柴村仁のレビュー一覧

  • ノクチルカ笑う

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    ネタバレ

    人によるのかもしれませんが、自分はこの話の後味は悪くなかったです。個人的には好きな部類かもです。爽やか青春ストーリーかと見せかけて、段々とひびが割れて崩れていくような不穏さがついには弾けてしまう。またそれが解決を見たかと思ったら、さらなる不穏さを残して前半が終わる。後半はその不穏さを引き起こした正体に気付いてしまった者からの視点で進んでいく。犯人のトラブルを引き起こした理由を語る場面は清々しいほどサイコパス染みてて、ある意味一番印象に残ったシーンでもありました。前半と後半のラストでそれぞれの主人公が、自分がやったものだと心の内で白状する場面は、全然違う雰囲気の意味なのに、文章的には共通してて、

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    2024年11月21日
  • プシュケの涙

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    柴村仁さんを知った初めの本だったかと。
    前半と後半が独立して分かれていますが、それが関係しあっています。そのつながりを考えて、余韻に浸り続けた。由良彼方の飄々とした態度もまた。うん。当時読んだ時の気持ちを思い出します。

    すごく良かったです。

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    2024年08月05日
  • プシュケの涙

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    絵に惹かれてたまたま手に取った作品でしたが、
    彼方の考え方にも共感できる部分がたくさんあり読み始めたら止まらず一気に読み切ってしまいました。
    最後の二人の会話の内容に思わず胸がギューっとなりました。

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    2023年03月16日
  • プシュケの涙

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    青春小説は甘酸っぱさを押し出すものからカーストやイジメを描くものまで多彩な設定が置けるから小説とも当然相性が良い。数多ある青春小説の中で今回は由良シリーズ。二部構成で前半読んでその出来事を理解した上での後半は切なさが募る。やはり中高生に読んでほしいし、日常では体験できない出来事にも触れていろんな感情を抱いてほしい。

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    2022年12月23日
  • プシュケの涙

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    面白かったなあ。独特な構成なんだけど、その構成が物語を本当に切なくさせている。青春小説でありながら、青春を手放している小説でもあり……。心にしっかりと残るものがある作品でした。

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    2022年02月17日
  • 夜宵

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    街のお祭りから始まり大晦までの間、日が落ちると開かれる市がある。湖の小島で、面つけた人なのかすらも怪しい者たちが跋扈する市では、人には言えないものが全て揃うという。

    って和ホラー好きには刺さりまくるような話。刺さったよ…。千と千尋の雰囲気や恒川光太郎さんの夜市が好きな人間に刺さらないわけがないじゃない…。

    市を警邏するサザを縦糸に織りなされる、物々しいのに余韻が切ない短篇連作集。優しいサザ。
    思いがけずにヤンデレ男が出てきたのはびっくりした(性癖なのでありがてぇ〜!!)

    わたしは鈍い方なので、読み終わった後に一息ついて、最初から何気なく読み返してから「そういうことか!」ってやっと気がつい

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    2020年12月04日
  • 夜宵

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    最近で1番良かった…。こんなどんでん返しは想像してなかったし、涙するほど切なかったし、完璧に色々と騙された…‼︎‼︎
    先が気になりすぎて歩きながら読んでしまうほどでした笑(危ないので良くないですけど…)
    柴村さんの作品、初めて読んだけど他のも読んでみたいと思いました。

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    2020年11月22日
  • プシュケの涙

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    ネタバレ

    二部構成であり、一部は自殺した吉野の真相を確かめていくミステリーだと思っていたが、読み進めていくうちに良い意味で期待を裏切られた。人間の裏の顔(悪意、独善的な感情)が見えた瞬間のゾクゾクッ!とした不快な心の動きが忘れられない。まさか主人公と旭、織江が関わっていたとは。人間のちょっとした悪意で人を殺すことがあるんだな。現実にはそれが偶然行われなったの繰り返しで、自分ももしかしたら知らないうちに狙われているのかもしれないと思うと世界の見え方が変わる。
    二部は一部と対照に甘美で優しい物語だった。変人である由良と家庭環境が劣悪で人間が嫌いな吉野の出会い、仲良くなっていく過程。公式の言葉を借りれば「みん

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    2018年01月04日
  • プシュケの涙

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    ネタバレ

    初めはありふれた学園探偵ものかと思いきや、徐々に明らかとなる事件の内容と主人公の状況に嫌なものを感じ、救いのないラスト……。そして、追撃を加えてくる後半が、心にトドメをさしました。
    読後感がすさまじい一冊でした。またしばらく落ち込みそう…。
    (2014/10/27)

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    2016年08月21日
  • 鳴夜

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    死んで行く登場人物。細蟹の市。
    謎が解かれていくようだが謎が増えた気がした。

    丹とカンナはこれでよかったんだと思いたい。


    不気味で切ない。



    読んでいる間、鈴木雅久の夢で逢えたらが脳内BGMで流れてました(笑)

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    2016年06月13日
  • 夜宵

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    より本が好きになるきっかけになった本です。大きいサイズのほうも持っていますが、あちらは表紙やカバーが黒の分汚れに気を使うのですがこちらは小さいのでばりばり読めていいですね!

    いろいろと自分なりに調べると、柴村さんが民俗学や漢字や言い回しについて調べたか、熟知しているんだなー、と口をぽかっと開けたくなるほど手が込んでいて、何重にも感動。
    本の構成は経緯、をバラして進ませるという、思わず唸ってしまうようなうまさ。チョコレートスープやヒナちゃんの回では、市にいる人を変だとか評している街の側の人間、つまりお客さんのほうがよっぽどゾッとするなー、と背筋が寒くなりました。このお客さんへのゾッと感は、次作

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    2015年01月22日
  • ノクチルカ笑う

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    由良シリーズの続編ということで読みました。
    前3部作の方は読んだのがずいぶん前なのですっかり忘れてたので不安でしたが、なんとか読めました…さすが柴村先生、爽やか系かと思いきやダークなお話でおもしろかったです。真名井くんかっこいいです。惚れるのわかります。沖津くんも真名井くんもどちらも歪んでて、でも一見真っ当に見えて。高校生のきれいな歪な感じがすごくいい。読んでて息苦しくなるのは久しぶりでした。続編のありそうな終わり方でしたね。2人を主軸に据えるわけではなさそうですが、この後真名井くんと沖津くんがどうなるのか見たいです。
    そして由良は全然出てきませんでしたね。しかも脇役と言えるのかも怪しいレベル

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    2014年11月21日
  • 宵鳴

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    「夜宵」の続編。文庫が出るまで待とうかなと思いつつやっぱりこのドクドクの雰囲気を味わいたくてついつい買ってしまった。
    このなんとも言えない黒々とした世界感がすごく惹きつけられる。
    新しいキャラクターたちもとても魅力的で私はいとちゃんが好き。
    市に来る「人」の中で一番人らしいような、綺麗な心の持ち主のような。
    いとちゃんの身体の中には女の子の色んな所が詰め込まれているのだろうか。
    なんだか続きもありそう。
    また続きが出たら読みたい。

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    2014年11月21日
  • 夜宵

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    ネタバレ

     『プシュケの涙』の三部作以来で読む柴村仁作品。
     柴村さんの作品はとても好きなのですが、この『夜宵』はホラーテイストということで、購入しながらも後回し後回しになってしまいました。

     のっけから確かに怖かったです。でも、それ以上に、文章から伝わってくる「市」の夜の光景が頭の中に鮮明に浮かんできて、すっかり入り込んでしまいました。
     人物も個性的なのですが、それ以上に世界がすごい。
     そして、最後まで読んでまた冒頭に戻らせるような仕掛け。読者をも巻き込んで「市」の「円環」を作り上げている。
     さらに、不思議な章構成の謎が分かり、読み終わってからしばらく呆然としてしまいました。

     舞台となる小

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    2014年10月31日
  • ノクチルカ笑う

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    ああ、この二部構成。
    由良だ、由良シリーズだ。

    笑わない沖津と笑いたい真名井と、歪みと愛と寂しさの話。
    真綿で針を包むような、が正しい評価な気がする。

    溺れそうになるけど、死体が、光ってたら、恐ろしく、綺麗じゃない?

    あらすじが微妙にネタバレなのが気になる。もちろん、そのままの意味じゃないけど。だからこそ気になるけど。

    ところで、由良は笑ってる?
    ちゃんと笑えてる?
    うん、由良が笑ってるならこの話はこれでいい。

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    2014年10月23日
  • ノクチルカ笑う

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    ネタバレ

    メディアワークス文庫で書いていた「プシュケの涙」の「由良三部作」の続編と言う事でかなり気になって購入。
    物語は流石柴村仁さんと言うほど思春期なダークな感情を表しながらもまた続きを読ませてほしくなるような物語の進め方は流石と言わんばかりです。
    今回の物語もすごく面白かったですが、
    「由良シリーズ」といいつつ由良彼方はほんのちょっとしか登場せず、由良三部作とはあんまり関連しない感じ。
    実は由良彼方が登場してるんですよ!ぐらいで良かったのにー。
    いつ由良が登場するのかドキドキしてたのに、全然登場しなかったのが残念。
    物語はすごく面白かった。
    真名井君も沖津君も悲しい過去を抱えているが物凄く詳しく描か

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    2014年10月21日
  • 宵鳴

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    「夜宵」の続編。前回のような連作短編ではなく、ひとつに繋がったお話でした。(間にサザさんメインの短編がありましたが、それも繋がっています。)前回よりもキャラクターが増えました。芸人や不老不死の子や人形師に呆けた爺さんなどなど。前回よりもすこし軽くなったのでしょうか?背筋が凍るようなダーク部分が少なくなったような気がします。でも怖いのですけどね。やはり本ならではの叙述トリックがあり、それがおもしろかったです。(注意して読めば難しいトリックではありませんが。)次もありそうな気がするので、たのしみに待ってます。

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    2014年08月16日
  • 夜宵

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    冬の間だけ開かれる不思議な市を舞台にしたダークファンタジー。前半はもはやホラーのようにこわい。「チョコレートスープ」など、背筋がぞっとしました。主人公であるカンナくんと赤腹衆のサザの交流がやさしくて切ない。こんな結末になると思っていなかったので、予想外に胸を締め付けられました。ナキの考えも正論だからこそ、切なかった。そしてカンナの恋も切ない。胸がいっぱいで苦しいです。最後まで読むと、もう一度最初から読み返したくなります。名前や二人称のトリックがおもしろい。続編?があるようなので読んでみたいです。

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    2014年08月10日
  • 夜宵

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    この本の暗くて妖しい世界観が好きです
    人の欲ってすごいなって思うし、なによりとても悲しいなというか切ないなって思うような痛みを感じました。
    すごく面白かったです。

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    2014年05月14日
  • 宵鳴

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    夜宵を2年程前に読んで、とても絶賛したことを覚えています。
    2段組で引け目を感じますが、読み始めるとどんどん吸い込まれていく作品です。
    不思議なお話なので、人が残虐に殺されたりもします。
    何かしら裏で糸を引いていて、何人も登場人物が出てくるのに、最後はみな同じ目的である、土台のしっかりした物語です。

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    2014年02月16日