久住四季のレビュー一覧
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久住四季『異常心理犯罪捜査官・氷膳莉花 剥皮の獣』メディアワークス文庫。
シリーズ第2弾。
やはり続編が刊行された。前作と同様、トマス・ハリスの『羊たちの沈黙』と同じようなパターンでストーリーは展開する。
①多くの謎に満ちた猟奇的な快楽殺人事件が発生、②過去のトラウマを抱える新人女性捜査官が事件の捜査にあたるが捜査に行き詰まる、③新人女性捜査官は刑務所に収監されている重大犯罪者の博士と取引して助言を求める、④事件は無事解決するが……
シリーズ第2弾の本作も見事にこのパターンにはまっている。しかし、前作同様に本作も間違いなく面白い。
懲罰人事で奥多摩署の地域課に左遷され、刑事課に復帰し -
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「人の死なないミステリ」(p314)短編集。とても楽しく、読み心地のいい五作品。小学校教師の主人公と、酒豪の先輩教師の、ほの甘い恋の芽生えも感じさせる「さくらが丘小学校 四年三組の来週の目標」。爽やかな高校生たちの物語のようで、失われた恋と現在進行中の恋が交錯する「ライオンの嘘」。憧れていた大学の先輩をデートに誘ったつもりが、なぜか家電量販店のセールに早朝から並ぶことになる表題作。児童公園から毎日猫避けのペットボトルや放置自転車などどうでもよさそうなものが消えていく謎を解く「小さいものから消えよ」。いきなりアメリカとカナダに舞台が飛び、サプライズパーティーのプレゼントをめぐり謎解きが行われる「
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前作の最後で仙波主任が言った言葉通り、捜査一課第四係仙波班に異動となった莉花。
そこでは奥多摩に比べると幾分かマシな対応になった対応。帳場がたち、仙波主任から呼び止められた莉花は、これまでの捜査方法について注意を受ける。
多少逸脱した捜査方法は仕方ない。だが、足をつけるだけに留めておけ。決して沼に入るな。抜け出せなくなる。
その言葉を莉花は最後犯人と退治した時思い出す。
そして今回の事件のテーマは、拷問。
---拷問は志向の刑罰である。
ある教授が出した論文で、終身刑から極刑までの間には越えられない壁があるのだと。罪を犯したのに正当な罰を与えられず刑務所を出る者も中にはいる。そういう者にどう -
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シリーズ2作目。
今度は人間の皮を剥ぐ殺人鬼。
奥多摩の地域課に前作の最後に移動になった莉花は3月から刑事課へ異動となった。
しかしそこでの扱いは酷いもので、莉花もそのような仕打ちをされても仕方ないかと割り切る。
だが、課長の「なんでお前を刑事課に戻したかわかるか?刑事はデスクワークも多いんだ。それをやってもらう為だよ。次の異動まで1枚でも多く報告書を書け」の言葉には思わず反吐が出た。
大の大人が陰険な虐めしてるみたい。
その点、前作から続く捜査一課の仙波主任は利となるものならなんでも使う、そう言って莉花を引き取った姿にいい刑事だと思った。
犯人は正直序盤から何となくわかっていたが、動機につ