小林憲正のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ「地球生命」に5つの特徴づけを行い、主に化学、生物学の観点からそれらの起源、原理、進化を深く考察した著書である。
筆者は、生命(L=1)か非生命(L=0)のようなデジタル的な仕分けではなく、0<L<1のような領域をも生命と捉える、いわゆるスペクトラム的な整理が妥当なのではないかという主張を展開した。
自然現象は、ときに人類の思考を上回る驚愕の事実を観測、解析結果として提供する。
0か1かの整理で結論づける前に、そのグラデーション部分すなわち「あいだ」をより深く眺め、考察することにより、新たな知見が開かれるのではないか。
自然科学のみならず、ひいては人文科学、社会科学においても、心に留め置くべき姿勢であると言えるだろう。
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購入済み
面白かった
戸谷友則『宇宙になぜ、生命があるのか』と
一緒に読むといっそう面白い。
どちらが正しいかということではなく
生命の起源という同じテーマに対して
アプローチの仕方の違いで、
こんなにも違う結論になるのかと思うと
面白くてしょうがない。 -
Posted by ブクログ
生命とは何か?生命はいかに誕生したか?といった根源的な問いについて、主に分子生物学の観点からこれまでの研究の歴史を紹介し、著者独自の研究成果から論説を展開している本。
素人にも分かるようにやさしく書かれていて、SFミステリーを読んでいるような感覚で楽しく読めます。
■ゴーギャンの絵@タヒチ 1898
生命はどこから来たのか、生命は何者か、生命はどこに行くのか
■パンスペルミア説
宇宙には生命の種が多数あり、光の圧力で地球にたどり着いたとするアレニウスの説
■シュレディンガーの生命観
生命とは負のエントロピーを食べるもの
■生命の特徴
水と有機物に依存する、細胞膜を持つ、代謝する、自己複製する、進化する
■ニワトリが先か、タマゴが先か
タンパク質が先か核酸が先か、に置き換えられる。アミノ酸は隕石や彗星にも含まれている。
■生命の誕生場所
アミノ酸が脱水しながら結合する必要がある。陸上温泉などなら生命の誕生要件を満たす?
■フェルミのパラドックス
宇宙に多数の星があるのに宇宙人に出会わないのはなぜか?
■シグモイド関数
触媒による濃度変化モデル。分子の複製に適用する研究がある。
■ドレイク方程式
銀河系中の交信可能な星の数を見積もる方程式 -
Posted by ブクログ
・一回通読。戸谷先生が同じくブルーバックスで生命の起源について書いた本を先に読んで、こちらを読んだが、相補的なのでセット読みを推奨したい。
・戸谷さんの方ではあっさり目だった生命の起源研究の歴史や、RNAワールド以外のシナリオについて豊富に述べられていて助かった。一方であちらよりは専門用語の登場や、一定の化学知識が求められる論述が多いので、あちらで大筋理解した上でこちらに臨むといいかも。無論、それぞれ単体でも十分楽しめる。
・地球生命と呼ばれるものの発生までの過程、化学進化においても、ダーウィン進化的な流れがあったのではないかという発想、そして、01の極論ではなくスペクトラム的に捉える考え方、どちらもとても共感した。 -
Posted by ブクログ
まあ…、難しかった。教科書みたいな本でした。分子式いっぱい出てくるし。
要するに、地球の生命はどうやって出来たか、という研究を過去の研究から順に説明してくれる本です。
生命は原始地球の海でいきなりポンと出来たのではなくて、有機物が色々組み合わさって、なんとなく機能を持ったアミノ酸っぽいものになって、ちょっと高機能なたんぱく質っぽいものになって、半分生命と言えなくもない袋になって、と言う段階があったというのですね。
有機物は宇宙空間でもけっこう作られることも分かったし、地球生命はかなり思い切った極限環境でも生きてることも分かってきた。
んで、原始火星やタイタン、エウロパ、エンケラドゥスなどの衛星は原始地球の環境によく似ている事が分かってきたので、同じ事が起きてる、かも?という話も。
それが突き止められたら地球の生命の出来方も分かってくるし、
太陽系内で他所でも生命が出来てたら宇宙は生命で溢れてると言う可能性も出てくると。
おー、SFだ。面白いなー。
最先端科学のSF的な面白さって、好きです。
すごく面白い。
SF者諸氏にはぜひ触れてもらいたい世界だと思います。
そうそう、「生命のスープ」って、もう、ちょっと古いようです。 -
Posted by ブクログ
ドレイクの方程式。
フランク・ドレイク博士が提唱した、銀河系の中に、地球外知的生命体による文明がどれだけあるかを概算する公式。
N = R × fp × ne × fl × fi × fc × L
Nは銀河系内にあると推定される、電波による通信技術を持つ文明の数
R :銀河系内において恒星が誕生する速さ(1年間に恒星が誕生する数)
fp:恒星が惑星系を持つ確率
ne:一つの恒星が持つ生命に適した惑星の数
fl:生命に適した惑星から実際に生命が発生する確率
fi:発生した生命が知的生命に進化する確率
fc:知的生命が電波通信が可能な文明を持つ確率
L :高度な文明が存続する時間の長さ
ざっくりと言ってしまえば、何種類かの確率の掛け算となっている。
ちなみにこの式は、地球外知的生命体に関しての議論のたたき台として挙げたものだが、いつの間にか、この式だけが一人歩きしてしまったらしい。
この式の中で客観的なデータが取れるのは、R、fp、neのみ。
それでも、fpに関しては、最近になってようやく惑星が観測できるようになってきたので、データの蓄積が必要な項目だ。
本書は、このドレイクの方程式のne、fl、fiに関係するテーマを9人の学者が論じたもの。(確率を計算するわけではない)
生物学のテーマ5つと天文学のテーマ4つから成る。
一般的に生物学者は、地球外生命体には否定的で、物理学者は楽観的な予測をするらしい。
本書の生物学に関するテーマでも触れられるが、光合成のしくみや共生の絶妙さ等を知ると他の惑星でも同じような事が起きるのだろうか、という疑問を持ってしまいがちになる。
が、全体としては(「知的」な地球外生命体に限っていない、ということもあり)かなり高い確率で存在するだろう、という論調になっている。
自分も極限環境生物という類の生き物が存在する以上、同じような環境があれば、姿形はともかく、同じような能力を持つ生き物がいても不思議ではない、と思っている。
本書でも触れられているが、ドレイクの方程式を眺めた時、気になるのは最後の「L」
つまり、「高度な文明が存続する時間の長さ」
地球外知的生命体の発見に一番重要な点は「人類自身の文明が長く続くこと」
お互いを殺しあう道具ばかり作っている場合ではない。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ9つの論点(観点)から地球外生命はいるのか、そもそも生命が誕生するとはどういうことか、地球上での不思議な生物や進化について書かれた本。個人的に、宇宙人はあまり信用ならないが、微生物や、原生生物のようなものなら宇宙に広くいるような気がする。
自分の専門の生物系の話以外では、星間分子の話が一番好きやった。
「酢酸」が見つかっているってなかなかすごい。スペクトル見ながら、「お!酢酸やん」ってなってる様子がわくわくする。
この本で唯一気になったのは、地下生命圏に微生物はいるが、動植物は0という表現。植物は0かもしれんが、センチュウは動物やし、地下深くにもいるはず。 -
Posted by ブクログ
1ヶ月くらいかけて、ゆっくり読んだ。
著者は横浜区立大学大学院教授の小林憲正氏(1954-)で、科学で博士号を取った人物である。Youtubeの『EXTREME SIENCE』で氏のことを初めて知り、本書を読んでみたいと思った。
本書が書かれたのは2021年11月。この4年間で新しい発見があったかもしれないが、ほぼ最新のアストロバイオロジー(宇宙生物学)と考えて良いだろう。そのメインストリームは地球外生命の探査であり、その研究には化学、生物、物理、地学などの幅広い知識が必要である。本書はこれら基礎知識の説明も織り込みながら書かれている点が素晴らしい。
本書の白眉は「生命の起源」についての記述であろう。著者は、生命は「がらくたワールド」から生まれたと提唱する。いきなり巧妙な生物が生まれたとするとその確率は奇跡に近い。そうではなく「がらくたワールド」から「がらくたのような生命」が生まれ、その中からより巧妙なものが生き残る。初期の生命も「進化論」によって洗練されていったのではないかというのが著者の主張である。
地球では過去に5回の大量絶滅があった。生態系の頂点にいる生物ほど環境の変化に弱く絶滅に至るが、全ての生物が絶滅するわけではない。絶滅を免れた生物がいて、次の時代にはそれらが繫栄する。例えば、6500万年前の巨大隕石の衝突。これによって恐竜が絶滅しなければ、哺乳類の繁栄はなかったかもしれない。
このように、偶然性の入る余地があるのが生物学であり、だから生物は難しい。 -
Posted by ブクログ
既に天体観測技術の進歩によって、推定まで含めて約3000の太陽系外惑星の存在が確認されているらしい。
地球外生命というと、下手をすると地球外文明≒宇宙人≒チャネリング≒スピリチュアルなんとかみたいな胡散臭い筋に突入してしまうものも少なくはないのだが、この本で論じられていることはあくまで地球外「生命」であって、地球外「文明」ではない。
主要な論点として極限生物、RNAワールド説、星間物質の検出、太陽系外惑星の観測など、現状の研究から飛躍の無い範囲で考えていく、非常に興味深い本である。
地球外生命はSFとして非常に興味深くて面白くなるテーマであるのだが、SFじゃない現実の可能性としてもマトモな議論の対象になりえる時代になったということなのだろう。
とはいえ、現状での研究は地球外生命の存在可能性である。残念ながら地球外文明の存在可能性については、残念ながらまだまだ時期尚早の話題なのだろう…。セーガンの「コンタクト」みたいな話などは面白いとは思うのだが…。
まあ、そういうオレはUFOとか大好きだけどなーwww