高橋順子のレビュー一覧
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茨木のり子さんの詩集ですね。
永遠の詩シリーズです。
このシリーズはほんとうに、詩との出会いを形づくるきっかけを結びつけてくれますね。
茨木さんの詩は、初めて味わいましたが、私の心に深くすんなり、ほんとうにすんなり受け入れました。
詩集を読むのはかなりの想像力と理解力、感性を駆使しますが、茨木さんの詩は、飾りがなくそれでいて、真相を的確に捕らえられていて、情愛と励ましに溢れています。
みずうみ
《だいたいお母さんてものはさ
しいん
としたところがなくちゃいけないんだ》
名台詞を聴くものかな!
ふりかえると
お下げとお河童と
二つのランドセルがゆれてゆく
落葉の道 -
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ネタバレお気に入りの書店の本店にて。
うずたかく積まれた数多の書籍の中の一冊。
旅先だから、出逢えた『茨木のり子』なのかも。
『嘘がつけない人だった。
詩においても、生活においても
ーーーーーー谷川俊太郎(詩人)』
そんな茨木のり子さんに、" 清々しいまでの潔さ " を感じ、カッコいい〜と痺れています。
やはり、『自分の感受性くらい』は、最高だし、ファンの多い『わたしが一番きれいだったとき』も、ほんとうに素敵。
だけど、わたしは、変わらず『汲む』が痺れるほど好き。 それは、初心に帰れるから。 自分で自分を包み込むような感覚を覚えるから。
そして、今回 -
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萩原朔太郎の詩集ですね。
萩原朔太郎の詩集を見たのは久しぶりにでしたが、飄々としたイメージがあったかのように感じていたのが、一変しました。
森鴎外も認めた才能は確かだと思います。今の時代に読んでみてもさほどの古さを感じないように思います。
解説の高橋順子さんも「近代詩と現代の、美果がともにみられよう。」と述べられています。
朔太郎は『詩は人間の言葉で説明することの出来ないものまでも説明する。詩は言葉以上の言葉である』と《月に吠える》の序文で語っています。
読んでいてかなり内省が激しく、時として無力感の投げ出しのような言葉で綴られて虚無感を感じさせられます。が、美しい言葉使いもあり、詩の表現にか -
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中原中也の詩集ですね。
私の中也との出会いは、解説の川上未映子さんと同じく中学校の国語の教科書でした。トラウマのように、詩と言えば中也を彷彿します。
実際は中也の詩の深い意味を理解していたとは言えず。蝶のイメージが強烈に焼きついて私の心に住み着いただけようでした。
中也の詩集をあらためて読んで、中也の内包の格闘を解説の高橋順子さんと共にふれる事が出来たように思えます。
もちろん、宮沢賢治さんと同じようにすべてを思い至れる訳ではないので、中原中也さんの詩を吟じてみて感じたままに私流に想い受け止めてみました。
永遠の詩のシリーズは、作家の作品から選び抜いた作品集です。選択がとても好ましくとても気に -
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宮沢賢治の詩集ですね。
たまには詩も読んでみたいなと思いまして、馴染みの深い宮沢賢治さんを選んでみたのですが、軽はずみに読めるものでないと改めて恥じ入りました。
宮沢賢治さんは「詩集」という言葉を嫌い「心象スケッチ」と言われたそうです。
観賞解説の詩人の高橋順子さんの案内無くしてはとても読み進められませんでした。
なかには私でもなんとかついて行けそうな詩もありました。
詩を読むときは深く考えすぎず、自分の中で受け取れるものを感じる事だと思って、静かに目を通していきました。
解説の椎名誠さんも「ひとつひとつの意味はわからないないけれど、読んだあとになぜか悲しくなってくる。あるいは苦しいなかにも気 -
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名詩「利根川の海」にはじまり有名な「わたしが一番きれいだったとき」から最後の詩集「歳月」まで、厳選された詩が編まれた本書。
戦争を生き抜いた茨木のり子さんの凛として美しい死の数々。
初めて読んだ一冊が「歳月」であったためか、やはり個人的には晩年の詩がすごく好きです。「夢」「恋歌」「急がなくては」「(存在)」「歳月」など。
厳選されたものなのでどの詩も本当に素晴らしいのですが、
「答」は本書の中で一番好きで、私自身、ふと一番幸せだった時といえば、と振り返った時がありそれを再体験したような感覚でした。子を持つ母なら、どんな人生を送っていたとしても共感できるのではないでしょうか。
ほかに「兄弟」「 -
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美しい月の写真、月に関するさまざまな言葉、そして詩歌。
読み物としてとても面白かった。
月は暦に関わるだけではなく、人に例えられたり、女性のバイオリズムに例えられることも。
気がつけば空に浮かぶ銀の皿。
古来より親しまれたり、神格化されていた月は、季節によっても、天候によっても、さまざまな姿に変わる。
改めてその多様な変化の様子を、言葉から感じることができた。
語源や竹取物語との絡みなど、ちょっとしたエッセイとしても楽しめた。
言葉を眺めるだけで、その凛とした美しさを心に浮かべることができる。
同じ月でも見方が変われば言葉も変わり、昔の人の発想と、言葉の美しさに惚れ惚れとした。
寝待ち