あらすじ
生命はどう生まれたか。アミノ酸などが生成する過程と生物誕生の間に何があったか、いまだ明らかではない。しかし、現在その空白は、宇宙で作られた有機物が埋めるという見方が有力だ。宇宙が命のふるさとならば、地球外の惑星にも多数存在すると考えた方が自然だろう。本書は、進化のプロセスと、最新の惑星探査での知見をもとに、アストロバイオロジー(宇宙生物学)から、生命の起源と地球外生命に迫る。
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Posted by ブクログ
1ヶ月くらいかけて、ゆっくり読んだ。
著者は横浜区立大学大学院教授の小林憲正氏(1954-)で、科学で博士号を取った人物である。Youtubeの『EXTREME SIENCE』で氏のことを初めて知り、本書を読んでみたいと思った。
本書が書かれたのは2021年11月。この4年間で新しい発見があったかもしれないが、ほぼ最新のアストロバイオロジー(宇宙生物学)と考えて良いだろう。そのメインストリームは地球外生命の探査であり、その研究には化学、生物、物理、地学などの幅広い知識が必要である。本書はこれら基礎知識の説明も織り込みながら書かれている点が素晴らしい。
本書の白眉は「生命の起源」についての記述であろう。著者は、生命は「がらくたワールド」から生まれたと提唱する。いきなり巧妙な生物が生まれたとするとその確率は奇跡に近い。そうではなく「がらくたワールド」から「がらくたのような生命」が生まれ、その中からより巧妙なものが生き残る。初期の生命も「進化論」によって洗練されていったのではないかというのが著者の主張である。
地球では過去に5回の大量絶滅があった。生態系の頂点にいる生物ほど環境の変化に弱く絶滅に至るが、全ての生物が絶滅するわけではない。絶滅を免れた生物がいて、次の時代にはそれらが繫栄する。例えば、6500万年前の巨大隕石の衝突。これによって恐竜が絶滅しなければ、哺乳類の繁栄はなかったかもしれない。
このように、偶然性の入る余地があるのが生物学であり、だから生物は難しい。
Posted by ブクログ
めっちゃ専門的で複雑なことを丁寧に噛み砕いてくれてて、アホにもくっそわかりやすい!
古代エジプト人とギリシャ人てまじで天才よな
ジョルダーノ・ブルーノ
地球外生命研究の父
は?教会ってまじで余計なことしかしない
パンスペルミア説
隕石の中には生命の構成元素である炭素を多く含むものもあった=隕石の元になった天体に生命が存在した
生命の種(隕石)が地球に降ってきて、地球生命の元になった
惑星保護
・地球の微生物を他の惑星/衛星に持ち込まない
・地球外微生物から地球を守る
大地震とか大津波は、日本みたくプレートの境目だらけのとこでは脅威だけども、人類全体だと、火山(噴火)の方が大量絶滅に関わるような激ヤバ脅威
Posted by ブクログ
大変面白い本だった。いい加減な推論ではなく、わかっている知識を基にわかりやすく地球外生命の可能性を教えてくれる。火星や木星の衛星エウロパ、土星の衛星エンケラドゥスに水をもとに可能性があると語り、探索が進んでいくという反面、地球の微生物の他惑星への汚染やサンプルリターンによる地球外微生物の影響も懸念材料としてある。最後に地球外の知的生命体にコンタクトを取る前に、人間が地球を絶滅させないことが肝要。
Posted by ブクログ
宇宙人というよりも、地球でも過酷な状況で生存する生物の研究が進み、太陽系内で水がある、あるいは大気圏でハビタブルな場所があるところ、火星、エンケラドゥス、エウロパに水がある可能性を述べており、またエタンがメインであるタイタンにも別種の可能性を述べており、面白い。