飛田茂雄のレビュー一覧
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人々はよく、われわれは生きることの意味を探っていると言いますが、人間がほんとうに探求しているのは、たぶん生命の意味ではありません。人間がほんとうに求めているのは、<いま生きているという経験>だと思います。
純粋に物理的な次元における生活体験が、自己の最も内面的な存在ないし実体に共鳴をもたらすことによって、生きている無上の喜びを実感する、それを求めているのです。
もし人生の途中でなにが案内標識の役をしているか、それがわからないければ自分で作り上げるしかありません。ところが、もし神話というテーマが自分をとらえた場合は、こうした伝統のあれこれのおかげで、言い換えれば、人生を豊かにし、活性化して -
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『「浮世の画家」でいることを許さないのです』という小野の言葉。モリさんは歓楽(耽美主義)に美しさを見出し、「浮世」を描くが、時代が進むにつれて小野は師の「浮世」への考えに対して自分の考えを表す。ただ、小野の当時の作風について改めて考えると、小野が導き出した精神主義的な作風もまた、大きく見ると「浮世」だと言える。小野自身もまた時代に翻弄された「浮世」の画家なのでは。
小野に限らず、この作品の時代背景も、紀子の縁談も、一郎の好むヒーローも、時と共に流動的に変化している。浮世の中で人々は時代に合わせて生きている。
小野の語りからは、古風かつ独善的で自己を正当化しようとする性格が滲み出ている。当時を思 -
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スターウォーズや鬼滅の刃など、現代でもヒットする作品は世界のあらゆる文化の中で生まれた宗教や神話を参照しながら作られていると言われている。「神話」と聞くと普段の生活に馴染みがないように思うけれども、意外と普段意識しないところまで浸透しているのかもしれない。
世界各地の神話を比較して研究してきた著者が、「男女」「結婚」「生死」「英雄・冒険」など、重要なキーワードをもとに様々なエピソードを紹介。キリスト教やイスラム教、仏教などはもちろん、南米の山奥で根付いている宗教からアフリカの村に伝わっている神話など、世界の端から端まで網羅されていて、その情報量に圧倒された。国だけでなく、神話がユングなどの心 -
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ジョーゼフ・ヘラー『キャッチ=22〔新版〕(下)』ハヤカワ文庫。
早川書房創立70周年を記念し、企画されたハヤカワ文庫補完計画、全70点の1冊。大好きな映画『BIG WEDNESDAY』にチラっと登場した小説で、当時から読んでみたいと思っていた。映画では主人公のジャックの母親がジャックたちの乱痴気騒ぎに眉をひそめながら読んでいたのだ。
戦争の馬鹿らしさを諷刺的に描いた一種の反戦小説なのだが、白々しさばかり感じた。アメリカは建国の歴史そのものが暴力と殺戮で血にまみれ、現代に於いても石油の利権や自国の経済成長のためならば他国に戦争を仕掛ける、とんでもない国だと思う。そんなアメリカの大統領と呼ば