森橋ビンゴのレビュー一覧
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いやもうなんというか、苦しいなあ。
未来を好きなくせに、三好さんと付き合う四郎は確かにクズだろう。
(そのことを三好さんに告げていることは救いではあるけれど)
でもこれは、責められないなあ。
未来のことを忘れなければならない。
そのために、三好さんにある意味すがっているのだ。
それは甘えだけど、それでも好きな気持ちを無理やり忘れることができるほど誰もがそんなには強くないのだ。
思春期だもん。
恋愛だもん。
そんなうまくいかないこともあるよね。
そのまっとうで等身大な心情がとても苦しい。
個人的にも好きな人はかなわなくて、その想いを抱えたまま別の人と付き合ったことがあるだけに、読んでていろいろ身につまされた。
好きだから、離れなければならない。
やっぱりそうなるよなあ。
だけど、それで忘れられるのかな?
男ってたぶんどんなに離れても時間がたっても好きになった人のことを忘れられない生き物なんだけど。
たぶん最もハッピィな展開は、三好さんへの想いがもっと大きくなって、未来のことを諦めても納得できるようになること。
そんな未来が来ることを願うけど。
バレンタインの三好さんがいじらしすぎるしね。
物語展開的にはもちろん、いつか四郎の気持ちは未来にばれてしまうのだろう。
その時、二人の関係はどうなるのか?
その後どんな展開が待っているのか、怖いけど期待してしまう。
あと、実に久しぶりに三並君と東雲さんに会えてうれしかった。
そうですか、あれから10年経ちましたか。
真面目な三並君は東雲さんと肩を並べるまではとがんばってるんだろうけど、もうそろそろ結婚しなさいよ。
まあ、二人の仲睦まじい感じは安心したけど。
再登場もありそうなので、そちらも期待してます。 -
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ネタバレライトノベルらしからぬ重い物語、という前情報に手をつけるのを躊躇っていたが、実際に読み始めてみれば面白く最後のページまで続けて読んだ。
実家で傍若無人な姉3人に虐げられて生きてきた四郎が、広島の全寮制の新設高校に入学し、同室の織田未来と出会う。未来は性同一性障害であり、身体は女でも心は男だった。積極的な未来に引っ張られる形で四郎は女の子と遊びに行ったりバイトしたり、何より未来とくだらない話をして仲良く楽しく過ごしている様が良い。四郎の父がシャレにならないくらい自由人だったり、姉からの虐げられっぷりが笑えないレベルだったりと軽すぎない部分があるため、未来の性同一性障害の設定が作中で浮いていない。
これは、マイノリティの物語だ。普通を過ごすために特別な配慮を必要とすることなどは、マイノリティの気持ちとしてよく分かる。主人公の四郎があまりものを深く考えない人間であり、かといって人をいらつかせるわけでもない。その適度な無関心が心地良い。身体は女である未来に恋をしてしまい、心は男だから一生そんなことを言えるはずもなく。ただ側にいるだけの日々の中で、勘のいい未来が気付いてしまわないかが心配。
ライトノベルか?と聞かれるとライトではないが、語り口と広島の雰囲気が重く見せていない。これはいい物語。 -
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ネタバレ評価:☆4.5
東雲侑子シリーズの二人が贈る、ためらいと切なさの青春ストーリー、開幕。
超理不尽な三人の姉から離れようと全寮制の高校に入学を決めた主人公・四郎。そこで体は女、心は男な「性同一性障害」の織田未来とルームメイトになることに。
「――恋は、心でするのだろうか?それとも、体でするのだろうか?」
困惑しながらも男として接しようとする四郎、だが四郎が感じる心地よさは、友情以上のものに段々と変わっていく。
この辺のバランス感覚が絶妙でしたね。どうしようもないやりきれなさ、切なさが伝わってきた。
奇抜な設定でありながらもインパクト重視で軽く適当に済ませるのでなく真摯に向き合っているのも好印象。
"もう、遅いよ、未来。"
二人の着地点はどうなるのか気になるところ。
あとこの作品は広島が舞台になってるんですが、作中に出てくる女の子達の広島弁が超可愛いw
三好さんとか天使な性格も相まってもう天使かと思ったっていうか天使だった(錯乱) -
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いやあ、切ないわ。
言ってみれば禁断の恋だもんなあ。
好きな人に好きだという気持ちさえ気づかせてはいけなくて、自分の中に全てしまい込まないといけないなんて、高校生でそんな境遇になったら、そりゃ、どうしたらいいか分からなくて、どうしようもなくて、でも我慢できなくて、どうにかしたくなるよね。
そう言う意味で、四郎は十分頑張ってると思うよ。
でも、その人のことを忘れなければいけなくて、その時、別の誰かに好きと言ってもらったら……なんて言う出来事は、たぶん普通の恋愛でもあり得ること。
そのリアルさが胸に沁みる。
えらいと思ったのは、四郎がちゃんと好きな人がいることを伝えた上で、返事をしたこと。
それがたとえ相手への甘えでも自分の弱さでも、それはフェアだと思うのだ。
それは、いろんなイベントを通してすこしづつ四郎と三好さんの仲が深まっていたからこその選択。
三好さんには頑張って欲しい。
でも、やっぱり悪い結末しか想像できないよ。
そうなった時、四郎はどうするんだろう?
なんだか、先を読むのが怖くなってきた。
でも、たぶん読まずにはいられないだろう。
それにしても女子寮浴場のぞきのエピソードとかはなかなか愉しかった。
高校生男子だよなあ(爆)
あと、作者の前作のファンには巻末のショートストーリーと会わせて久しぶりにその後の彼と彼女に会えたのは嬉しいかぎり。
ひょっとして本編に登場なんてこともあるかもしれないと思ったり。 -
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3年生編にして完結編。
すっかりリア充になってる英太+東雲さんですが、
ええいもう勝手にしろではなく、だからこその完結編です。
作家という社会的地位を持っている彼女に対して、
ほんとうに何となくでスタートしていた英太がやっと
ゴールを見つけるという。
その決意を語るシーンは、泣けました。
1巻の彼がよくぞここまで、と。
変化は彼だけでなく、東雲さんが挿絵を見るともはや別人。
これが彼女も彼に合わせるように交友が広がり、人間として
大きくなった彼女の姿。
英太はそれが作家・西園幽子にとっては良いことなのかと
思うシーンもありますが、
人間の経験に無駄はないと思っています。
まぁ、有美さんは最後まで苦手だなぁと思いましたが、
実は血のつながりのない英太にも似てるんだなぁ。
ニブチンなところはとんでもなく似ている。
どっちもそれで苦しんだ相手に1巻使わせてるわけで、
ニブチンて怖いな…(おい) -
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前々から読んでみたくて、やっと読めました。
森橋先生は以前「三月、七日。」を読んでから
良いなと思っていましたが、今回もなかなかどうして。
有美さんみたいなキャラは女の目にはいるのかよ、
と思いかけて、女性の少女漫画でそっくりなキャラが
いたのを思い出しました(笑)。
というのも、川原由美子先生の「前略・ミルクハウス」(懐かしい!)
の芹香ちゃんと藤くんを思い出したのです。
この、思春期を卒業しかけの男の子とお姉さんぶる
異性のみに受けそうな古典的女子というのは今も昔も王道かも。
そしてそこに新たな風を吹かせる毛色の違う女の子の存在も。
ここで終わっても綺麗だけれど、ここまでだと
「短編」の良さなので、続刊も気になります。 -
Posted by ブクログ
ライトノベルである。
太宰治とか芥川龍之介とかが書く日本の名作と呼ばれている小説と比べ、確かに時代背景は違うし普段使っている国語自体が大きく様変わりしてはいるのだが、本質的に大きな差は無いと思うのである。で、3巻で完結している様でもあるのでチョット読んでみました。
高校生の恋愛小説と言うと、私が中高生の頃にどぎまぎしながら読んでいた富島健夫の小説を思い起こすが、あっちの方面は彼の小説より過激ではないのである。ライトノベルならではなのかもしれない。
東雲侑子は高校1年生にして小説家というのはやや強引な設定(最近ではそうでもないのかもしれぬが)ではあるし、その浮き世離れ過ぎる性格もかなり強引な設定ではあるが、十分に興味を引くキャラクターとして描かれている。そして可愛いのである。
本書は、続きが楽しみな余韻を残してくれていて、ついつい続けざまに3冊読んでしまった(^_^; -
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ネタバレ評価:☆4.5
甘酸っぱくもほろ苦い青春ラブストーリー、ここに完結。
いやーもうね、若いねぇ、青春だねぇとおっさん臭い感想しか出てこないw
感情豊かになった侑子が可愛すぎてヤバいです。
「ずるくなったら、私のこと、嫌い?」なんて言ってからかってくるところとかもうたまらん!!w
英太は侑子のことが好きすぎる自分のことを病気だのヤバいだの形容してたけど、いたって正常だと思う。
そりゃあんな可愛らしい子が自分のこと好きだったら頭沸騰するって(笑)
こんな物語、フィクションですよね!?
リアルでこんな羨ましいことしてる奴はいませんよね!?ww
侑子に釣り合うだけの自分になりたい、と決意をする英太。この構図どっかで見たことあると思ったらさくら荘の空太だw
3巻で綺麗に物語を締めくくってくれて満足です。
文章もとても読みやすく、スラスラ読めました。
青臭いのが好きな人、甘酸っぱい恋にニヤニヤしたい人にはオススメですw -
Posted by ブクログ
ネタバレ評価:☆4.5
甘酸っぱくて青臭い二人の恋物語、ほろ苦い第二章。
少し関係が進んだように思える二人のカップルに次なる試練が・・・そう、第3者の女の子による主人公へのアタック。すれ違いと侑子の嫉妬。お決まりですね(笑)
でもその嫉妬も本人は嫉妬と明確に意識しているわけではないところが可愛いですね。
恋したことのない侑子にはモヤモヤする気持ちがなんなんなのか分からない・・・いや良いですね。実に初々しいw
何もかも言葉で説明すればいいというわけではない。
けれども言葉でないと伝わらないものも確かにある。
精一杯の勇気を振り絞って書かれたであろう脚本にこめられた侑子の想い。
ラストの侑子にはついついニヤりとしてしまうw
あーこんな青春送ってみたかったなー!(笑) -
Posted by ブクログ
ネタバレ評価:☆4.5
早熟な少年少女に贈る、もどかしく苦いラブストーリー。
主人公はかつて自分の兄の彼女に実らぬ恋をしていて、それがトラウマみたくなって何をやっても無駄なんだと無気力な生活を送っていた。
高校でも楽だからという理由で図書委員を選んでいて、同じ図書委員の東雲侑子の熱のない静けさに親近感を覚える。だが彼女にはある秘密が、作家であるという秘密があった。
作家である東雲が「取材」という形で付き合ってくれと主人公に頼み、それをOKするのだが――。といった感じです。
兄貴に劣等感を感じてるところとか、すぐにヤキモチ焼くところとか、色々悩んだりするところとか、とにかく主人公が青い。だがそれがいい(笑)
自分はこういう人間味のあるキャラが好きなもので。
東雲が長編を書いてないのは付き合ってる関係を保ち続けたいからなんだろうか?なんて思ったりするとニヤニヤするw
間に挟まれてる小説が東雲の気持ちそのまま書いてるのには気づかなかったな。
東雲も嫉妬してたのかと思うとこれまたニヤニヤが止まらないw
付喪堂骨董店みたく、東雲視点でこの物語があったらキュン死するかもしれん(笑)
初々しいカップルの今後に期待。