小林憲正のレビュー一覧
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購入済み
面白かった
戸谷友則『宇宙になぜ、生命があるのか』と
一緒に読むといっそう面白い。
どちらが正しいかということではなく
生命の起源という同じテーマに対して
アプローチの仕方の違いで、
こんなにも違う結論になるのかと思うと
面白くてしょうがない。 -
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生命とは何か?生命はいかに誕生したか?といった根源的な問いについて、主に分子生物学の観点からこれまでの研究の歴史を紹介し、著者独自の研究成果から論説を展開している本。
素人にも分かるようにやさしく書かれていて、SFミステリーを読んでいるような感覚で楽しく読めます。
■ゴーギャンの絵@タヒチ 1898
生命はどこから来たのか、生命は何者か、生命はどこに行くのか
■パンスペルミア説
宇宙には生命の種が多数あり、光の圧力で地球にたどり着いたとするアレニウスの説
■シュレディンガーの生命観
生命とは負のエントロピーを食べるもの
■生命の特徴
水と有機物に依存する、細胞膜を持つ、代謝する、自己 -
Posted by ブクログ
・一回通読。戸谷先生が同じくブルーバックスで生命の起源について書いた本を先に読んで、こちらを読んだが、相補的なのでセット読みを推奨したい。
・戸谷さんの方ではあっさり目だった生命の起源研究の歴史や、RNAワールド以外のシナリオについて豊富に述べられていて助かった。一方であちらよりは専門用語の登場や、一定の化学知識が求められる論述が多いので、あちらで大筋理解した上でこちらに臨むといいかも。無論、それぞれ単体でも十分楽しめる。
・地球生命と呼ばれるものの発生までの過程、化学進化においても、ダーウィン進化的な流れがあったのではないかという発想、そして、01の極論ではなくスペクトラム的に捉える考え方、 -
Posted by ブクログ
まあ…、難しかった。教科書みたいな本でした。分子式いっぱい出てくるし。
要するに、地球の生命はどうやって出来たか、という研究を過去の研究から順に説明してくれる本です。
生命は原始地球の海でいきなりポンと出来たのではなくて、有機物が色々組み合わさって、なんとなく機能を持ったアミノ酸っぽいものになって、ちょっと高機能なたんぱく質っぽいものになって、半分生命と言えなくもない袋になって、と言う段階があったというのですね。
有機物は宇宙空間でもけっこう作られることも分かったし、地球生命はかなり思い切った極限環境でも生きてることも分かってきた。
んで、原始火星やタイタン、エウロパ、エンケラドゥスなど -
Posted by ブクログ
ドレイクの方程式。
フランク・ドレイク博士が提唱した、銀河系の中に、地球外知的生命体による文明がどれだけあるかを概算する公式。
N = R × fp × ne × fl × fi × fc × L
Nは銀河系内にあると推定される、電波による通信技術を持つ文明の数
R :銀河系内において恒星が誕生する速さ(1年間に恒星が誕生する数)
fp:恒星が惑星系を持つ確率
ne:一つの恒星が持つ生命に適した惑星の数
fl:生命に適した惑星から実際に生命が発生する確率
fi:発生した生命が知的生命に進化する確率
fc:知的生命が電波通信が可能な文明を持つ確率
L :高度な文明が存続する時間の長さ
ざ -
Posted by ブクログ
ネタバレ9つの論点(観点)から地球外生命はいるのか、そもそも生命が誕生するとはどういうことか、地球上での不思議な生物や進化について書かれた本。個人的に、宇宙人はあまり信用ならないが、微生物や、原生生物のようなものなら宇宙に広くいるような気がする。
自分の専門の生物系の話以外では、星間分子の話が一番好きやった。
「酢酸」が見つかっているってなかなかすごい。スペクトル見ながら、「お!酢酸やん」ってなってる様子がわくわくする。
この本で唯一気になったのは、地下生命圏に微生物はいるが、動植物は0という表現。植物は0かもしれんが、センチュウは動物やし、地下深くにもいるはず。 -
Posted by ブクログ
1ヶ月くらいかけて、ゆっくり読んだ。
著者は横浜区立大学大学院教授の小林憲正氏(1954-)で、科学で博士号を取った人物である。Youtubeの『EXTREME SIENCE』で氏のことを初めて知り、本書を読んでみたいと思った。
本書が書かれたのは2021年11月。この4年間で新しい発見があったかもしれないが、ほぼ最新のアストロバイオロジー(宇宙生物学)と考えて良いだろう。そのメインストリームは地球外生命の探査であり、その研究には化学、生物、物理、地学などの幅広い知識が必要である。本書はこれら基礎知識の説明も織り込みながら書かれている点が素晴らしい。
本書の白眉は「生命の起源」についての記述で -
Posted by ブクログ
古いパソコンを立ち上げる。
そこには10年以上前に撮り溜めた写真や当時聞いていた音楽が眠っていた。息を吹き返す。
私は、ぐっすり眠る。人間を構成する細胞とその電気信号が意識を規定するならば、私という人間が死んでも、古いパソコンと同じように。その脳細胞の配列にまた電気信号を流せる日が来るなら、その肉体に私は再生される。
怖いのは肉体の腐敗だと思っていたが、火葬でも、取り返しはつかない。経験により育ち、内受容感覚を惹起するその配列こそが自我である。
生命は何故生まれ、どこからが生命なのか。あなたという生命は、あなたしかいない。本書は、科学の世界だが、神秘の世界でもある。難しく見えるが、ゆっく -
Posted by ブクログ
めっちゃ専門的で複雑なことを丁寧に噛み砕いてくれてて、アホにもくっそわかりやすい!
古代エジプト人とギリシャ人てまじで天才よな
ジョルダーノ・ブルーノ
地球外生命研究の父
は?教会ってまじで余計なことしかしない
パンスペルミア説
隕石の中には生命の構成元素である炭素を多く含むものもあった=隕石の元になった天体に生命が存在した
生命の種(隕石)が地球に降ってきて、地球生命の元になった
惑星保護
・地球の微生物を他の惑星/衛星に持ち込まない
・地球外微生物から地球を守る
大地震とか大津波は、日本みたくプレートの境目だらけのとこでは脅威だけども、人類全体だと、火山(噴火)の方が大量絶滅に関 -
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Posted by ブクログ
既に天体観測技術の進歩によって、推定まで含めて約3000の太陽系外惑星の存在が確認されているらしい。
地球外生命というと、下手をすると地球外文明≒宇宙人≒チャネリング≒スピリチュアルなんとかみたいな胡散臭い筋に突入してしまうものも少なくはないのだが、この本で論じられていることはあくまで地球外「生命」であって、地球外「文明」ではない。
主要な論点として極限生物、RNAワールド説、星間物質の検出、太陽系外惑星の観測など、現状の研究から飛躍の無い範囲で考えていく、非常に興味深い本である。
地球外生命はSFとして非常に興味深くて面白くなるテーマであるのだが、SFじゃない現実の可能性としても -