高橋順子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
美しい月の写真、月に関するさまざまな言葉、そして詩歌。
読み物としてとても面白かった。
月は暦に関わるだけではなく、人に例えられたり、女性のバイオリズムに例えられることも。
気がつけば空に浮かぶ銀の皿。
古来より親しまれたり、神格化されていた月は、季節によっても、天候によっても、さまざまな姿に変わる。
改めてその多様な変化の様子を、言葉から感じることができた。
語源や竹取物語との絡みなど、ちょっとしたエッセイとしても楽しめた。
言葉を眺めるだけで、その凛とした美しさを心に浮かべることができる。
同じ月でも見方が変われば言葉も変わり、昔の人の発想と、言葉の美しさに惚れ惚れとした。
寝待ち月とか、立ち待ち月とか、月と人の関係を表したような言葉が好き。
以前同じシリーズを買って読んだことがあるが、前のシリーズも読み直したくなった。 -
Posted by ブクログ
月の名前のほかに、月を題材にした俳句や和歌、著者による詩とエッセイ、美しい写真が散りばめられた本。
特に印象深かったのは、「有明月」。
国語の授業で習った和歌では、決まり文句のように頻出する上、恋人への恨みがましさや別れの切なさが歌われるので、うんざりしていた。
しかし今改めて解説を読むと、心に沁みる。異名の数をとっても群を抜いており、古代の人が特別な想いを託してきた言葉だとわかる。
月の名前は、月そのものの美しさや季節の風物詩から名付けられたものが多いようだが、「有明月」は、月の姿よりも人の心情の方に思いが至る。
ちなみに、2017年の中秋の名月は、10月4日(水)とのこと。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ茨木さんの詩集2冊目。
前回の詩集と若干ダブっている。
好きな詩は2作品。
『知命』:
「知命」とは「五十にして天命を知る」(論語)から五十歳の称らしい。
小包の紐のほどき方やこんがらかった糸の束をなんとかしてよ、と人から言われ鋏で切ったら、と言っても了解しないので、もそもそと手伝う。
「ある日/卒然と悟られる/もしかしたら/たぶんそう/沢山のやさしい手が添えられたのだ/一人で処理してきたと思っている/わたくしの幾つかの結節点にも/今日までそれと気づかせぬほどのさりげなさで」
これまで何事も一人でしてきた、とおごっていてはいけない。
周りの誰かのやさしい手がさりげなく差し伸べられたに違いないのだから。
五十歳を目前に控えた私にはドキッとする詩だった。
『倚りかからず』:
楽して誰かに、他の何かに安易に頼っていてはいけない。
つい神頼みしたくはなるけれどね。
「じぶんの耳目/じぶんの二本足のみで立っていて/なに不都合のことやある/倚りかかるとすれば/それは/椅子の背もたれだけ」
気の抜けたご時勢に物差しで背中を叩く音が聞こえてくるような詩、とは解説の方も巧い。
私も頼るのなら椅子の背もたれくらいにしておきたい、けれどなかなかね…。