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あの事故の背景には、何が隠されているのか? 御巣鷹山の尾根に残された遺物の科学的な分析結果から「テストミサイル誤射説」を徹底検証。事件の真相に迫る告発のノンフィクション。
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Posted by ブクログ
日航123便墜落事故の真相が知りたくて、「墜落の新事実」に引き続き読んでみた。 前著『墜落の新事実』では、目撃者の証言から真相に迫っていたが、今回は「遺体及び証拠物である遺物」の化学的分析結果から、墜落に関する事件性を問うものである。 読み進めていけばいくほと疑惑は高まるばかり。 運輸省(当時)が情...続きを読む報公開法施行前に、日航123便墜落関連の資料をおよそ1トン分も破棄したのはなぜか。証拠隠滅としか思えない。 整備ミスが墜落の原因とされているのに、「遺族への配慮」という理由で、コックピット内の機長、副操縦士、航空機関士と管制官とのやりとりや会話を公開しないのは、公表されては不都合な真実があると思われても仕方がないと思う。 青山さんが書いているように、現場の状況からそうなってしまった原因が何か、という視点から見ていくことで見えてくるものもあるので、「あり得ない」とか「信じられない」という思考を超えて冷静に考えていかなければならないとつくづく思った。 心に残った言葉 ・当時、検死にあたった医師たちが「筋肉や骨まで炭化し、二度焼きした形跡がある」という資料を残した。連日の夕立で湿度75%以上の夏山で、なぜ骨まで炭になってしまった遺体があったのかという疑問、二度焼かれた痕跡があるという鋭い棘のような記述は、読んだ人間の目をそこに釘づけにする。山頂では一晩中狼煙のような煙が立ち上り、多数のヘリコプターがぐるぐると旋回していた。その直下で、いつまでも燃える炎がしたいを焼き尽くし、墜落場所不明の報道にもかかわらず、自衛隊はや機動隊の多数の車が上野村に集結していた。P58 ・朝まで燻り、炎まで上がっている現場状況、消防団の臭いや目撃証言を総合的に見ていくと、遺体状況の比較を加味して考えれば、ケロシンではそこまでならない。ジェット燃料のケロシンは、不時着や突発的事態によって燃料を空中に捨て去ることも多いため引火点も低く、極めて安全性が高いことが表1からわかる。P89 ・最も見てほしい部分は、生存者が発見された場所である。最後部のEコンパートメントに座っていた144人は重なり合い、その遺体状況はほぼ完全な遺体であったと記録されている。実はここは山頂からは全く見えない場所で、沢へ滑落して深い森の木々に囲まれている。すぐそばにNo.1エンジンとNo.2エンジンが二つも転がっていたにもかかわらず、さらにジェット燃料の貯蔵部分の右主翼の一部があるにもかかわらず、燃えていないのである。つまり、他の遺体と異なり、「ジェット燃料で燃えた」ということよりも、むしろ山頂から見えないところだったので、燃えなかったと言わざるを得ない状況である。P91 ・123便には、当時オープンしたばかりのディズニーランド帰りの乗客が多く、そのほとんどが買っていたお土産のミッキーマウスが、なぜか燃えておらずにそばに転がっていたそうだ。化繊で燃えやすいにもかかわらず、不思議な光景であったという。P94 ・あの日、上野村の墜落現場の山奥で、ジェット燃料ではなく、ベンゼンが含まれる大量のガソリンが用いられ、航空機の構造物であるジュラルミンが融解してドロドロになって固まり、その中に硫黄成分を含むゴムのような粘着性の高い物質が含まれていた、という事実は、武器使用の可能性を最大に高めた結果となったのはまちがいないと考える。本来、ありもしないはずの物質があったということは、誰かがそれを持ちこんだ、ということになる。山頂で自衛隊ヘリコプターが物を上げ下げしていたという目撃情報、現場から近い陸上自衛隊相馬原の部隊も所有していたM2型改良型火炎放射器燃料、機体の融解、炭化遺体と一本の線がつながるP160 ・一般人が手に入るはずもない武器燃料で焼かれた可能性をどう説明すればよいのだろうか。成分分析の結果とこれらの写真を見比べながら、私は心の底から湧き出てくる激しい怒りを覚えた。こういう実態を直視せずに、33年間もこれを放置し続けてきたことへの強い憤りと当時の関係者への怒り、そして人間性への失望である。何も知らなかった私たちは、この事実が捻じ曲げられて気付かなかったことで、結果的に隠し通してきた人間の思う壺になっていたことは否めない。P165 ・さらに大きな問題が内在している。それは、平時に非合法な武器使用を安易に実行し、それを命じられた隊員がなぜ拒絶できなかったのか、という点である。ここも重点的に検証する必要性がある。これは自衛隊員自らの命と尊厳、そして良心を守るために大変重要なことにつながる。P167 ・次に今回の遺物における化学的分析結果を記しておく。 まず、ジェット燃料のケロシンには含まれないベンゼンが、御巣鷹の尾根から検出されたという事実は重く受け止めなければならない。さらにジェット燃料の生成過程で除去する硫黄も大量に検出された。この二つを含むものはケロシンではなく、ガソリン、重油といったものである。 ここからわかることは、日航123便に使用されたJA8119号機の機体が高温で融解して塊となった物質から、ベンゼン、硫黄、そしてなぜかクロロフォルムが検出された、という事実である。P193 ・しかし、三十八年という月日を経ても日本航空は開示を拒否し続けている。ボイスレコーダーの情報開示を求めた裁判でも、日航側は乏しい証拠資料を提出するだけに止まり、異常外力の着力点については無視した上で、情報を開示しないと主張した。なぜ墜落原因が後部圧力隔壁説だと主張しながら、その正当性を証明できるはずの元データを公開しないのだろう。主張と食い違い、かたくなに拒む理由がわからない。P212
日航123便墜落遺物は真相を語る 青山透子 河出文庫 兎も角すごい 長年に渡り国家権力に単身立ち向かう 精神性の大きさに感銘を受ける それにしても 国民から預かる権限であるべき 国家の存在を 権力にすり替えて乗っ取る 利己心と強欲故に物欲に陥った人間の 狂わんばかりの不安恐怖からなる 尽きる事のな...続きを読むい保身に人生を費やす 愚かさと浅ましさに驚くばかりだ こうした摩擦界で何を体験して理解し 何を学ぶか? あるいは 摩擦を苦しみとして競い争い 相手を傷付ければ 己に返り血を浴びるだけであり 人生を無意味に費やせば後の祭りであろう
青山透子『日航123便墜落 遺物は真相を語る』河出文庫。 『日航123便墜落 疑惑のはじまり 天空の星たちへ』、『日航123便 墜落の新事実 目撃証言から真相に迫る』に次ぐ1985年8月12日に御巣鷹の尾根に墜落した日航ジャンボ機の真相に迫るノンフィクション。 本作の中では現場の遺物を科学的に分...続きを読む析し、事件の真相を明らかにしようとしている。 日航123便の墜落事故を巡っては、当時、様々な情報が錯綜し、混乱した情報が陰謀説を生み出したのか、或いは著者が主張するように事故ではなく、自衛隊が引き起こした事件であって、自衛隊と政府による隠蔽操作が行われたのか…… ジャンボ機墜落前に目撃されたオレンジ色もしくは赤色の謎の飛行体と2機のファントム機。墜落の直前に垂直尾翼に掛かった11トンもの異常外力と隠蔽された垂直尾翼の黒い擦れた跡。墜落現場に散乱する遺体は何故か真っ黒に炭化し、かなりの高温で二度焼きされたかのようだった。 ジャンボ機墜落の原因は赤とオレンジのツートンカラーで塗られた訓練用ミサイルの命中による尾翼の破損で圧力隔壁の破損によるものではないというのが、著者の主張である。 当時、相模湾で日本の自衛隊と米軍が合同演習を行っており、日航123便を標的に見立て、訓練用のミサイルを発射し、激突を回避しようと取り消し操作を行うが、取り消せずに命中してしまう。 日航123便は相模湾への不時着を試みるが、2機のファントム機が日航123便を山側へと誘導し、恐らくはミサイルで止めを刺し、御巣鷹の尾根に墜落させたのだろう。 著者は自衛隊と政府は墜落現場を特定していながらも、救助活動を遅れせ、現場の訓練用ミサイルの痕跡を消すためにガソリンとタール臭が特徴的なゲル化燃焼剤を使って機体の残骸を燃焼させたのだとも主張している。その証拠が異常に炭化した遺体と現場で採取されたジャンボ機の機体が溶けて固まった物体だと言う。 ジェット燃料は灯油に近い性質であり、国内線の機体に積まれた量を考えても、遺体が真っ黒のカリカリに炭化することはない。また、現場の遺体の散乱状況と遺体の炭化状況が作為的であり、生存者などの証言からも墜落後に多くの人びとが生きていた可能性があるのだ。 本当に謎の多い事故。JALがボイスレコーダーの音声を全面的に開示しない理由は何か。日航123便墜落で生き残ったのは524人のうち僅か4人で、いずれも女性であった。しかし、当時の報道では自衛隊員が男の子を抱きかかえ、救出する写真が映されたと思うのだが、男の子は亡くなったのだろうか。 定価935円 ★★★★★
読み応えがありました。 青山さんは今、おそらく60代半ばぐらいと推定されるが、事実が解明されるまで頑張ってほしい。
事件について発表された内容では説明のつかない目撃談や、遺物を科学的観点から検証し、推測されるシナリオを展開している。 遺族への様々な圧力、警察が任意提出した証拠が返却されない、ボイスレコーダーの内容が一部しか公開されていない、など、陰謀論を展開したくなる要素も盛りだくさんである。 元日航のパイロット...続きを読むは著者の説を「下らん」と根底から否定しているが、否定の論拠は薄弱と感じた。 これから証拠返却の裁判を起こすかも、という話もあるので、また新情報が出たところで、新著を出して欲しい
『日航123便 墜落の新事実』に続いて読んでみた。 本書のほうが、残留物などの調査など、より細かく真相を探る内容。 「ようやく茨の道が法廷への道に変わった。」 と、裁判も行われるまでに至るが、昨年(2023年)6月に結審している。 続きは、『JAL裁判』で読んでみようと思う。
衝撃の事故から(青山さんに言わせると事件)今年は40年、節目の年なので、大手メディアのニュースでも、事故を風化させるなという事で取り上げられているのが多い様な気がする。 ただし、寡聞にして事故原因について再検証している番組は私が知る限りない。公式的にはやはり決着しているという事なのだろう。 前作...続きを読むの「墜落の新事実」が衝撃的であったので、本作もこの時期に合わせて読んでみたが、今回は一応著者の主張を知った上での読書なので、驚きは少ない。 前作の証言や状況証拠を丁寧に積み上げての論証は説得力もあったが、本作品では遺体の状況を丹念に調べて、遺留物を化学鑑定にもかけて、自説をさらに補強しようと試みている。果たして成功しているだろうか。少々感情的に走りすぎている様に感じるが。 加えて、機長についてもある疑惑を投げかけている。ここまでくるとやはり眉唾物で、お安い陰謀論的なものを感じてしまうがいかがなものだろか。 ただ、「森友加計」問題における、お役所のが文書改竄の事実もあったので、この日航機事故でも、国が何を隠し、公式文書でどんな改竄を行なっているかは知る由もない。日航を相手にした巻末のデータ開示の裁判の経過はあまりにも酷いとしか言いようがないし、群馬県警の任意で提出された事故現場の写真を持ち主に返却しない問題もある。こういった事は不都合な真実説を補強する材料になりはしないだろうか。 日航としては、複雑な立場なので言いたくても言えない事は有るのだろうが、当事者としてはせめて生データの開示はする義務があるとは思う。
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日航123便墜落 遺物は真相を語る
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青山透子
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