飛田茂雄のレビュー一覧

  • 母なる夜

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    ネタバレ

    レーベルはSFだけどSFではないんだよね…
    ある種問題作かもしれません。
    (まあ仮の人物としてがSFか?)

    一人の二重スパイがこの状況にまで
    至るまでのお話。

    結局言ってしまえば、
    戦争というものは様々な憎しみの種を植え付け
    どこまでも暴走していくということ。

    まあそれでもこのキャンベルは
    うまく立ち回ったとは思うのよ。
    じゃなきゃ最初につかまった時点で
    とっくに絞首刑になっているので。

    そして一時の幸せであろう生活までもが
    途中で暗転してしまう恐ろしさ。
    それが彼にとっての「報い」だったのかもしれません。

    結局は彼は望んで
    延長されていた罪を受けることになります。

    そうなるとどん

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    2023年11月17日
  • 神話の力

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    結構なボリューム。
    対談形式で進むから読みやすさはある。
    カトリックの素養を持ったキャンベルではあるが、東方仏教やインド哲学への傾倒など、一元的な偏りには左右されない柔軟な思考の持ち主だと感じた。
    神話や宗教関連の書籍を読み漁る中でもキャンベルの名前は頻出してたが、こうして初巡り合わせできて嬉しい。
    主著である『千の顔を持つ英雄』も読みたい。

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    2023年09月30日
  • 浮世の画家〔新版〕

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    戦争前後の人間関係を回想を交えて語る一人称小説です。これまで築き上げた自分と時代や価値観の変化にどう折り合いをつけていくか苦悩する様子が本人目線で綴られています。

    主人公の記憶や印象に基づいた真実が事実であるとは限らない曖昧さに翻弄されました。過去の出来事が徐々に明らかになるにつれて、「自分が捉える自分」と「他人から見た自分」の乖離も露わになり、痛みを感じました。

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    2023年03月06日
  • 浮世の画家〔新版〕

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    以前「記憶というものは思い出すたびに書き換えられている」と読んだ。終戦により今まで是とされてきたことが悉く覆される中、様々な記憶があやふやになり、自分のアイデンティティもあやふやになりかける主人公。
    戦時中にいわゆる大人であった人は自分自身の崩壊とその再構築に苦労しただろうと想像した。

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    2023年02月12日
  • 浮世の画家〔新版〕

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    第二次大戦前から画家として活躍してきた小野が、うまくいかない娘の縁談や周囲の態度から過去を回想していく。師匠の耽美主義を離れて精神主義に傾き、戦時のプロパガンダに加担し評価され、自信を深めるが、価値観が一変した戦後の日本社会で、そのアイデンティティをどう扱ったらいいか迷い悩む。
    語りの中で、小野が自分の記憶の曖昧さを何度も確かめるように表現している。話の筋そのものにはあまり関係しないが、読み手としてなぜかそこにひっかかりを感じてひきこまれる。
    人が過去を振り返るときの記憶の曖昧さこそが、人間らしさであり、だからこそ生きていけるのかもと思わせる。ここに焦点を当てる語りが、著者の技の一つかもしれな

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    2022年12月09日
  • 浮世の画家〔新版〕

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    ネタバレ

    少しばかり自意識過剰な画家が、思い出を振り返りながら、戦前戦後で浮き流れる世の中を生きる話。
    日の名残りに少し似ているかな?と思ったが、あちらの方がカタルシスを強く感じた。
    レポート書き終えたら、英訳でまた読み直そうかな。

    覚悟と信念を持って行動すれば、成否に関わらず清々しい気分になると、彼らは自らの人生の妥協点を見出した。

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    2022年11月05日
  • 浮世の画家〔新版〕

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    数冊読んだイシグロ作品の中で一番好きだなあ。小津安二郎の世界に、ほんのちょっと社会派的要素を垂らしたような感じが良かった。ためらい橋とか、名前もなんかすてきだった。訳が良かったのもあるのかな。

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    2021年12月31日
  • 神話の力

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    過去の神話から学び、より高次の視点から人生を歩める資となる本
    内容についても対話形式で章立てのため読み進めやすい。
    ボリュームはそこそこある

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    2021年08月28日
  • 浮世の画家〔新版〕

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    これを30歳そこそこで書いたのか!とまずそこに驚く。たしかに日本人ぽくない言い回しや思考回路、やりとりはあちこちに見られる。特に、一郎。理路整然と喋りすぎ。けれど、主人公である小野は明治生まれの鼻もちならないじいさん。そんな作者自身からかけ離れた人間の自分語りを、その年齢でこのレベルの作品に仕上げるのがすごいと思う。いかに彼に祖父母の記憶があるとはいえ、カケラのようなものに過ぎないはず。そこからこのサイズの図を描きおこす筆力を、若くしてすでにもってたんだなぁ。

    功罪という言葉があるけれど、功績の大きさを認めると罪の大きさも同時に認めざるを得なくて、そうすれば必然的に罰を受けていない今の自分を

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    2021年05月19日
  • キャッチ=22〔新版〕 上

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    何度か読み返した作品。スノードンのくだりは最初読んだとき衝撃だった。推しキャラはシャイスコプフ。戦地での、悪い冗談の連続みたいな細切れのエピソードが延々続いたあと、ひとつの結末に向かってギアが入る展開の仕方も好きだった。ラストはそんなに好きではないし色々粗があるとは思うが好きだな〜

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    2021年05月18日
  • 浮世の画家〔新版〕

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    過去の過ちを認めたことと、マダム川上のバーがオフィスへと変わったときのタイミングが重なるのは、本作を象徴的に表している。現実と対峙するには、浮世(マダム川上のバー)から離れなくてはならない。

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    2020年11月03日
  • 浮世の画家〔新版〕

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    「少なくともその時は、信念に基づいて行動していた」

    主人公の自尊心が強すぎる。こんな父親だったら面倒だと思ったけれど、昔の父親はこのような人が多かったのかな?
    以前、NHKでドラマをやっていた。主人公は渡辺謙、上の娘が広末涼子。少ししか見ていないけれど。

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    2020年10月07日
  • 浮世の画家〔新版〕

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    画家の人生を通して、戦前から戦後の日本における価値観の変化を描いた作品。
    戦中から戦後の世情の空気の移ろいを察知した画家の、過去の自分の作品が世間に与えた影響と責任を認めつつも、時代を生きたという誇りは忘れない強さを感じる。
    同じような境遇で責任を感じて自ら命を絶った作曲家との対比なども印象的ではあるが、この話から思い出されるのは藤田嗣治。
    彼が戦後、この作家と同じような境遇に陥り、世間から大きなバッシングを浴び逃げるようにパリに移住したことは、時代と世論の変化の残酷さをつくづく感じさせる。
    そして最近のSNSを通しての、諸々の炎上騒動についても同様に考えさせる。

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    2020年06月16日
  • キャッチ=22〔新版〕 下

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    非常に面白いのになかなか読み進められない。こんなに不条理で猥雑で不可思議な小説がアメリカでは高校の課題図書リストに載ってるとは。

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    2019年12月25日
  • 浮世の画家〔新版〕

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    ネタバレ

    戦前から戦後にかけて、主人公の意識の変化や、心情の揺れが丁寧に描かれていて、とても興味深かった。
    時代に翻弄される人々の様子もリアルに描かれていて、激動の時代に想いを馳せる事が出来た。

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    2019年08月15日
  • 浮世の画家〔新版〕

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    ある一人の男の意識の流れ。この作品に漂う静けさ。ドラマを見たせいもあり、主人公の小野は、渡辺謙さんだった。

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    2019年06月13日
  • 浮世の画家〔新版〕

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    夏目漱石の『それから』とか、太宰治の『斜陽』のように、破滅的な最後に向かっていくのかと思っていました。これはこれで好きです。

    翻訳版の文体のためか、今まで触れた同氏の作品と比べると、舞台がそうであるからという理由以上に、日本的な印象を強く受けました。

    一方、少し気になる点もいくつかありました。

    語り手である小野さんの話がいちいち脇道に逸れるのは、もちろんそれが物語の肉付けとして重要なエピソードだからなんですが、「逸し方」っていうのはそう何パターンもあるわけではないので、「またか」と少し気が散る印象がありました。
    それから、誰かの発言を思い出した直後に「本当にそういう表現をかの人が使ったか

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    2019年05月26日
  • 神話の力

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    世界の神話を比較して読み解く対談本。

    対談者がキリスト教徒ということもあり、必然的にキリスト教の話が多い。それでもこれだけ比較して話せる知識量がうらやましい。

    生まれた時から自分の信じる宗教が決まっているというのはどのようなものなのだろう。ニーチェは苦しんだあげくにそこから抜け出せず終わった。
    キリスト的世界観を捨てよ、という言葉にたどりつくまで、キャンベル氏にも様々な葛藤があったのだろうと感じた。

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    2018年03月27日
  • 神話の力

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    人々を説得によって信仰に導こうとするからうまくいかない。むしろ自分自身の発見の輝きを示すべきだ。世界中で最善のものと認められ考えられている物事を知り、それをまた他者に知らせることによって真実のまた新鮮な思潮を創造すること。

    世界の神話に共通した要素を発見し、人間の心理の奥底には絶えず中心に近づきたい、つまり深い原理に近づきたいという要求があることをしてきすること.
    人生の意味の探求が必要なのではなく生きているという経験を求めること。

    スペシャリストとジェネラリスト
    自分自身の神話を見つけようと思ったらどういう社会に所属しているか知ることが大事。遊牧民族か、農耕民族か。
    日本はまだ内面的には

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    2016年10月24日
  • キャッチ=22〔新版〕 下

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    時系列のせいで混乱してもたけど、読み切ると凄ぇ!ってならざるをえない。
    このレベルの読後感はなかなか味わえん。

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    2016年04月21日