青山透子のレビュー一覧
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森永卓郎さんの「書いてはいけない」の中で引用されていた本。
著者の青山透子さんは事故当時、当時を知る日本航空の客室乗務員として、また単独機として世界最大の航空機事故を起こした日本航空の関係者として、不明な点を明らかにしなければいけないという責任感から、丹念に目撃情報を集め、再度資料を読み返してまとめた本。決して陰謀論などではなく、具体的な証拠や目撃証言から事故原因に迫っている。
人命を最優先にしていたら4人だけではなくもっとたくさんの人たちの命が救われたのではないかと考えると残念でたまらない。
心に残った言葉
・故意か過失か、組織の指示か否か、いずれを問わず人命よりも優先されるものなどこの世 -
購入済み
森永卓郎さんの本から本書を知り、購入しました。
本書では推察は一切排除してありますが、森永さんの推察がまさに事実なのではと思います。 -
購入済み
ボイスレコーダーの公開を望む!
「日本航空123便墜落事故」は中学生の時に発生しました。
当時、ニュース報道を見ていましたが、なかなか墜落場所が特定されずモヤモヤしていた覚えがあります。
本書を読めば、これが「事故」ではなく「事件」であるとしか言いようがありません。
事故調査委員会の報告やマスコミ報道は、数々の疑惑に答えきれていません。というか逃げているのでしょう。(殺されるかも、と脅されたらそうなるのでしょうけど。)
中曽根康弘元総理は「自衛隊のミス(若しくは故意)が発覚したら、自分はクビになる」と、発覚を恐れて隠蔽を謀ったのでしょう。せっかく登り詰めた総理の座。動機としては十分です。
あるいは元軍人でもあるので、彼からす -
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青山透子『日航123便墜落 遺物は真相を語る』河出文庫。
『日航123便墜落 疑惑のはじまり 天空の星たちへ』、『日航123便 墜落の新事実 目撃証言から真相に迫る』に次ぐ1985年8月12日に御巣鷹の尾根に墜落した日航ジャンボ機の真相に迫るノンフィクション。
本作の中では現場の遺物を科学的に分析し、事件の真相を明らかにしようとしている。
日航123便の墜落事故を巡っては、当時、様々な情報が錯綜し、混乱した情報が陰謀説を生み出したのか、或いは著者が主張するように事故ではなく、自衛隊が引き起こした事件であって、自衛隊と政府による隠蔽操作が行われたのか……
ジャンボ機墜落前に目撃されたオレ -
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ネタバレ日航123便墜落事件。
国内で、満席のジャンボジェット機が墜落するようなことが起きるなんて!と、とても衝撃的な事件でした。
この事故を題材にした本も多く出版されています。
私も小説を何冊か、ノンフィクションも数冊読んでいました。
それでもこの本を読んだとき、自分が何も知らなかったことに気づかされました。
著者は元日航のスチュワーデスで、事故でなくなった乗務員の直接の同僚です。
事故当時は国際線乗務に替わったばかりで、それがなければ事故機に乗っていたかもしれないはずでした。
だから余計に、耳に入る情報と実際に発表される報道との乖離をもどかしく思ったのだと思います。
不審な、そして解明されてい -
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1985年に発生した日航123便墜落事故の原因を改めて整理し直した価値ある著作。毎年8月12日にニュースで報じられるこの悲劇は、有名人含む死者520名と過去に類を見ない大事故で、無残なご遺体の前に泣き叫ぶご家族の様子、懸命に操縦に集中するボイスレコーダーのやり取りなどが、衝撃的だった。が、当時学生の自分は、悲しいニュースは知りたくない性格もあり、また「圧力隔壁の修理ミス」というそれらしい結論を聞くと「そんなこともあるのか」という程度に理解していた。それから三十何年後に本書に出会ってびっくり大仰天した。なんと、原因と再発防止策が曖昧になっているとは。私もメーカー勤務で製品開発を長く担当しましたが
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青山透子『日航123便墜落 疑惑のはじまり 天空の星たちへ』河出文庫。
関係者の証言から1985年8月12日に御巣鷹の尾根に墜落した日航ジャンボ機の真相に迫るノンフィクション。
以前『日航123便 墜落の新事実 目撃証言から真相に迫る』を読んでいるが、刊行は本書が先だったようだ。もしも本書を先に読んでいれば『日航123便 墜落の新事実 目撃証言から真相に迫る』の感想も大きく変わったのかも知れない。それだけ本書は当事者の声を生々しく反映した衝撃的な内容だった。また、どうして著者が日航123便墜落事故の原因に執着したのかがよく理解出来る。
第1部では著者が一人前の日本航空のスチュワーデスにな -
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今日読むのにこれ程ふさわしい本があるだろうか。陰謀説のトンデモ本かなと不安だったけど、公式発表と矛盾する目撃証言を丹念に拾い上げ、憶測を完全に排除した内容だった。ファントム2機の追尾、オレンジ色の物体、ケロシンは灯油なのに現場にはガソリンとタールの焦げた臭い、完全に炭化した遺体… 自身の客室乗務員としての経験を踏まえて記した墜落までの描写は読んでいて緊張感が凄かった。事故の再調査を望むけれども、本書から導き出されるような真実が公開されて、日本社会はそれを受け止める事ができるのか?解説に、この事故でボーイング社に泥を被って貰ったことがプラザ合意にも繋がりバブルを経て現代日本を形作ったって推測があ
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今年の事故を振り返る追悼の新聞記事の解説でも「圧力隔壁破壊説」が公式の見解として、この作品の著者や森永卓郎さんの「外部衝撃説」が注釈として否定されていた。結論から言うとどちらの立場からの疑問点を払拭するような真実は見えてこない。ますます謎が深まったような気持ちになる。ただ、ヒステリックにも感じるほどの巨大な闇へ対して真相究明を求める執念は伝わってくる。最高裁上告棄却での吉備さんの「戦争で父親を奪われ、JALに夫を奪われました⋯」と言う感想の言葉に、戦前の「お国」と同じ権力構造かと背筋が寒くなるものがあったが、「真実に時効はない」と言う青山弁護士の言葉に少しだけ光を見た。
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違う本を買う目的で本屋に行ったが、タイトルに惹かれて「なんか今年のこの夏だからこそ読んでおかないといけないのでは?」と感じてしまった本2冊買ってしまいました。そのうちの一冊がこれ。当時小学生でしたが、友達のうちでこのニュースをテレビで見てたのを鮮明に覚えている。
“知らない”ってことは罪だとつくづく感じてしまいます、毎年8.12になるとニュースで御巣鷹山の慰霊登山の模様が流れてくるが、まさかこのような“真相”があったとは全く“知らない”ことでした。ボイスレコーダーが開示されない限り本書に書いてあることはあくまでも“憶測”かもしれないが、本書著者青山さんの調査研究を読むと“真相”としか言いようが -
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以前青山透子の著作に初めて触れたとき、日航123便墜落事故をめぐる数々の目撃証言や矛盾点に色めき立ち、こんなにも公式発表と違う世界があるのかとワクワクした記憶がある。ファントム2機の追尾、オレンジ色の物体、ガソリンとタールの臭い、炭化した遺体 - どれも謎解き的な構造を持ち、彼女の筆致も相まって一気に引き込まれた。
今回本書を読んで改めて思ったのは、やはり慎重な検証が不可欠だということ。CVRの非公開や相模湾での捜索消極など、政府側の対応にツッコミどころが残るのは確かだし、情報公開のあり方や初動対応の課題を指摘する意義は大きいと思う。ただ、青山氏の主張は目撃証言や推論に依る部分が多く、圧力隔 -
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日航123便の墜落事故については、当時まだ自分が生まれる前ということもあって、どんな出来事なのかあまり詳しく知らなかった。全部が全部まるっと信じられるかといわれたら何とも言えないところではあるけども、公式発表された情報と目撃証言の食い違いを埋めるように検証していくと、ここで紹介されてる筋書きが本当のことなのではと思ってしまう。それくらい謎が深く、いろいろ勘ぐってしまう事故なんだなと再認識。ただ、この一連の出来事がその後の日本経済に多大なる影響を及ぼした可能性があるという指摘には、背筋が凍る思いがした。もしそうなのだとしたら、これからも日本は経済的にアメリカには頭が上がらないということになる。