齋藤孝のレビュー一覧
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非情の現代を泳ぎ切るための叡智の書です。
情報が次々に現れて消える状況で、私たちは「切り捨てる」ことを日々習慣化している。人を評価し、切り捨てるのも早い。「バカか、利口か」「使えるか、使えないか」「魅力的か、そうでないか」「誠実か、いい加減か」即座にふるいにかけられる。与えられる時間は短い。1分なら、人は待ってくれる。ならば、大切なことを常に1分でまとめる練習をしてみよう。簡潔かつ印象的に話すことは、才能ではない。練習するかどうかに、すべてはかかっている。
気になったのは、次のとおりです。
■1分間は一般的には短い時間として捉えられる。がしかし、1分間は、きわめて長い時間だ。
■考えろとい -
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ネタバレどんどん高速化される中で求められるのは、情報を素早く要約し、交換できる能力です。いわば〝情報の卓球化〟に対応できる人材が必要なのです。
情報を短い時間で処理する能力が「要約力」だと、私は思っています。
さらに球に変化があれば、もっと重宝されるでしょう。時と場合に応じて、角度のある球を自在に返せれば、「なんて頭がキレる人だ」と一目置かれ、「あの人と仕事をしたい」と言われる人になれます。
また人と深い関係を築きたくても、相手の言っていることがわからなかったり、意図が要約できたりしなければ、コミュニケーションを取ることができません。「あの人はいつもとんちんかんな受け取り方をする」ということにな -
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ネタバレ一芸に秀でた人は、みな何か重要な共通の認識を持っている、としばしば言われる。ある道において、相当なレベルまで上達をした人は、上達一般についての認識を得ているように思われる。また、何をやらせても上達が早い人がいる。このような人は、たとえ運動神経がそれほどよくなくとも、様々なスポーツにおいてある程度のレベルまで上達するのが早い。一方には、何をしても先が見えずに途中で挫折してしまいがちな人がいる。
上達を根底から支えるのは、「あこがれ」である。これがなければ、上達に勢いはつかないし、そもそも上達することの喜びが生まれてこない。藤子不二雄が手塚治虫にあこがれたように、あこがれが根底にあれば、上達の意 -
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ネタバレしかし初めて会う人と3分後には深い話ができたり、相手の専門的な知識や話題を、たとえ自分は素人でもきちんと聞き出せる能力があるかないかは、その人の人生の豊かさを決定づける鍵になる。出会いが人生の豊かさの質を決めるのである。
初めて出会う人と、どれだけ短い時間で濃密な対話ができるか。実はここに社会で生き抜く力の差が生まれてくる。これからの社会で間違いなく必要とされるのは、「段取り力」と「コミュニケーション力」だ。自ら動き、組み立てていく力を学校教育はおろそかにしてきた。 拙著『「できる人」はどこがちがうのか』(ちくま新書)で私が述べた3つの力は、教えられなくても自分でポイントを盗んで技をマスターす -
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高度なコミュニケーションの手段である、質問力についての解説書
齋藤氏は、冒頭で、日本人のコミュニケーション能力の低下をなげいている。
そのコミュニケーション能力を高める方法として、「質問力」を挙げている
逆説的に、「質の高い質問をつねに相手に発していく厳しさがなければコミュニケーション力はなかなか上達しない」と述べている。
本書の主旨は、「コミュニケーションの秘訣は質問力にあり」である。
心に残った言葉は次のとおりです。
・質の高い対話の例をたくさん分析し、なぜそれがすぐれているのかと見抜く目を養うこと
・自分が素人でも、質問の仕方によってすぐれた人からおもしろい話を聞き出すことができる