森橋ビンゴのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
自分の中では殿堂入りになりましたこのシリーズ。三巻で終わったことは寂しいけれど、丁度いいと思う。しかし、巻数こそ短かけれ、心情描写などとても丁寧に書かれていて、さらに一人称がそれを手伝って、物語に惹きこまれます。
誰だって抱いたことのあるであろう多々の感情描写には、在りし日の自分を思い出して共感することでしょう。
ニヤニヤな部分が多い今巻ですが、お気に入りは東雲が英太を上手に操る諸処のシーンと英太が自分のせいで作家としての幽子色が薄れていくことを慮る場面。しかし、何と言っても最後の恋愛学舎のラス文。あれには心が洗われました。あれは反則でしょう。あんなこと言われたら堪りません。
ラノベを読まない -
Posted by ブクログ
ついに完結の3作目。
あとがきであったり他の人が言うように決して打ち切りではないのであしからず。
本作は今までに登場してきたキャラクター全員集合といった感じ(といってもそれほど多くはない)で、主人公の周りで恋愛に発展する話しが出てきます。一方で高校3年生ということもあり将来を視野に悩み始める英太。青臭いと感じる(自身が高校生なだけに何とも言えない)行動であったり考えも点々と見えるもののそこが逆に、自分は共感といったものを感じた。そして進路を決断して、起こした行動、そしてその結果、最後のメッセージは心が暖かくなった。小説の文字を陳腐とする場合、それは何らかのアクションで解決する他ないのだろう。そ -
Posted by ブクログ
ネタバレ『東雲侑子は短編小説をあいしている』の続編。
タイトルが異なり、2としなかったのに好感が持てます。
作者自身もあとがきで述べていますが、前巻で女子高生ながら小説家として
細々と作品を発表している東雲は感情の起伏に乏しく、長編を書く事で壁を感じていました。
しかも題材を恋愛にと定めたので、そうした感情も分らず、
同じ図書委員で雑誌から小説家と知った主人公の少年に形だけでもと請い、つきあい始めます。
主人公も幼い頃に秀才の兄の恋人に恋人と考えず(幼さですね)恋をし、
やがて真実を認識することで感情を殺すことが多くなっていました。
似ている様ないない様な2人は交流を深めることでやがて互いを意識するよ