高橋弘希のレビュー一覧
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高橋弘希さんは芥川賞候補作の『指の骨』に続いて2作目(後に『送り火』でで芥川賞受賞)
本の紹介にはでかでかと「芥川賞作家が挑む、痛快・世直しエンタメ!」とあります。
ダークウェブ上で被害者の相談を受けた、いわゆる「こどおじ」(大人になっても実家の子ども部屋に住み続けている未婚の中年男性)集団が行う復讐代行を描いた短編集。パワハラ上司、祖母の貯金を巻き上げたオレオレ詐欺、痴漢冤罪。。。。確かに紹介通りの復讐代行。でも、そこは『指の骨』の高橋弘希、何かどんでん返しの様なモノがあるだろうと期待していたのですが。。。最後の最後に小さな反転がある位で、肩透かし。
まあ、エンタメに徹したと言えばそれまでですが。。。 -
Posted by ブクログ
高橋弘希さん、「送り火」とか「指の骨」のように読んでいていて気持ちが暗くなっていく本が多いから、世直し系というか成敗系の話書くんだ〜と思っていたら、やっぱりほんのり薄暗い…でも痛快。
酷い目に遭った人たちより子供部屋おじさん(おばさん)たちがどうして今こうしているのかを知りたくなった。でも語られないからこそ謎めいていていいな。
バイトテロされて訴えないとかいじめ加害者を直接的に成敗しないとか、ちょっとしたもやもやはあるけど現実ってこういう感じかもな。やたらリアルなのは最初の被害者が加害者の片鱗を見せて終わるところ。子供部屋同盟が解散しても、きっといずれ復活して彼は社会的に死ぬんだろうな。
色んなキャラが元ネタになっていたけど、不二家ちゃんが一番気になる…うっとりするような声を聞いてみたい… -
Posted by ブクログ
5篇からなる短編集。
「叩く」の登場人物の佐藤。
闇職の掲示板で見つけた仕事は空き巣の補助だった。
この男、依頼人に裏切られ
高齢女性と一緒に残されてしまったのだが。
「アジサイ」も「叩く」も
最終的にどうなるのか書かれていない。
不穏な空気がヒタヒタと・・・。
最終章「海がふくれて」は幼馴染の男女のやり取りが清々しい。
いやいや、本当にそうなのか。
どこかに隠されているブラックな部分を見落としてはいないか。
(ブラックは波?)
つい、そんなことも思ってしまった。
どの章も不穏だけれど、そこで描かれる色や光、匂いなどが
頭の中でパーッと広がり楽しかった。 -
Posted by ブクログ
人の心情の深いところを存分に味わえる本。
5つの短編集で構成されている。
叩く アジサイ 風力発電所 埋立地 海がふくれて
「叩く」は闇バイトに足を突っ込んだ人が、強盗に入った家で仲間に裏切られた所から始まる。
自分がどうするのか、何が正しいのか、ぐるぐると考えている訳だけど、とてもリアル。
他の話も、ちょっとした怪談にも思えてしまう空恐ろしさを兼ね備えている。
アジサイは、アジサイが咲いていく様を美しく描いているだけに、最後のシーンがぞわっとする。
風力発電所は、1番ゾゾゾとしたかもしれない。
埋立地も、一見子供達の悪戯心が呼んだちょっとした冒険話のようだけど、やっぱり怖い。
海がふくれては、1番穏やかで爽やかな感じではあったけど、海の恐ろしさが存分に描かれている。
後味が良いかと言われるとそうではないけど、
どれも、ちょっと怖くて、でもその怖さゆえかグイグイ引っ張られて読んでしまう。
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Posted by ブクログ
誰かの人生のほんの一編を覗いてみたら…
いろんな角度から見えてくるものがある、そんな5つの短編集である。
表題作である「叩く」には驚きと戸惑いと見とどけようとする自分がいた。
どうしたいのか、どうするのがいいのか…。
闇バイトに手を染めた若者が押し入った先で、老婆の横で転がされていた。
猿轡をされ、結束バンドで後ろ手に縛られた状態の老婆がじっとこちらを見ている。
いっしょに押し入った仲間に殴打され気を失っていた若者は、どうするべきか…。
「アジサイ」庭にアジサイが咲いた日。妻が置き手紙を残して実家に帰った。
理由を考えたけどまったくわからない。
連絡しても出ない。
アジサイはいつまで咲くのか…
「風力発電所」青森で見た風車機。民宿に泊まった彼は不思議な音が気になり眠れない。
車を走らせていると物音の正体に気づき、近くまで行くと腐臭を嗅ぐ…何かあるのだが、作業服の男に追い払われる。
あれは何?
「埋立地」少年の頃に遊んでいた埋立地の中にある横穴。友だちと4人で入ってみたが、奥から呻き声が…、足元は濁った汚水に浸されて恐怖と怯えから一目散に逃げる。
あれ以来入ったことはない。
だがそこの埋め立て地は都市開発により発展し、そこの新興住宅地の二階家を買って住んでいる。
あの横穴は何だったんだろう。
「海がふくれて」天災により港町にも被害をもたらした。琴子の父も行方不明のままだ。
海のせいだろうか、それとも理由があっての行方不明なのか…。
未だに父のことを気にかけながら生活する琴子は、父に宛てた手紙を硝子瓶に入れて海へ投げる。
それを知ってか、知らずか父は…。
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Posted by ブクログ
ネタバレこれが純文学だったことに気づいてびっくりする。帯だけ読んで、てっきりエンタメかと思っていた。
叩く
受験問題とか、国語のテストに出そうな話。
佐藤の心理を答えさせられそう。
闇バイトで強盗をした佐藤。組んだ塚田に殴られ、気付くと被害者の老婆と共に現場に取り残されていた。顔を見られた老婆を助けてやるか、殺すか、人生の折々を思い出しながら佐藤は悩む。
老婆の家の鳥かごには、2羽の小鳥がいた。佐藤は鳥Aと鳥Bと名付ける。鳥Bは片側の風切羽がまだらに抜けていた。
悩んだ佐藤は、50円玉を畳に落とし、表が出たら殺すと決める。しかし落とす前に鳥の悲鳴が。見ると鳥Aが鳥Bの風切羽を毟っているのだった。
佐藤は鳥かごの出入り口を開け、窓の外に出す。鳥Bは夜空へ飛び立った。鳥Aが飛び立つ素振りを見せたとき、佐藤は鳥Aを引きずりだして出刃包丁で頭を切り落とす。
佐藤は老婆を殺すため、階段を降りていく。
アジサイ
田村が夜遅く自宅に戻ると、テーブルに しばらく実家に帰らせていただきます という妻の置き手紙が。
原因もわからず、実家の義両親も妻と仲立ちをしてくれない。
風力発電所
風力発電所の風車を見るために、東北の村の民宿に泊まった作家。インフラも整っており、住みやすそうだと感じるが、夜中に規則的な吐息のような音が。その耳障りな音で眠ることができず、外に出る。
それは風力発電の音だった。そしてどこからか漂う腐臭。臭いのもとを辿ると、風車の下に散らばっているオジロワシの羽と臓物を見つける。
東京に戻った作家は、電気の恩恵にあずかりながら、風車の風景を思い出すのだった。
埋立地
ホラー脳なので、何も起こらなくてびっくり。
こんなん、すごく怖いでしょ。
浩一が、息子の浩太に話した子どもの頃の冒険譚。
浩一たち小学3年生の4人は勝手に埋立予定の工事現場に入り、横穴を見つける。ペンライトの灯りを頼りに入っていくが、ペンライトが点かなくなり、完全な暗闇に。浩一たちは怯えながら入り口に戻ろうとする。
海がふくれて
ジブリが映画にしそう。読後感が爽やか。
災害で父が行方不明になっている琴子は、瓶に父への手紙を入れて海に投げる。
幼馴染のソウタと付き合いはじめ、鍵のかかった灯台に忍びこんだり、犬のキナコを連れて散歩したりする。
雨の日にソウタと連絡がつかず、琴子は海辺に探しに行くが、そこに津波がくる。琴子は波にさらわれつつも逃げ、灯台に逃げ込む。
助かった琴子は、この津波で父の頭骨が流されてきたことを知る。 -
Posted by ブクログ
バンドサクセス小説ですが、純文学要素が多大に入っているのでちょっと何言っているか分からないという部分も沢山ありました。でもバンド小説として序盤はとても興味深く、あるある要素も含めて面白かったです。
次第に訳の分からないバンドになってしまって、読んでいてどんな音楽やっているのか分からなくなってしまいました。
序盤はオルタナ系で曲がメロディアスで歌謡曲っぽい親しみやすさがあるようだったので、ウイーザーなんかを想像していましたが、シアトリカルな要素が多くなってきて、ゴスっぽくなったり、ナパームデスなんて言葉が出て来たり、どう考えてもリスナーはドン引きだと思います。牛の頭蓋骨被ったりようわからん。