方に何かを表現しているのかな?とも思う。題名『浮世の画家』の意味とか、時代や人々の考えの変化とか、多岐にわたる考察ができて、やっぱりイシグロ作品は価値がある。読むのに体力を使うけれど、その分読後の余韻は一級品。 -
Posted by ブクログ
スターウォーズや鬼滅の刃など、現代でもヒットする作品は世界のあらゆる文化の中で生まれた宗教や神話を参照しながら作られていると言われている。「神話」と聞くと普段の生活に馴染みがないように思うけれども、意外と普段意識しないところまで浸透しているのかもしれない。
世界各地の神話を比較して研究してきた著者が、「男女」「結婚」「生死」「英雄・冒険」など、重要なキーワードをもとに様々なエピソードを紹介。キリスト教やイスラム教、仏教などはもちろん、南米の山奥で根付いている宗教からアフリカの村に伝わっている神話など、世界の端から端まで網羅されていて、その情報量に圧倒された。国だけでなく、神話がユングなどの心理学や哲学といった普遍的な学問とも密接な関係もあり、神話はただの作り話ではなく、ある程度の根拠をもとに作られ、社会の規範になるものなのだということは気づきだった。特に、神は自分の中にいるということ、神話は個人の夢に対して言わば「社会の夢」であることなど、神話に対する見方が変わった。(ただ、色々なエピソードから別のエピソードに飛ぶので、たまにわかりづらくなることもあったが…。)
東洋の思想と西洋の思想が根本のストーリー、時代が似ていることもとても興味深かった。発見が多い一冊だった。