あらすじ
大晦日までの僅かな期間にだけ立つ「細蟹(ささがに)の市」。そこで手に入らぬものはないといわれ、欲望と幻想が妖しく交わるこの場所も、しかし少しずつ衰退の兆しを見せていた。滅びの予感に身をゆだねながら、赤腹衆のサザは最後の市守(いも)りとして今年もまた仮面をつけ、夜ごと市を巡回する。そんな折、市に大道芸人の父娘が流れてきた。彼らはある呪いを解くため、「うろくづ」という不思議な道具を探しもとめており……。
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「夜宵」の続編。文庫が出るまで待とうかなと思いつつやっぱりこのドクドクの雰囲気を味わいたくてついつい買ってしまった。
このなんとも言えない黒々とした世界感がすごく惹きつけられる。
新しいキャラクターたちもとても魅力的で私はいとちゃんが好き。
市に来る「人」の中で一番人らしいような、綺麗な心の持ち主のような。
いとちゃんの身体の中には女の子の色んな所が詰め込まれているのだろうか。
なんだか続きもありそう。
また続きが出たら読みたい。
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「夜宵」の続編。前回のような連作短編ではなく、ひとつに繋がったお話でした。(間にサザさんメインの短編がありましたが、それも繋がっています。)前回よりもキャラクターが増えました。芸人や不老不死の子や人形師に呆けた爺さんなどなど。前回よりもすこし軽くなったのでしょうか?背筋が凍るようなダーク部分が少なくなったような気がします。でも怖いのですけどね。やはり本ならではの叙述トリックがあり、それがおもしろかったです。(注意して読めば難しいトリックではありませんが。)次もありそうな気がするので、たのしみに待ってます。
Posted by ブクログ
夜宵を2年程前に読んで、とても絶賛したことを覚えています。
2段組で引け目を感じますが、読み始めるとどんどん吸い込まれていく作品です。
不思議なお話なので、人が残虐に殺されたりもします。
何かしら裏で糸を引いていて、何人も登場人物が出てくるのに、最後はみな同じ目的である、土台のしっかりした物語です。
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前作に引き続き、ワールド全開でした。
あれだけ死人が出るようなおぞましい市が舞台であるにも関わらず、グロさの他にどこかその世界に美を感じるのは細蟹含め、登場人物が不安定な存在だからなのでしょうか?
怨みだけでなく、愛や情も呪いと紙一重なのですね…。
読み進めて行くほど、細蟹の綻びが進んでいくのがわかります。サザは細蟹の一部でありそれゆえ飲み込まれてしまいそうで不安です。
とはいえ次回のサザの活躍も早くみたいので、ぜひ続きも読んで見たいと思います。
Posted by ブクログ
間違えてレビューを消してしまったので、改めて。なんと書いていたか忘れてしまった…。
夜宵の続編。今回も装丁が素敵。細蟹の市をめぐるお話。
今回はうろくづという謎の妖刀?に振り回される人々を描く。この独特な世界に、新たな登場人物が加わっていく。いとちゃんについては、なるほど、と思わされた。カラカラが操るからくり魚がとっても綺麗で、実物を見てみたい。
だんだんと崩壊へと近づいていく細蟹の市…。サザの心情が複雑。物語も難解になってきたような気がする。どう続くのか、次作を読み進めたいと思う。
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”今年も来てくれたのね”
また細蟹の市の雰囲気に浸かれるのが嬉しい。
ぽこぽこ焼き美味しそう…て所から始まり、「うろくづ」を探しにきた大道芸人カラカラ、目を布で隠した少女メトメ、足が鳥のこえよしなどが新たに登場し物語の中に入り込む。
哀しい男の話だなあ…あれだけ全てを賭してうろくづを求めたのに。
冒頭、末尾の台詞は誰の言葉?まことからサザへ?作者から読者へ?
また次の市も見られますように。
Posted by ブクログ
夜宵の続編。
「うろくづ」を巡る物語。
またサザに逢えて嬉しい、だけどまだ囚われて呪われて愛されているのかと思うと哀しい。
たくさん人が死んだ今回の細蟹の市。
色んなものを失って、
市の「終わり」の予感がする。
終わりのはじまり。
次の市も来てくれる?
きっとまたサザは来てくれる。
ところで夜宵さん、口悪いな…
Posted by ブクログ
大晦日までの僅かな期間にだけ立つ「細蟹の市」。そこで手に入らぬものはないといわれ、欲望と幻想が妖しく交わるこの場所も、しかし少しずつ衰退の兆しを見せていた。滅びの予感に身をゆだねながら、赤腹衆のサザは最後の市守りとして今年もまた仮面をつけ、夜ごと市を巡回する。そんな折、市に大道芸人の父娘が流れてきた。彼らはある呪いを解くため、「うろくづ」という不思議な道具を探しもとめており…。