水村美苗のレビュー一覧

  • 大使とその妻 下

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    ネタバレ

    うつくしくて静謐な筆致の中に不穏さが見え隠れして、夫妻とケヴィンは一体どうなっていくの…?とドキドキの上巻に続く下巻。「夫人」と出会ってからの貴子の半生が語られていく。
    面白かった。ブラジルの日本人移民のことなんて考えたこともなかった。
    でも、読み終わって気付いたんだけど、私、貴子があんまり好きじゃないのかも。なんでだろう、結局は周りの人を振り回して平気な(またはそれに気づいてない)人みたいな気がしてしまって。

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    2025年03月27日
  • 大使とその妻 上

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    ミステリだと思って読み始めたら、まったく違う内容でした。日本文化に傾倒する、やや変わり者と思われる主人公の外国人。どこの国でも、自国の人よりも外国の人の方がその国の文化に大いに興味を持ってリスペクトするもの。外圧などによって自国の文化の良さを改めて発見することを、「遅れてきた目覚め」と主人公は言います。言い得て妙ですが、どこか上から目線の言葉でもあり、複雑な気持ちにさせます。

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    2026年01月22日
  • 大使とその妻 上

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    語り手の日本に住むアメリカ人、
    高等難民みたいで
    どこか日本を見下してるし
    最初は鼻についてたんですが
    読み進むうちにやめられなくなり!

    それは実は彼も
    もう一人の主人公の女性と同様、
    過去に故郷で重い出来事があり
    それをずっと引きずりながら
    生きているから。

    女性の主人公が話す日本語が美しく
    背筋が伸びる気持ちになりました。

    最後は書かれていませんが
    哀しい結末を想像しちゃった!


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    2025年02月12日
  • 大使とその妻 下

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    ケビンは、夫婦のことを書いて残しておきたいと思った。特に貴子のことは。本人から聞いたことより夫の篠田氏から聞いたことが多かった。貴子のことは篠田氏も六条の御息所から詳しく聞いていたのだ。貴子の両親がサンパウロについてそこで貴子は生まれた。しかし母親が死んでしまいどうしようも無くなった父親は旧知の山根書店のおじいさん(安二郎)とおばあさん(八重)に預けていった。この山根書店で貴子は大きくなった。二人は貴子を一人前の日本人として育てたいと習い事にもお金を使った。それで店の奥で謡を舞っていたのを六条の御息所に見られたのである。それが縁で御息所の北條瑠璃子との繋がりができた。

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    2025年02月09日
  • 大使とその妻 上

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    アメリカ人のケビンは一人で軽井沢の追分の小屋に住んでいる。冬の寒い頃は東京のマンションに移っているが、気候が良くなると軽井沢に戻ってくるのが習慣になってしまった。そんなケビンの隣の別荘が改築され新しい住人が越してくるという。静けさを愛するケビンは家族ずれなら困るなと心配していたが、やってくるのは夫婦ずれだという。少しほっとしたケビンだった。そしてその夫婦が越してきて、少しずつお互いの来歴を知るにつれ、ケビンにはその夫婦が忘れられない人たちになっていく。

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    2025年02月01日
  • 大使とその妻 上

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    薄い布を一枚一枚剥ぐように貴子の真実が明らかになっていく
    ケヴィンと同じくわたしも次々に訪れる驚きにただ茫然とするばかり。
    冒頭で夫妻との別れが描かれているので、これからさらに何があきらかになって何が起こるのか、怖いような気持ちで下巻に、、、

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    2024年12月18日
  • 母の遺産 新聞小説(上)

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    時々お話が前後するし、読みにくい部分はあったけれど。
    主人公と近い年だし、他人事ではない内容に先が気になり興味深く読めた。

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    2024年02月19日
  • 母の遺産 新聞小説(下)

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    読売新聞にて2010年1月16日から2011年4月2日まで毎週土曜日に連載(全63回)。当日の新聞を保存してあったので、読み通した。
    自分が母の介護に追われているので、このタイミングで読んでみた。主人公の心理描写が素晴らしく、満足できる着地で読後感は期待以上であった。

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    2022年04月26日
  • 母の遺産 新聞小説(上)

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    読売新聞にて2010年1月16日から2011年4月2日まで毎週土曜日に連載(全63回)。当日の新聞を保存してあったので、読み通した。
    自分が母の介護に追われているので、このタイミングで読んでみた。主人公の心理描写が素晴らしく、満足できる着地で読後感は期待以上であった。

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    2022年04月26日
  • 母の遺産 新聞小説(上)

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    介護問題において今の自分と重なる部分がある次女美津紀のことが気になり読んだ。新聞小説だけに読みやすいボリュームでタイトルがついているのも好ましい。著者の自叙伝部分もあるようなので現実味もある気がする。下巻が楽しみ。

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    2021年09月07日
  • 本格小説(下)(新潮文庫)

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    すごいタイトルだと思って、気になっていた本。
    ・本編が始まるまでに200P以上も不要ではないか
    ・中途半端な実写の写真を挿れる必要はないのではないか
    ・私小説でも本格小説でもないのではないか
    とか思いながらも面白かった。

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    2021年06月27日
  • 母の遺産 新聞小説(下)

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    母と娘って、ありますよね。。

    独特の何かが。

    きっと "父と息子"にも
    あるのだろうけど。

    私自身は 父親との方が
    性格も似ているし
    話も合って 仲が良いのですが

    不思議なことに

    『母の死』を 想像した時の方が
    途轍もない 喪失感に襲われます。

    母と娘って もちろん
    一括りには出来ませんが

    お互いに 値踏みしている感じが
    ありますよね。
    それでいて 目に見えないところで
    囚われているというか。。

    帯の惹句にもなった

    『ママ、いったい
    いつになったら死んでくれるの?』は

    いろんな想いが入り混ざった一言。

    女性が 様々な経験を通して
    少しずつ成長して強くな

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    2021年01月03日
  • 母の遺産 新聞小説(下)

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    ネタバレ

    ここまで自分の気持ちを出せたら、気持ちいいだろうと思う。
    母親に対しての感じ方、とても共感てきる。
    最後は、いい姉妹に恵まれたな、と思う。
    いいラストでした。

    0
    2020年01月22日
  • 母の遺産 新聞小説(上)

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    年老いた母親とふたり姉妹の、介護にまつわる話。
    なんて素直な気持ち!
    冷静にお金の計算もしつつ、体調を加味しつつ、適当に親の相手もする。
    下巻を楽しみに読む。

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    2020年01月19日
  • 母の遺産 新聞小説(下)

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    中年のおっさんが主人公の小説ってけっこうあると思ってて、
    ハードボイルド小説といえばかなりの確率でおっさんだし、
    まぁおっさんの定義にもよるけど、40代、50代でも特に
    おかしくない感じで。
    じゃあおばさんは、っていうと、まぁおばさんの定義は
    おっさんの定義に対して極めて難しい問題をはらんでいるので
    ぶっちゃけ分からんのだけども、確かにおばさん主人公の
    小説ってあんまないのかな。
    じゃあって感じで今回なんだけども、
    小説の中にも出てきているように、まさにおばさんの
    シンデレラストーリー、ただしややしみったれたバージョン。
    でもしみったれた分だけ現実感があって、
    でもそこそこあり得ないだろって感

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    2019年10月24日
  • 本格小説(上)(新潮文庫)

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    村上春樹が訳したスコット・フィッツジェラルドの小説「グレート・ギャッツビー」を思い出した。グレート・ギャッツビーは1920年代、ニューヨーク郊外のロングアイランドの豪邸を舞台に、毎夜盛大なパーティーを開催する若き富豪の物語。この水村美苗の「本格小説」は1950年代後半以降の東京と軽井沢を主な舞台とした日本の富豪を巡る物語だ。華やかな軽井沢の富豪の別荘に出入りするようになった少年東太郎が、自らの出自や貧しさを振り切るため10代で渡米し米国で大富豪になっていく。20代、30代を米国で仕事に全力を注ぎ金銭的には十分に成功するが、実は軽井沢で出入りしていた富豪の家の娘と果たせぬ恋に落ちたまま、満たされ

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    2019年06月05日
  • 母の遺産 新聞小説(上)

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    2012年に単行本で出た際に、読んでいるんです。
    2017年現在からみると、たったの5年前。
    最近、電子書籍で再度購入。

    「母の遺産」水村美苗さん。中公文庫、上下巻。

    #

    50代の女性がいて、結婚していて子供はいない。
    父はもう亡く、老いた母がいる。
    この母が、色々面倒ばかりかけ、たいへんにしんどい。

    コレという判りやすい被害がある訳ではないけれど、とにかく気持ちに負担をかけてくる。手間暇をかけさせる。

    ただでさえ自分も体調が悪いのに。重ねて、介護の手間が厚塗りされる。地獄のような疲弊感。誰とも分け合えない苦労。誰も褒めてくれない重労働。

    そして、夫が不貞をしていたことが分かる。若

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    2017年07月15日
  • 母の遺産 新聞小説(上)

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    何かの雑誌で林真理子がオススメしてたので積読リストに入れてました。

    著者の作品は初めてだったのですが、あーマリコさんが好きそうだな、というのが第一印象です。
    親の介護の話を主軸としながら、更年期、老後資金・・・などなど現実的な問題が山積みでいつかは私も向き合うことなんだ、と漠然とですが感じるものがありました。

    登場する姉妹が母の死を待ち望みながらも、母の老いが進むのに合わせて母が不幸にならずに寿命をまっとう出来るよう努力して快適にしようと努める姿がリアルで、救われるようでもあり、切なくもありました。
    切ないといえば、母親が日に日に老いてゆく姿の描写がかなり切なかったです。
    我儘ですごい人な

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    2017年06月27日
  • 母の遺産 新聞小説(下)

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    ネタバレ

     わがままな母から解放され、つましく生きるには十分な遺産を得て、浮気している夫を捨てる。50代での再出発。これだけ聞けば「最高やんか!!」と思う。
     しかし、この決断に至るまでが長い。後半は失速してしまった。箱根の芦ノ湖畔の仄暗いホテルで、過去を正視し、老後資金の計算をし、葛藤する。最後は明るい終わりで本当によかった。

     世の中には、暴力とか、犯罪とか、絶対してはいけないことをするような「本物の毒親」もいるだろうけど、ほとんどの場合良い面と悪い面を持つ親ばかりなんだろう。私も自分の親って毒親なんじゃないの?と思って色々調べていた時、自分の親は毒親ではない、だけど、この苦しみは自分にしかわから

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    2017年12月15日
  • 母の遺産 新聞小説(上)

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    ネタバレ

    「ママ、いったいいつになったら死んでくれるの?」

     そんなことを言ってはいけない、と怒る人もいるのだろうか。私はまだ30代だけど、「自分の人生を生きたい」母の介護、というだけで他人事とは思えない。まして、私は一人娘。こういうとき、弟なんて役に立たないんだろうな。。「早く死んで欲しい」そんな会話ができる姉妹が妬ましい。

     下巻も一気に読んでしまいそう。感想は下巻で。

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    2017年05月12日