高橋弘希のレビュー一覧
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「日曜日の人々」とは自助グループへの参加者が自身を語った原稿をまとめている冊子。主人公の航は従妹が自死をしたことにより、この自助グループの存在を知る。
そこで知り合う人々を通して「死」に向き合っていく。
最後の車内での一連の文章を読んで、自分が死ぬとき自分は何を思うのか、ワクワクしてしまった。
自傷も拒食も不眠も、すべて言葉。
自分に、他人に、伝えたいことがある。死を選ぶときは言葉がなくなった時なのかもしれない。(薬物依存に関しては言葉ではないと個人的には思ったり。)
言葉はいつ何時刃物になるかわからない恐ろしい道具だと思う。
高橋さんが紡ぐ言葉は葉っぱのようだ。気づいたら少し切れていて、 -
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愛犬の死後、スイミングスクールに通うと言い出した娘を持つ母の気持ち。
母となって、思い出される自分の母との記憶と幼少期。
日に日に泳ぎを覚えてくる娘の成長。
母と一緒に録音したカセットテープのこと。
他短編。
自分の不貞のせいで妻と別居している期間に
熱を出しそのまま意識が戻らなくなった幼い娘を見舞う日々。
2つの話も落ちはない。
著者の話は結末がどうとかじゃなくて、繊細で陰影のある文章や雰囲気を楽しむ感じ。
それが心地よい。
スイミングスクールのバスに乗り遅れた娘の悲壮感、
大人になれば大したことのないそんなことだけど、子供の時は確かにそうだった気持ちを思い出させてくれる。 -
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ネタバレ圧倒的なリアリティとか読んだ人みんなが言っているのだがホントにそうで、見た人しか書けないような、圧倒的な生々しさが全編に漂っている。まるで太平洋戦争のその時その島のその場所の臭いまで感じるような内容。野火を読んだ時と同じような感覚も覚える。イメージのような戦いのない戦わない戦場があり、それ故の悲惨さが重くのしかかる。戦争だけはしたくないとつくづく思うし、自分の子どもが戦争に行き戦うと言うなら何も考えずに止めたい。戦場で戦おうが戦わなかろうが、死がそこにある状況、個人の意思に反した死を迎えざるを得ない場面を絶対的強者が作るべきではないと思う。戦わざるを得なかったというのは思考の停止であり、そうせ
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ネタバレ以前読んだ大岡昇平『野火』は古い作品であることもあり読み辛さがあったが、こちらは2017年刊行ということで非常に読みやすかった。
『野火』の終始タイヘンな生活とは大きく異なり、尾の小説の描写は長閑で平和な感じ。もちろん周囲は死で溢れているのだが、それも感傷的だったりドラマチックであったりブラックユーモアが交じっていたりと、大人しい文学という感じがした。戦争における日常。戦争が凄惨なものであるという前提に立てば、どこか壊れたけど平和に見える日常(2016年のヒット映画『この世界の片隅に』とか)が描かれていると言えるだろうか。
ただし、その日常が仮初めのものであり、そこにいた人が既に壊さ -
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あらすじを読んでみてすぐに気になった作品。
不穏な空気感、意味ありげな情景描写、緊張感のある文体、そういうのすべて好みでした。
ただ「スイミングスクール」と「短冊流し」の、どちらも上手く感想をまとめることが難しい。
自分がこの小説を読んで何を感じたのかが自分でもよく分からない。ただ心が確かにざわついた。
9歳の娘ひなたをスイミングスクールに通わせることにした早苗。
自分もかつてスイミングスクールに通っていたな、と早苗は自身の幼少時を回想していく。
母との確執、伯父との関係、まだ赤ん坊のひなたにぶつけた言葉、録音したカセットテープ。
どうにもならない過去があり、これからも続いてく日常がある。
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ネタバレ子供部屋に引きこもるニートのおじさん=こどおじたちが、ダークウェブ上で復讐を請け負い実行していく話。
こどおじたちの正体や、どうやって生活や復讐が成り立っていたか分かる訳ではなかったのが残念だけど、暗いテーマなのにこどおじ側のコミカルさで軽やかさが生まれてサクサク読める。
復讐を依頼した人たちの人生が好転して良かったが、その人が今度は恨みを買う側になりそうな不穏なラスト。自分の行動をちゃんと意識していないとなぁと思った。
いじめっ子って家庭環境に問題があることが多いみたいだし(だからといって許されることではないし)、いじめられた方が対処するんじゃなくて、いじめっ子側を対処した方がいいよなぁと -
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ネタバレダークウェブに潜む謎の復讐代行組織「子供部屋同盟」。パワハラや詐欺などの現代の悪を断罪する。痛快な復讐の裏に潜む、人間の闇と変節を描く連作短編集。
復讐という劇薬がもたらす、一瞬の「見せかけの温かみ」を感じる一冊だった。
物語の前半、読者はダークウェブに潜む「子供部屋同盟」が理不尽な悪を裁く様に、胸が軽くなるような痛快さを覚える。しかし、後半に進むにつれて、その救済の裏側に潜む「人間性の欠落」という真の恐怖が牙を剥く。
特に印象的なのは、パワハラから救われたはずの人物が、幸せな生活の中で、かつての自分と同じ苦しみを他人に与えかねない発想を自然に抱いてしまう描写だ。「のど元過ぎれば熱さ忘 -
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タイトルに惹かれて。そして、芥川賞作家がエンタメを書いた、ということで。
6つの連作短編とエピローグ。
ひとつひとつは非常に読みやすい勧善懲悪モノで、エピローグでいいオチが付いていた。
ブラックユーモアもネットスラングも味わい深い。
面白かったが、「ファイル6」以外は内容的に少し薄いかなとも感じた。
せっかくダークウェブにまで侵入してまで、と思うと、事件も復讐もスケールが小さい。
その日常性が魅力だとも言えるが、この手の復讐モノは割と溢れている、飽和状態だから、物足りないと感じるのかもしれない。漫画などを見れば……。
「子供部屋おじさん」と社会から揶揄される存在が、代行業として復讐するとい -
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社会から疎外された、こどおじが集い「子供部屋同盟」という復讐代行組織が、ダークウェーブに潜んでいる。
裁かれぬ現代社会の悪を子供部屋おじさんが、復讐するといったわけだ。
対価は動機という金銭を要求しないのも面白い。
成敗レベルは、悪戯レベルからタヒレベルまであり、レポート作成と同時に選択する。
ハロー、ハウロウ、こちら通信部のジョン・万次郎とのやりとりも危険さや冷たさを感じず逆に親しみを覚えてしまうのだが…
一気に読める痛快無比の世直しエンタメだった。
①パワハラ上司成敗
②オレオレ詐欺成敗
③痴漢冤罪成敗
④バイトテロ成敗
⑤書店万引き犯成敗
⑥いじめっこ成敗