久住四季のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
久住四季『異常心理犯罪捜査官・氷膳莉花 嗜虐の拷問官』メディアワークス文庫。
シリーズ第3弾。今回も前2作と同様、トマス・ハリスの『羊たちの沈黙』と同じようなパターンでストーリーは展開する。著者はこのパターンを崩さないようだ。最初は二番煎じではないかと思ったのだが、読み始めると非常に面白い。
『羊たちの沈黙』と類似点を整理すれば、①多くの謎に満ちた猟奇的な快楽殺人事件が発生、②過去のトラウマを抱える新人女性捜査官が事件の捜査にあたるが捜査に行き詰まる、③新人女性捜査官は刑務所に収監されている重大犯罪者の博士と取引して助言を求める、④猟奇的な快楽殺人事件は無事解決するが……の4点である。
-
Posted by ブクログ
久住四季『異常心理犯罪捜査官・氷膳莉花 怪物のささやき』メディアワークス文庫。
プロローグから典型的な異常者の行動が描かれる異常心理犯罪ミステリー。タイトルの付け方からして、恐らくシリーズ化されるのだろう。
主人公が新人女性捜査官で、主人公が犯罪者から助言を得るなど、トマス・ハリスの『羊たちの沈黙』以来、内藤了の『猟奇犯罪捜査班・藤堂比奈子シリーズ』などで使い古された設定を素直に踏襲している感じがする。そして、明らかに『羊たちの沈黙』を意識している描写もあり、少し不安になった。しかし、意外にもストーリーは面白く、二番煎じという感じではない。
都内で相次いぐ女性の猟奇殺人事件。女性の死体は -
Posted by ブクログ
ネタバレ数年に一度、隕石が落ちてくるという星読島を巡るミステリ。隕石にまつわるネタとサラ博士というキャラクタで興味を引っ張っていくスロースタートながら、最初の事件が起きてからは一気呵成。登場人物の思考が追いつかないタイミングで次々と新たな展開を見せていく。サラ博士の言動が強烈すぎるためこれで終る訳がないと思わせてしまうのが狙っているのか、ミスっているのか。「隕石」というアイテムを活かした動機や背景は実に見事。舞台も日本ではなく外国にしている点も雰囲気が出ていて良かった。いろんな人をと言いながら日本人が二人も入っているのはご愛嬌。しかし、ロンドンの老紳士の話が未解決なのでミステリとしては不満である(冗談