久住四季のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
前作の最後で仙波主任が言った言葉通り、捜査一課第四係仙波班に異動となった莉花。
そこでは奥多摩に比べると幾分かマシな対応になった対応。帳場がたち、仙波主任から呼び止められた莉花は、これまでの捜査方法について注意を受ける。
多少逸脱した捜査方法は仕方ない。だが、足をつけるだけに留めておけ。決して沼に入るな。抜け出せなくなる。
その言葉を莉花は最後犯人と退治した時思い出す。
そして今回の事件のテーマは、拷問。
---拷問は志向の刑罰である。
ある教授が出した論文で、終身刑から極刑までの間には越えられない壁があるのだと。罪を犯したのに正当な罰を与えられず刑務所を出る者も中にはいる。そういう者にどうしたらいいのか。拷問をしたらいいのだ。罪の重さに応じてそれに応じた拷問を加える。--痛みと恐怖を。
世間はそれを避難したが、私はどちらかと言うと賛成派かもしれないと読んで思った。
未成年だから罰に問われないとか、人を殺しておいて過失致死で3年で出てくるとか、犯した罪に対して刑が余りにも軽すぎることが多い。被害者家族はやるせない。
日本の司法は刑罰ではなく更生を主にしているとしてもだ。
色々考えさせられた。
-
Posted by ブクログ
シリーズ2作目。
今度は人間の皮を剥ぐ殺人鬼。
奥多摩の地域課に前作の最後に移動になった莉花は3月から刑事課へ異動となった。
しかしそこでの扱いは酷いもので、莉花もそのような仕打ちをされても仕方ないかと割り切る。
だが、課長の「なんでお前を刑事課に戻したかわかるか?刑事はデスクワークも多いんだ。それをやってもらう為だよ。次の異動まで1枚でも多く報告書を書け」の言葉には思わず反吐が出た。
大の大人が陰険な虐めしてるみたい。
その点、前作から続く捜査一課の仙波主任は利となるものならなんでも使う、そう言って莉花を引き取った姿にいい刑事だと思った。
犯人は正直序盤から何となくわかっていたが、動機については「そんな理由で?」と思った。
まあだからこそ快楽殺人者なのだろうが。世間一般では分からない思考を持つ、それでこそ異常なのだ。 -
Posted by ブクログ
久住四季『異常心理犯罪捜査官・氷膳莉花 嗜虐の拷問官』メディアワークス文庫。
シリーズ第3弾。今回も前2作と同様、トマス・ハリスの『羊たちの沈黙』と同じようなパターンでストーリーは展開する。著者はこのパターンを崩さないようだ。最初は二番煎じではないかと思ったのだが、読み始めると非常に面白い。
『羊たちの沈黙』と類似点を整理すれば、①多くの謎に満ちた猟奇的な快楽殺人事件が発生、②過去のトラウマを抱える新人女性捜査官が事件の捜査にあたるが捜査に行き詰まる、③新人女性捜査官は刑務所に収監されている重大犯罪者の博士と取引して助言を求める、④猟奇的な快楽殺人事件は無事解決するが……の4点である。
今回はこれに⑤新人女性捜査官に内部監査の協力の密命とその見返りという要素が加わり、さらに面白さが増す。
しかし、突然、湧いて出て来たような真犯人は頂けないな。そして、思わせ振りな結末。氷膳莉花の両親を殺害したのは……
奥多摩署から警視庁捜査一課に異動となった氷膳莉花は念願であった殺人犯捜査第四係に配属される。どんなことにも動じないことから『雪女』と呼ばれ、服務規程違反の前科を持つ氷膳莉花は孤立しながらも、捜査で結果を出そうとする。
そんな中、都内で半グレ集団の構成員が手足を縛られた上に車で何度も手足を轢き潰され、溺死させられる事件が起きる。半グレ集団の内部抗争と思われた事件だが、天才的な犯罪心理学者で未決死刑囚の阿良谷静は快楽殺人者による犯行と断言する。
事件捜査に没頭する氷膳だったが、突然、警視庁警務部人事一課監察係の監察官である尚澄将生が接触し、警視庁捜査一課の情報漏洩に関する内部監査の協力を持ちかける。
やがて、第2、第3の殺人事件が発覚し、被疑者の正体も見えて来るのだが……
メディアワークス文庫というとラノベチックな感じで、自分のようなオジさんは敬遠しがちになるのだが、このシリーズは普通に角川文庫から刊行されてもおかしくはないのに勿体無い。
本体価格670円
★★★★