青山透子のレビュー一覧
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1985年の日航機墜落事故は、リアルタイムで報道ニュースを見聞きしていた世代です。『クライマーズ・ハイ』(フィクション)などは既読ですが、ノンフィクションは初めてで、初めて知る事実が多く、衝撃的な内容で辛くもありましたが、深く考えさせられました。
元日航客室乗務員である著者の青山透子さんは、その経験に裏打ちされた多くの事柄を背景に、多くの目撃証言を掬い上げ、犠牲となった乗客・乗務員の無念、遺族の想いに真摯に向き合っています。
多岐にわたる証言・資料により、事件性の疑念を記すも、決定的な証拠提供には至らず…。事故発生から数十年経過すれば、当然一般人が物的証拠を示すのも困難で、厳しく高 -
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『いつか真相がわかる日が来るのだろうか…』
1985年8月12日。日航ジャンボ機123便が群馬県・御巣鷹の尾根に墜落し、乗員乗客524人のうち520人が亡くなった事故の真相を追うノンフィクション作品。2018年本屋大賞のノンフィクション部門にノミネートされ、のちに文庫化。
単独機では世界最多の死者を出した飛行機事故であるが、著者の青山透子氏(元・日航CA)は事故ではなく事件であると主張する。機体の整備不良と調査委員会は結論づけたが、本書を読むと確かに何かがおかしい。国家ぐるみで隠そうとした真実があったのではないかと疑ってしまう。
仮に本書の推測が事実だとすれば、歴史は隠蔽されたことになる -
Posted by ブクログ
読んだのは単行本版。
読み始めると、著者が新人スチュワーデス時代に先輩たちにどんな指導を受けて、どんな風に仕事を始めたかということに紙幅が割かれていることが分かる。
このことが墜落事故のこととどんな関係があるのか、読み進めるうちにじわじわ分かってくる。
プロとして働くこと、自分の仕事に誇りを持って働くこと、そうしたことがなかなか難しくなってしまったのは、いったい何が原因なんだろうと考えさせられる。他のあらゆる業種に共通する問題があるとも感じる。
学生たちとともに新聞記事や地元の人の証言などを丁寧に追いながら事故ついて考えていく姿からは、自分たちの力ではどうにもならない何か大きな(悪い)力に -
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本書は、1985年8月12日に、東京発大阪行きの日航ジャンボ機123便が群馬県の御巣鷹の尾根に墜落し、乗員乗客524人のうち520人が亡くなった、単独機では世界最多の死者を出した事故・事件の真相を問うものである。
著者の青山透子氏は、元日本航空国際線客室乗務員で、国内線時代に当該機のクルーと同じグループで乗務。その後、官公庁、各種企業等の接遇教育に携わり、専門学校、大学講師として活動。東京大学大学院博士課程修了、博士号取得。
私は、この事故・事件については、しばらく前に、群馬県警高崎署の刑事官として身元確認班長と務めた飯塚訓氏が、現場で見た127日間を記録した『墜落遺体~御巣鷹山の日航機123 -
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青山透子『日航123便 墜落の新事実 目撃証言から真相に迫る』河出文庫。
1985年8月12日に御巣鷹の尾根に墜落した日航ジャンボ機墜落事件の真相に迫るノンフィクション。
果たして真実はどこにあるのか……自衛隊または米軍による事故の隠蔽なのか……
真相の鍵となるのはジャンボ機墜落前に目撃されたオレンジ色の謎の物体と2機のファントム機の目撃証言。ジャンボ機墜落の原因は訓練用ミサイルによる尾翼の破損で圧力隔壁の破損によるものではないというのが、著者の主張である。墜落現場を特定し、救助活動が遅れたのは訓練用ミサイルの痕跡を消すためにガソリンとタール臭が特徴的なゲル化燃焼剤を使って機体の残骸を燃 -
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ネタバレ
森永氏は、マスコミが流す情報がすべての真実ではないこと、そして事件の当事者・日航のみならず、政府筋が、特に防衛庁が情報を都合よく改竄し、世間に偽りの情報を流布してきたことに継承を鳴らしている
生データが開示されるならば、異常外力着力点の存在が明確になって、国家賠償の話になっていく。自衛隊の誤射となれば、自衛隊という公務員によってもたらたれたものであるから、国がその損害を補償しなければならない。つまり国に対して、遺族たちは新たに損害賠償が請求できたのである。もしも米軍が自衛隊に何らかの協力をしていたとすれば、それも賠償金にプラスされたであろう -
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衝撃の事故から(青山さんに言わせると事件)今年は40年、節目の年なので、大手メディアのニュースでも、事故を風化させるなという事で取り上げられているのが多い様な気がする。
ただし、寡聞にして事故原因について再検証している番組は私が知る限りない。公式的にはやはり決着しているという事なのだろう。
前作の「墜落の新事実」が衝撃的であったので、本作もこの時期に合わせて読んでみたが、今回は一応著者の主張を知った上での読書なので、驚きは少ない。
前作の証言や状況証拠を丁寧に積み上げての論証は説得力もあったが、本作品では遺体の状況を丹念に調べて、遺留物を化学鑑定にもかけて、自説をさらに補強しようと試みてい