九井諒子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
RPGで魔王を倒したことがある人は読むべき漫画だ、たぶん。
ゲームしないからわからんけど。
RPGというわかりやすい勧善懲悪ものも(知らないだけでそうでないのもあるかも)、久井ワールドでは「ラスボス1人倒しただけで世の中平和になったら苦労しないわ」ということになる。
ゲームにはゴールが必要だけれども、現実の世の中に「ここにさえたどり着けばすべてが解決」というゴールはない。
でも、じゃあ現実がゲームみたいだったらよかったのか?
答えが一つの世界ならよかったのか?
争いの元は絶やせばいい、猿人(ホモサピエンス)と馬人(ケンタウロス)のどちらかしかいない世界にすればいいのか?
というと、
「そーかもね
でもちょっとだけつまんなかったかもね」
(from『現代神話』)
なのだと思う。
答えはわからんけど、諦めないよ。
諦めるということは見捨てるということと変わらない。
希望こそ、勇者がくれたものだ。
……というなんか説教臭いレビューになってしまうんだけど、久井さんはこれを、全部ファンタジーの体をとっているのに妙に現実くさく、笑えるほどしょうもないレベルに落として、私の隣で喋ってくれるので、笑いながら、ぎくっとしたり、あああーーー…あるよなあ……となったりする。ないよ。同僚がケンタウロスだったり、クラスメートに羽生えてたりはしないんだけど。
でも似たような「異種」はいくらでも隣にいるんだろう。私が異の方かもしれない。
でもどんなに異に見えても、きっと「なーんにも変わらない」んだろう。ケンタウロスに言われてしまうとな…。
そんなもんだと考えれば、いくらか、一緒に暮らしていくための良い意味での諦めと希望が見えてくるような気がする。
まあ、しょうがないか、という感じで。